「ベルマーク大使」98歳、マーク仕分け半世紀の幡野たいさん


(2016/01/15)印刷する

 幡野(はたの)たいさん。1917(大正6)年4月生まれ、98歳。山梨県上野原市在住。近くの市立上野原小学校のベルマーク運動参加を手がけ、1965(昭和40)年から約50年間、同小に集まったベルマークの仕分けを引き受けてきました。「ベルマークは生きがい。健康につながります。おかげで長生きしてますよ」


仕分け「させていただく」/幡野たいさん

 98歳の幡野たいさんの取材を終え、握手をして別れました。しっとりとした温もりでした。50年間、上野原小学校で集めたベルマーク241万点を仕分けし、数えてきた手です。

押し入れをあけると得意の手芸の品々があふれていました。「いっぱい作りすぎちゃってね。欲しいという方に差し上げています」

 幡野さんの功績をベルマーク新聞10月号で紹介しました。12月、改めて自宅にお邪魔しました。2階6畳間で、新聞を傍らに置いて「まだ続けていますよ。ベルマークのおかげで長生きしてますから」と笑って話しました。11月にも1万5千点を仕分けしたばかりです。1週間ほど費やしました。仕分けは年3回ほどです。「終わると寂しくなってね。次に届くのが待ち遠しくて」

 幡野さんは次女が同小4年当時、ベルマーク運動のことを知りました。PTAに話を持ち込み、4年の学年委員会でスタートさせました。1965(昭和40)年7月、運動に参加し、幡野さんの長いベルマーク人生が始まりました。やがてベルマークは学校ぐるみの活動に変わり、今に至ります。

 ベルマークを集めれば学校の備品や教材が買え、見知らぬへき地校などの支援にもなる。そんな仕組みに、幡野さんは強く共感しました。「少しでも学校のために、いろんな子どものためになるわけですから。してやるんだっていうことではなくて、させていただくっていう気持ちです」

 ベルマークだけではありません。幡野さんは週3日通うデイサービスでも、後片付けの手伝いなどに精を出します。「親切で世話好き」。職員のみなさんの評判です。

デイサービスに通う施設の職員のみなさんから毎年4月の誕生日にいただいてきたお祝いの数々です

 自宅では毎朝、血圧を測り、風呂のあとは絵を描いたり得意の手芸やジグソーパズルをしたり。替え歌も作ります。部屋が2階なので階段の昇り降りも日課です。声も通り、口調も明瞭です。

 上野原小では1月、預金で買ったばかりのラジカセ披露会を開きます。幡野さんも出席します。大使として初の活動です。                             (米内隆)

上野原小学校の近藤周利(ひろとし)校長と。近藤校長は同小には通算4度目の勤務です。担任、教務主任、教頭、校長と務めてきて、幡野さんとは担任時代からの長いおつきあいだそうです

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