復興へ一歩前進、子どもたちへ心配り続く


(2014/07/29)印刷する

宮城県の被災校を訪問

 ベルマーク財団は7月23日、宮城県の震災被災校3校を訪問しました。学校支援で今後やるべきことは何か、確認するためです。新校舎の場所が決まり、復興へ一歩前進した学校も増えていますが、津波にあった沿岸部は荒

七ヶ浜中の敷地には仮設住宅が建っています
涼としたさら地が残り、心が痛みました。
 訪問先は、宮城県小学校長会の荘司貴喜会長(多賀城市立多賀城小校長)に調整をお願いしました。
 まず、仙台湾に半島のように突き出た七ヶ浜町の町立七ヶ浜中学校をたずねました。高台にあり津波は免れましたが、地震で校舎が壊れました。他校の間借りをへて仮設校舎へ。給食は隣の多賀城市、松島町に頼ってきました。4月に町の新給食センターが完成。食材が混じらないアレルギー防止対応の最新設備だそうです。また、新校舎もすぐ前に建設中で、11月にも完成の予定です。その工事をみると、復興に向かっていると実感します。
 遠藤勝則校長は「新しい校舎に入ってみないと、どんな問題が出てくるか分からない面があります」と話します。新校舎の図面を詳しく検討し、いくつも改善点を提案してきたそうです。ただ、あくまで校舎の復旧工事とい
プレハブで建てた山下小・山下第二小の図書室。ベルマークで買った本も並んでいました
う位置づけのため、あらたな設備を加えることは資金的に難しいそうです。せっかく建て直すならと希望が膨らむのが人情ですが、どの被災校もこの制限に直面しかねません。

  

 次に、県南部の山元町立山下第二小学校へ。沿岸部にあった校舎は津波に遭いました。やや高台の山下小学校に間借りして4年目です。児童の3割弱が仮設住宅から通ってきます。狭く、隣室の音が響くなど家庭学習には厳しい環境です。また、通学バスに合わせて下校しなくてはならない子どもたちは、放課後の補充学習ができない悩みがあります。全児童との面談を行い、併設の山下小との合同学習も積極的におこなっています。震災直後は余震におびえていた子どもたちも、いまは学年があがって落ち着いています。
 2年後には、内陸の新市街地に新校舎ができる予定です。太田一江校長は「ベルマークの支援で図書やボール類などを購入しました。子どもたちに見える形で支援を還元するよう心がけ、併設校だからできることを前向きに取

閖上小の1年生の教室。机が四つ並んでいます
り組んでいます」と話します。

  

 やはり津波に襲われた名取市立閖上(ゆりあげ)小学校。8キロほど離れた内陸の不二が丘小学校に間借りしていますが、3年後には閖上中学校との小中一貫校として閖上地区内に戻り、再出発することが決まりました。
 いまはスクールバスが7コースあり、散り散りになった子どもたちが集まってきます。一番遠い子は1時間かかる

海に近い山元町立中浜小学校の旧校舎。2階の屋根の下まで水が来ました。震災の遺構として残す計画です。周囲は雑草のさら地で人家はありません
そうです。三品隆校長は「午後4時には最終のバスが出ます。子どもたちが遊ぶ時間、運動する時間を確保するよう気をつけています」と話しています。
 閖上小には6年生は40人以上いるのですが、1年生は4人、2年生は8人です。小中一貫校になれば、より継続的な教育実践が可能になります。学校の復興は地域を離れた家庭が戻るきっかけになります。地域の皆さんも創立140年の伝統校の将来を見守っています。

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