徳島・三好市立下名小で一輪車講習会


(2019/09/10)印刷する

 運動会で新しい技を見せたい!――。徳島県三好市立下名小学校(西浦智代校長)で8月29日、全校児童12人が参加して、ベルマーク財団のへき地校支援プログラム「一輪車講習会」が開かれました。

 下名小学校は、吉野川の名勝「大歩危峡」にほど近い山あいの小学校。妖怪「子泣き爺」の〝故郷〟といわれるこの地域は近年、「妖怪伝説」による町おこしに力を入れ、子どもたちも子泣き爺のコスプレで「妖怪フェスティバル」に参加したり、妖怪にちなんだお菓子のレシピを考えてみたりと、地域のみなさんとのふれあいを大事にしています。

最寄りのJR大歩危駅では子泣き爺駅長がお出迎え

 9月22日に予定されている運動会も、地域のお年寄りたちも交えての合同運動会です。毎年一輪車の演技を披露していて、今年も6月中旬から練習に励んでいます。児童の数は、2年生2人、3年生1人、4年生3人、6年生6人の計12人。全体の半分を占める6年生にとっては最後の運動会ですから、練習にも力が入ります。そこに、ベルマーク財団のへき地校支援として一輪車6台の寄贈が決まったことをきっかけに「講習会」開催へと話が進み、子どもたちのやる気もさらに盛り上がりました。

 いつもは校庭で練習しているのですが、この日は前日の雨で校庭がぬかるんでいたため体育館での開催となりました。自分たちで丁寧に泥を落とした一輪車が並ぶ体育館には、開会前から様子を覗きに来る子もいて、みんなのワクワクが伝わってきます。先生役は、日本一輪車協会インストラクターの鈴木奈菜さんと須郷真弥さん。2人とも世界大会で優勝した経験もあるエキスパートです。まずは、音楽に合わせての模範演技。2人の息もぴったりで次々と繰り出される高度な技の数々に子どもたちの目は釘づけ。思わず息をのむ場面も度々でした。

一輪車の前はどっち?
これは楽勝
背筋を伸ばして
サドルの位置はおへその少し下


 8の字走行、アイドリング、片足走行、バック、タイヤ乗り、スピン……、と技の説明も一通り終えたところで、いよいよ子どもたちの出番です。まずは、一輪車の仕組みや安全な乗り方、サドルの高さといった基本を丁寧に説明していきます。子どもたちだけでなく、学校の先生たちの間からもどよめきが起こったのは、ペダルに置く足の位置。土踏まずではなく、もう少し前、足の幅が一番広い部分で踏むと格段にバランスが良くなり、動きやすくなる。それを実際に自分の体で確かめたからでした。背筋を伸ばして真っ直ぐ前を向くことが、安定した走りを生むことも覚えました。

 大半の子どもたちが一輪車に慣れていて、ある程度は乗れることから一気に連続技に入っていきます。2人一組になって両手を交差してつなぎ、同時に乗って同時に下りる。「いいね、いいね」、「お、バッチリ!」。先生たちからの声に、子どもたちも嬉しそうです。それができるようになったら、つないだ片手を頭越しに回して2人が前後でつながる「トレイン」。さらに、手をつなぎかえたり、つないだ片手を離して回転したり、つなぐ手を変えて逆回転に移ったりと、どんどん動きを加えていきます。流れるように技がつながる連続演技。息を弾ませ、目を輝かせる子どもたちには、運動会での目標が見えたようでした。

あ、もう少し!
できた!かな?
運動会へ向けて


 予定の1時間半はあっという間に過ぎ、一回り自信を増した子どもたちを前に、鈴木さんは「短い間だったけど、すごく頑張って上手になりました。練習を繰り返せば技は絶対にできるようになります」。須郷さんも「できて嬉しかった、うまくいかなくて悔しかった、色々あると思いますが、みんなが同じ気持ちでやらないとキレイな演技にはならない。自分の事はもとより、周りを見て落ち着いてやることが大事です」とエールを贈りました。

 4年生の大黒冬真くんは「2人に教えてもらったことを実際にやってできたので、とても楽しかった。失敗もあったけど色んなことを覚えました」と嬉しそう。6年生の上谷羚七さんは、「2人が本当にかっこ良かった。いつも決まった技ばかりやっていたので新しい技が新鮮。その内のいくつかは一発でできました」と目がキラキラ。

 「子どもたちは一輪車講習会に刺激され,休み時間には運動場で自主練習に取り組んでいます」。翌週に届いた校長先生からのメールには、そんな言葉が躍っていました。

お疲れさまでした!

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