和歌山の2校で一輪車教室


(2018/11/05)印刷する

日高川町立笠松小・田辺市立龍神小

 和歌山県の2つの小学校で10月22日と23日、ベルマーク財団のへき地校支援のプログラム「一輪車講習会」が開かれました。どちらの学校も一輪車に熱心に取り組んでいて、秋の運動会では毎年子どもたちが自慢の演技を披露しています。実はこの講習会、運動会に向けての実力アップのために、9月の初めに予定されていたのですが、運悪くやってきた台風24号のせいで延期になっていたのです。運動会には間に合いませんでしたが、子どもたちはファイト満々。大きな歓声が、紅葉の気配もきざした山あいに響きました。

 

鮮やかなWスピンに目は釘づけ
子どもたちを見守る山にもうっすら秋の気配

 講習の先生は日本一輪車協会の鈴木奈菜さんと須郷真弥さん。2人とも国際大会優勝の経歴を持つアスリートです。コマのように回転したり、一輪車の上でY字バランスを披露したり、音楽に乗って華麗に、ダイナミックに繰り出される超絶技巧の模範演技には、どちらの学校からも思わず手拍子がわきます。技の紹介を聞き、世界レベルの演技を目に焼き付けた後は、いよいよ実習です。

 22日の日高川町立笠松小学校(橋本光校長)は、運動会で発表するペア演技、グループ演技にも積極的に取り組んでいて、2年生以上はみんな補助なし乗車ができる実力の持ち主です。この日は全校児童16人に近くの寒川第一小学校の11人、川原河小学校の2人も加わって、爽やかな青空の下での賑やかな講習会となりました。

 人数が多いので1~3年生と4~6年生に分かれて実習スタート。鈴木さんが先生の下級生組は「良い姿勢」を心がけることに重点が置かれます。「腰を真っ直ぐ!」「顔を上げて前を見て!」。姿勢の違いで、走り方がぐっとスムーズになるのが傍から見ていても分かります。普段はDVDなどを見て指導している先生たちも、「なるほど、こういうところに気を付ければいいのか」「とても参考になる」と納得顔です。走りながら手を広げたり、両手を胸に当てたり。体が一輪車になじんで来たら、2人でペアを組み横並びで両手をつないで走る「プロムナード」から手をつないだまま体を入れ替えて前後になる「電車」への移行技、2人や3人で手をつないでグルグル回る「メリーゴーラウンド」など、グループ演技を練習していきます。最後は子どもたちのリクエストに応えて、ペダルを小刻みに動かしながら同じところに止まる「アイドリング」に挑戦。「6回できたぁ、初めてや!」の大きな声も響きました。

 

タイヤ乗り、バランスとってちょっとずつ

 須郷さんが指導する上級生組は、最初から「アイドリング」にチャレンジ。さすがは手慣れた子が多く、先生の指示を着実にこなしていきます。斜めに支えた一輪車をまたいで乗る「横乗り」、ペダルから離した足で車輪を回して走る「タイヤ乗り」と技はどんどん高度になっていきますが、みんな一生懸命くらいついていきます。降り注ぐ日射しもものともせず、時間はあっという間に過ぎて行きました。「模範演技の鮮やかさにびっくりした」という友渕崇文さんは(6年)は、「教えてもらったことを大事に練習を重ねたい」と意気込んでいました。

良いお天気で楽しかったね(以上、笠松小)

 


 

 23日は「美人の湯」で名高い龍神温泉にほど近い田辺市立龍神小学校(古久保功校長)。体育館に1~6年生の15人が集まりました。この学校でも全校で一輪車に取り組んでいて、3~6年生は運動会で成果を発表していますが、1、2年生はまだうまく乗れません。そこで、乗れる子チームを須郷さんが、乗れない子チームを鈴木さんが教えることにしました。

 

なんだか、怖いな(以下、龍神小)
華麗な模範演技に思わず拍手

 

 乗れる子チームは12人。うまく下りる方法から、8の字走行、アイドリング、と続き、最後はグループ演技の大技「ループトンネル」成功を目指します。まずはペアを組んで握手してそのまま回転、合図でつなぐ手を変え逆回転します。次には2班に分かれ、手を繋いで大きな輪を作って右に回り、途中で回る向きを変えます。ところがこれがなかなかうまくいきません。繋いだ手が離れたり、誰かが転んだり。「いっせーのぉ、せっ!」向きを変える大きな合図が何度もこだましました。「ループトンネル」は輪を作った中の2人がつないだ手を挙げたトンネルを残りの子どもたちが潜り抜けていくという難しい技。見事成功、とまでは行きませんでしたが、もう少しという所までこぎつけた子どもたちの目は輝いていました。

 

息を合わせて
ほら、こんなに乗れるよ

 乗れない子チームは3人。ステージの縁で体を支えながら、バランスを覚えていきます。ここでも大事なのは姿勢。鈴木さんの言葉に盛んにうなずく子どもたちですが、耳で聞いたことがそのまま体で実行できないのが一輪車。何度も転んだり、車に逃げられたりしながら、黙々と練習します。サドルに乗ったまま、支えている手を離して拍手、ステージの縁につかまりながらの前進、安全に下りる練習……と、それでも少しずつ一輪車が体になじんでいきます。講習会も終わりに差し掛かったころ、乗れない子チームの一角から大きな歓声が沸き起こりました。先生に片手を支えられて前に進んでいた2年生の山本溪太くんが、手を離れてスルスルと5mほど走ったのです。「乗れた!」。びっくりしたような車上の顔が、すぐに誇らしげな表情に。見守っていた先生たちも「すごい、すごい」と本人以上に喜んでいました。

 「ここまでの上達はびっくり、感動しました」と鈴木さん。「あきらめないで、沢山練習してください」という励ましの言葉に、6年生の濱口隆太郎さんは、「片足でのアイドリングは難しかったけど楽しかった。姿勢を意識して頑張っていきたい」とこの日の成果を噛みしめていました。

 

お疲れさまでした

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