熊本の2校で一輪車教室


(2018/07/27)印刷する

 へき地校への支援を進めているベルマーク財団では、今年度も5県7校で一輪車講習会を実施します。その最初が熊本県の2校でした。開催時期が西日本豪雨の直後だったため、列車が止まり、一部区間は代替バスを使用するなど厳しい旅程に。でも子どもたちは元気に迎えてくれました。


 7月12日朝、熊本県の山あいを走るくま川鉄道「田園シンフォニー」で多良木駅に降り、そこから山に向かってタクシーに乗って15分。多良木町立黒肥地小学校柳野分校(安達貴美子校長)は、柳野地区の4年生までの児童が通う学校です。分校ができたのは大正14年。90年を超す歴史を持ち、数十人の生徒を抱えていた時期もありますが、今の児童数は各学年1人ずつの計4人。それでも全学年に児童がそろうのは7年ぶりだとのこと。教職員3人をあわせても7人という家庭的な雰囲気の分校です。

 一輪車を教えるのは、鈴木奈菜さんと須郷真弥さん。お二人とも国内外の大会で優勝経験を持つベテランのインストラクターです。まずは模範演技。その高度な技に、こどもたちからは「すげぇーっ」「うわーっ」と感嘆の声が漏れていました。

最初は高さ調整から
姿勢が大事
手をつないで回ろう

 いよいよ実践。その前に一輪車を調整します。サドルの高さはおへその位置。意外に高いです。本校から安達校長も応援に駆けつけ、近所の人も見守る中、練習が始まりました。1年生の中村愛斗(まなと)くんは壁を支えにし、まずちゃんと乗ることに一生懸命。2年生の源嶋良(げじま・つかさ)くんも頑張ります。3年生の坂井涼真くんは「横乗り」という技にも挑戦。4年生の川口礼沙(あやさ)さんは、一人で長く走れるようになりました。

 講習を終え、こどもたちは「きつかった」「でも楽しかった」「教えてもらったことを忘れないように頑張る」と前向き。鈴木さんは「あきらめない気持ちを持って、たくさん練習してください」と励ましていました。

疲れたーっ
両側を支えてもらって
記念写真


 翌日は、同じ熊本でも今度は有明海沿いの肥薩オレンジ鉄道に乗り、佐敷駅で降ります。そこから山に向かってタクシーで約20分。芦北町立大野小学校(渡邉容子校長)に着きました。児童数は41人で、へき地としては多めです。

 学校創立は明治8年で140年の歴史があります。近くに石灰がとれる鉱山があり、往事はかなり栄えていたようですが、10年ほど前に他の小学校2校と合併して今に到ります。敷地が29000㎡もあり、ムササビが住む通称「忍者の森」が校庭から見えます。土地の名産は大関米というブランド米で、とてもおいしいそうです。

 講師は昨日に引き続き鈴木奈菜さんと須郷真弥さん。渡邉校長が「お二人は夢をかなえた人です」と紹介し、「みんなも汗をかいて、頑張って乗れるようになりましょう」とあいさつ。人数が多いのに加え、元気な子が多く、模範演技にも「すごーいっ!」などと大きな声が体育館一杯に響き渡ります。「きょうはみんな反応がいいね」と講師の二人もうれしそう。

華麗な模範演技
先生も頑張ります
頑張れ1、2年生

 最初は、まだ初心者の1、2年生に乗り方の練習。壁に手をつき、姿勢を正してしっかり乗る訓練です。その後、3~6年生が上級者と初心者の子に分かれ、それぞれ練習に励みます。先生の一人も初心者に交じって挑戦していましたが、なかなかうまく乗れず、壁から数メートルこいでは「ああっ、ダメだ」と倒れる繰り返し。一方、上級者の子の中には、二人で手をつないで回転し、さっと向きを変えて今度は逆回転する乗り方ができるようになったペアも出てきました。

 練習を終えると全員が整列し、3、4年生の代表が「むつかしかったけれど一生懸命やりました、ありがとうございました」とあいさつ。みんなで記念撮影をして、2時間弱の講習が終わりました。

さっと回転の向きを逆に……
上級者集合
手をつないで回転、その後逆回転
ちょっとてれながら、ありがとうございました
記念撮影
面白い顔をしてねと頼んだら……

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