「一輪車講習会」、和歌山県・広川町立津木小で
(2017/09/05)印刷する
あきらめず、「たくさん学べて、できるようになれた」
ベルマーク財団が主催する、今季2回目の「一輪車講習会」が8月25日、和歌山県のほぼ真ん中にある広川町立津木(つぎ)小学校で開かれました。32人の児童が日本一輪車協会公認インストラクターの指導を受け、安全で、正しい乗り方や集団演技を学びました。
講習会の前に二学期の始業式があり、堀田正校長が「新しい学期は、一輪車講習会をはじめとする様々な行事を通じて自分を高め、成長させましょう。こんなことができるようなった、こんな努力をした、と胸を張って言えることを一つでも作りましょう」と児童に呼びかけました。
講習会の講師は、前回に続いて鈴木奈菜さんと須郷(すごう)真弥さんです。
まず体育館で、模範演技です。2人が8の字走行やアイドリング、後退、タイヤ乗り、スピンなど、基本から高度な技までを次々と披露しました。まるでフィギュアスケートのような華麗な走りに驚きの声をあげる子どもたち。2人は「上手になるコツは姿勢を良くすることです」と強調しました。そして、「一輪車は簡単には乗れません。私たちも何百回、何千回も失敗を繰り返してやっとできた技がたくさんあります」「今日できなくても、頑張ればいずれできるようになります。あきらめないで取り組みましょう」と励ましました。
校庭に場所を移して、サドルの調整やペダルのこぎ方、乗り方と降り方から講習会が始まりました。補助なしで乗れる班と、乗れない班に分かれて指導を受けましたが、津木小では、児童に一輪車を1台ずつ割り当てて、自由に練習できる環境にあるので、およそ半数が補助なしで乗れます。
乗れる班は、2人一組で手をつないでグルグルと回る「メリーゴーラウンド」を練習しました。手をつなぐ人数を増やし、動きを合わせるコツをつかんでいきます。最後は、全員で一列になって走りながら、先頭の2人が腕を掲げて輪を作り、その中を最後尾の人から順にくぐり抜ける「ループトンネル」という技に挑戦しました。
初心者班は、鉄棒を利用して一輪車の乗り降りや前へ進む方法を特訓したり、2人で手をつないで並んで走ったりする練習に取り組みました。
上達の度合いは人それぞれでしたが、約2時間の講習を通じて、みんな自信をつけたようです。終了後、子どもたちを代表して、6年生で児童会長の中谷深月(みづき)さんが「講師の先生方のすごい技を見ることができて、とてもうれしかったです。新しい技などをたくさん教えていただき、ありがとうございました。本当に今日は楽しかったです」とお礼を述べました。
堀田校長は2年前、校長をしていた有田川町立西ケ峯小学校でベルマーク財団の理科実験教室「クモ観察会」を催したことがあります。日本蜘蛛(くも)学会会員による巧みな授業を通じて、クモを毛嫌いしていた子がすっかりクモ好きになるなど、子どもたちが大きく変わったことが忘れられないそうです。その道のエキスパートに直接学べる機会を津木小の子どもたちにも作ってあげようと、一輪車講習会の開催を財団に申し込みました。
堀田校長は言います。
「できないからあきらめるのではなく、多少の失敗にくじけず、何度もトライして究めることはとても大切。一輪車講習会はそれを勉強するとてもいい機会になったと思います」秋の運動会で子どもたちが練習の成果を地域の人たちに披露する日を楽しみにしています。
◇
講習会の数日後、津木小から子どもたちが書いた感想文が財団に送られてきました。一部を抜き出して紹介します。
・私は「すのり」(補助なし乗車)が得意ではないので、やり方を聞いていると「姿勢が大切」と言うことが分かりました。他にもカーブを曲がる時は、「体で一輪車を動かさず、体勢をすこし曲げ、走り続け、姿勢はそのまま」と聞いて、運動場でやってみると、自然にカーブを曲がれて、嬉しかったです。この体験は、私の一輪車を練習するという魂に火をつけてくれました。
・2人の先生方はこう言っていました。「最後まで千回、二千回と諦めず、頑張ったからできた」と。だから私もこの言葉を心に持って頑張りました。そしたら、前よりもっとできるようになりました。一輪車が楽しくなりました。
・手をつなぎ、すこし進んだらトンネルを作り、最後の人からトンネルを抜けていくというすごく難しい技に挑戦しました。何回かやったけど、できませんでした。これは、一人ひとりが頑張らないとできない技だなと思いました。でもすごく楽しかったです。
☆★☆動画もぜひご覧ください☆★☆