三重・南伊勢町の2小学校で理科実験


(2016/11/14)印刷する

「えーっ?」「うっそー」「ハイ、ハーイ、やってみたーい」と元気いっぱい

 熊野灘に面した三重県・南伊勢町の小学校2校で10月24日、理科実験教室が開かれました。岐阜市のNPO法人サイエンスものづくり塾「エジソンの会」(華井章裕代表)の8人が液体窒素などを使った不思議いっぱいの実験ショーや、楽しいものづくりに挑むワークショップで、驚きと感動の出前授業になりました。

 

ふくらました風船。柑橘油をつけると数秒で破裂=南島東小

 ベルマーク財団のへき地学校支援事業のひとつで、午前に南島西小学校(玉丸宏二校長、児童80人)、午後は南島東小学校(山口真也校長、66人)に会場を移しました。

風船を液体窒素につけると、なかの空気はどうなる?=南島東小

 まずは華井代表らによるサイエンスショーです。膨らました風船を飛ばすと、数秒後に割れました。針で刺したわけでもありません。児童からは「えーっ?」と歓声が上がり、先生たちも不思議そうです。実は、ミカンやハッサクなどの皮をむくと出る油を、飛ばす直前の風船に塗ったのでした。柑橘油はゴムを溶かすのだそうです。

 紙コップに水を入れ、逆さまにしたのに水がこぼれない。こそっと入れていた水吸収プラスチックの仕業でした。ちょっとした手品に、子どもたちの興味がどんどん刺激されます。「やってみたーい」と手がいっぱいあがりました。

 ショーの主役、マイナス196度の液体窒素の登場です。細長い風船を液体窒素につけます。華井さんが「しぼむかなあ? 割れる? こちこちになる? 膨らむ?」と問いかけると、答えが割れました。正解は「しぼんだ後、膨らむ」でした。「なぜそうなるのかを考えるのが理科ですよ」と華井さんが補いました。

 液体窒素でバナナを凍らせると、くぎを打つことができます。花や葉っぱは手でもむと、ばらばらになりました。

液体窒素で凍らせたバナナでくぎ打ち=南島西小
凍った葉っぱは、手でもむとばらばらに=南島西小
液体窒素で凍ったマシュマロをもらい、「おいしい」=南島東小

 第2部はワークショップです。両校とも、講師陣が手分けして五つの工作台を設けました。南島西小では紙のリング2個をストローでつなぐ「紙飛行リング」「ビー玉の万華鏡」「ペットボトルの空気砲」、色とりどりのビニールひもで作る「くるくるレインボー」、CD盤と風船の「ホーバークラフト」、南島東小では、万華鏡とホーバークラフトの代わりに「ビー玉オルゴール」、ロケット型のストローを上に飛ばす「スーパーボールでストロージャンプ」に挑みました。

ワークショップの一角で、紙飛行リングづくり=南島西小

 「これから理科の実験が楽しみになりました」と南島西小の児童代表は感想を述べ、南島東小の児童も「簡単にいろんなものを作れてびっくりしました」「理科はむずかしいイメージだけど、身近なことで楽しめました」と話していました。

 南島西小の藤原昭二教頭は、子どもたちの目の輝きとものづくりの真剣な眼差しに感動したそうです。南島東小の山口校長も「普段、あまり積極的でない児童も『やりたい、やりたい』と声を上げていた姿が印象的でした」と感想を寄せてくれました。

 この日の「エジソンの会」の講師役は70代から50代で、元高校教師の華井さんをはじめ、宮大工の元棟梁や元市職員、元消防署員、保育士、保険代理店経営などさまざまな経歴の持ち主です。岐阜市内の同じ小学校のPTA役員仲間で、移動の車中でも冗談を飛ばし合う間柄です。結成13年目を迎え、岐阜県を中心に愛知県などで年間80回ほどの出前教室を開いています。

こちらは、ビー玉オルゴールづくりに挑戦=南島東小
風船をCD盤につなぎ、ホーバークラフト=南島西小

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