軽快にしなやかな走り学ぶ/熊本・八代市の泉中学校で「走り方教室」


(2015/12/18)印刷する

 熊本県東南部の山あいにある八代市立泉中学校(金矢光弘校長、41人)で12月14日、体への負担が少なく、軽快でしなやかな走りを覚えるベルマーク財団のソフト援助事業「走り方教室」が開かれました。同校は昨年春、施設一体型の小中一貫校として新たなスタートを切りました。新設の体育館と校舎から20メートルほど下の斜面を平らにしたグラウンドで、快晴のもと、時に歓声が上がる楽しい「授業」が繰り広げられました。

 講師は、NPO法人日本ランナーズのゼネラルマネジャーの齊藤太郎さん。齊藤さんはこれまでにFIFA(国際サッカー連盟)やAFC(アジアサッカー連盟)審判団のランニングインストラクターを務め、300人を超えるクラブランナーの指導なども手掛けています。

骨盤と足の運動について説明をきく生徒たち
ラダーを使って足の動きをチェック

 体育館ではまず、チーターの走りや赤ちゃんがハイハイする姿などの映像を使いながら、肩甲骨と骨盤を意識して正しく動かすと、腕がしっかり振れて、効率よくエネルギーが足に伝わるメカニズムについて説明がありました。一通り座学を終えた後、その場でのジャンプや床に横たわり両足をゆっくり左右に動かす動作、2人で体側を伸ばし合う運動など、肩甲骨や骨盤がスムーズに動くストレッチを入念に行いました。

楽しくボールをパス

 次に体育館の端に並び、胸にあてた新聞紙を落とさずに反対の壁まで走る練習をしました。正しいフォームで走れば、ゆっくり走っても新聞紙が落ちないことを体感しました。

 運動場に移ってからは、地面に置いたはしご状のラダーを使ったトレーニングをしました。足を小刻みに動かしながら走り抜けたり、横向きで足を大きく回してステップを踏んだり、敏しょう性と柔軟性を高める練習を繰り返しました。「もっと早く小刻みに」「足は大きく回そう」と、講師からアドバイスが出されます。サッカーボールを使ったトレーニングでは、片方の足を上げたまま手でパス交換。遊びの要素もあり、楽しみながら、骨盤付近の筋肉を使う感覚をつかみました。

前傾姿勢を支えていたひもが解かれると、姿勢よく飛び出しました

 しなやかな走りの第一歩が「正しい姿勢」。これもユニークな方法が紹介されました。腰に当てたひもを後ろの人に持ってもらい、背筋と足を伸ばしたまま少し前傾姿勢を取ります。体を預けたところで、ひもが解かれると勢いよく走り出しました。「顔は正面に向けて。その姿勢で走り続けて」。生徒たちは交互に走者とサポート役になりました。

 最後は、3人一組の男女混成チームに分かれて、30秒ごとに走者が交代するリレー形式のインターバルトレーニングに取り組みました。200メートルトラックを第1走者が走り始めると、講師が「20秒」「10秒」とカウントダウン。「交代」の合図で、次の走者にリレーします。事前に「走る早さはマイペースで」との説明がありましたが、みんな懸命に走ります。自分の番を終えても目はメンバーを追い続け、交代に備えて走者のそばへ移動しなければなりません。3巡目からはトラックを反時計回りへ転換。一人6回ずつ走る計9分間のトレーニングの終盤は、さすがに息が上がる生徒も増えましたが、11人が所属する陸上部員たちは、ハイペースのまま周回を重ねました。「きつかったけれど、とても楽しかった」。走り終えた生徒たちに笑顔が広がりました。

リレー形式のインターバルトレーニング

 終了のあいさつで、陸上部キャプテンの2年、橋口尚平君は「講話を聞いて腰と肩甲骨を意識し、正しい姿勢で走ることの大切さがわかりました。これからの練習にいかし、記録が伸びるように頑張っていきたいと思います」とお礼を述べました。

雲ていの見えるグラウンドに建つ泉小学校

 金矢校長は「初めて見るトレーニングばかりで、生徒たちがとても楽しそうに取り組んでいました。市教委からも見学に来ており、とても参考になりました」と話していました。

 同校のある地域は、面積の94%を山林が占めており、校舎のすぐ後ろにも山がせまります。小学校の児童数は59人で、小中学校合わせるとちょうど100人。一貫校の特性をいかして、入学式や運動会、文化祭、歓迎遠足は合同で、毎日の清掃は児童・生徒の縦割班で行っています。

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