宮城・真山小学校で「一輪車講習会」/「ホンモノ」の技見て、「乗り方わかった!」


(2015/12/10)印刷する

 「一輪車の技って何個くらいあると思う?」。「20個!」「50個!」。子どもたちが口々に大きな声で答えます。「実はねぇ、何百個ってあります」。「えーっ!」と驚きの声。「一輪車は若いスポーツだから、どんどん開発中なんです。まずは見てね」

上手だな~!

 宮城県大崎市立真山小学校(大竹恵子校長、児童53人)で11月12日の午前中、ベルマーク財団の一輪車講習会が開かれました。真山小は、田園が広がる山里の小高い丘の上にあります。一輪車には、週に一度、休み時間に取り組んでいますが、竹馬や縄跳びなどいろんな遊びと組み合わせているのでなかなか時間が取れず、うまく乗れる子はまだ数人しかいません。「全員が乗れる学校の話なんかを聞くたびに、うらやましいなと思ってました。みんなに興味をもってもらって、いつかはそんな学校になればいいな」。大竹校長のそんな思いも後押しして、この日の講習会が実現しました。

華麗なペアワーク

 教えてくれるのは、小山美由紀さんと鈴木奈菜さん。2人とも国際大会や全日本大会で何度も優勝した実力の持ち主です。まずは、全校児童が体育館に集まって、2人の模範演技を見ます。技の数のクイズに続いて、早速実演開始。直進やバック、カーブの曲がり方など基本的な動きに、前後に細かく動きながら一つの場所に止まる「アイドリング」、横倒しにした一輪車を足でホイッと立たせて、手を使わずに乗る「蹴り上げ乗車」、くるくる回る「スピン」など、高度な技が次々に加わっていきます。「ウワーッ」と歓声、「ホーッ」とため息。一輪車の動きに合わせて、みんなの頭もグルーッ。体育館の気温も1~2度上がってきたようです。仕上げは、音楽に合わせたエキシビション。衣装を着けた2人の一輪車が、連なり、離れ、まるで体の一部のように自由自在に動きます。その見事なコンビネーションに子どもたちは息をのんで見入りました。

決まった!

 見た後は自分たちで乗ってみる番です。みんなそろって校庭に出ました。この日は雲一つない青空。でもこの秋一番の冷え込みだったようです。栗駒の山々のてっぺんも少し白くなりました。でも、寒さなんかへっちゃら。子どもたちは元気いっぱい、並べられた一輪車に駆け寄ります。近くの学校から借りてきた分も合わせて、用意した一輪車は約30台。2人で1台、チャレンジとサポートを交代しながら乗ります。

目が離せないよ

 でも、すぐ本番とはいきません。「ここ大事だから、しっかり聞いてね」。一輪車を前に小山さんと鈴木さんが、安全に乗るために注意することを教えてくれます。「自分に合った大きさの一輪車で練習してね。怖いからって小さいのに乗るとケガするよ」「一輪車にも前と後ろがあるよ。よく見てね」「タイヤにちゃんと空気入ってるかな」「足の真ん中でペダルを踏むと危険。足の前の方を乗せるようにしてね」。子どもたちも真剣に耳を傾けます。

 基本中の基本、降り方から練習はスタートしました。一輪車をしっかり体の前に立てて、片足でペダルをギュッと踏んで体を持ち上げ、サドルを越えて前に着地する。簡単なようですが、どうしてどうして結構難しい。怖いと思うと、体の変なところに力が入って、一輪車が横に倒れてしまいます。先生たちも加わって、何度も何度も練習です。「ほら、こうやればいいんだよ」と着地を決めた先生に、「先生、ドヤ顔!」と子どもたちから突っ込みが入ります。だんだん、「できたー!」という声が増えてきました。

ふんふん、これが一輪車ね
おっとと

 となれば、次は乗って前に進む練習です。さっきよりもっと難しい。でも、ちょっとしたコツをつかむとグンと上達するようです。友だちと先生に両側から支えられて、恐る恐る前に進む子、鉄棒を使って体を支えて練習する子、中にはスイスイ走る子もいます。姿勢や目線の高さも大事なポイントのようです。子どもたちの元気な声と笑顔に包まれる中、予定した時間はあっという間に過ぎていきました。

 もっともっとやりたい顔の子どもたちを前に、小山さんが語りかけました。「ほとんどの子がうまく降りることができるようになりました。新しいことができるようになった人も多いと思います。一輪車は、少し時間がかかっても誰もが必ず乗れるようになる。いきなり乗れました、って子はあまりいません。『ちょっとうまくなった』という人がさらに少しずつ上手になっていくんです。あきらめずに練習してください」

 「ここの子どもたちが〝ホンモノ〟の技や人に触れる機会はほとんどない。とてもステキな経験になったと思います」と校長先生。

 「ホンモノ」の技を目の当たりにし、練習の仕方を教わった子どもたちからも、「楽しかった」「いろんな技を見られてうれしかった」「毎日練習して乗れるようになりたい」「乗り方が分かった。1メートルでも2メートルでも、少しでも多く漕げるようになりたい」「難しそうだった着地もしっかりできて、良い体験になった」と、キラキラの感想が返ってきました。

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