奈良県・御杖(みつえ)小学校で理科実験教室「クモ観察会」


(2014/10/20)印刷する

「クモの巣アート」に児童、先生もびっくり

 奈良県東部の山あいにある御杖村立御杖小学校(中西康典校長、39人)で10月16日、ベルマーク財団の新しい理科実験教室「クモ観察会」が始まりました。講師は日本蜘蛛(くも)学会会員で同県在住のせきねみきお先

御杖小学校の児童にクモの話をするせきねみきお先生
生。「くもって、いいやつなんだ」をテーマに野外にいるクモの様子やクモの巣を観察しました。
 参加したのは3~6年生の31人。校内の雑木林の近くに集まりました。せきね先生が画用紙に数字の8の字を書き「クモと言えばハチ」と説明。
熱心にクモを探す御杖小学校の児童
「頭と胸で丸ひとつ。後ろの丸はおなか」。さらに画用紙に脚と目を書き「脚は8本、目は8個です。だから昆虫ではありません」と話すと児童から「へえー」との声が出ました。「ではクモを襲う敵はなんでしょう」とクイズが出されました。児童はしばらく考えた後、「ハチだ」と正解を出しました。
 続いてせきね先生が考案した標本作り「クモの巣アート」です。先生がお手本を見せました。クモの巣に白いスプレーで色を付け、その上からスプレーのりを吹きかけます。黒い画用紙で、そっとクモの巣をすくいラッカーで固めるときれいな標本ができました。まるで芸術家のデザインのようです。
 さっそく1人ひとりが標本づくりに取り組みます。「この網、きれい」と見つけた巣にスプレーを吹きかけまし
せきね先生に捕まえたクモの種類を聞く児童ら
た。低学年の児童には高学年が手助けします。小学校の先生も夢中になり「こんなに簡単に面白い模様ができる」と大喜びです。
 次いで全員でクモの採取です。見つけたクモをせきね先生に見せて、名前を聞きます。「これは子どもをおんぶして育てるからコモリグモ」「ゴミグモは自分はゴミだと見せて身を守ってる」「白金のような色をしているからシロカネグモ」と説明すると、児童は「おもしろい」と大はしゃぎです。
 最後にせきね先生から「クモは刺したり咬んだりしません。ごく一部を除いて毒も人間には影響
アート作品のようにできたクモの巣の標本
しません。田んぼの害虫を食べてくれるので、昔から稲の守り神と呼ばれています」と話しました。児童からは「クモは嫌いだったけど、いいやつなんだと思いました」と感想が出ました。


▼せきねみきお先生
 62歳。大阪の私立中高一貫校で長年、理科を教えるかたわらクモの研究を続ける。60歳で退職後は、奈良県の委託で県内のレッドデータ(絶滅危惧種)ブック作りに携わる。ホームページ「生きものエッセイ虫めづる」が人気。

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