台風禍にめげず「車椅子寄付しよう」/生徒が頑張る栃木・下野市立石橋中、300万点


(2020/07/15)印刷する

 栃木県下野市にある市立石橋中学校(坂口修校長、生徒606人)は、生徒の福祉委員会が、ベルマークを貯めて車いすを買い、近くの施設に届ける活動をしています。ところが昨年10月、台風19号の大雨で校舎が浸水、せっかく集めたマークが泥につかって廃棄せざるを得なくなりました。さらに新型コロナ禍も襲いましたが、生徒たちはめげずに活動を再開させ、「今年度中には車いすを贈りたい」と張り切っています。石橋中はベルマーク財団からの支援対象にもなり、その寄贈マークを加えて累計点数は300万点の大台に達しました。

福祉委員会のみなさん

 石橋中は1957年創立。1995年に現在の場所に移転しました。アーチ状の屋根の下に「アトリウム」と呼ばれる吹き抜けの空間がある特徴的な校舎で、田園が広がる風景の中で一際目を引きます。

 ベルマークの活動主体は生徒の福祉委員会(49人)。ベルマーク預金を貯めて3年に一度、車椅子を買い、学校近くの特別養護老人ホームに贈ることを目標にしています。各クラスに回収箱を置き、委員が朝や帰りの会で生徒に協力を要請。月1回の委員会の時間に仕分け・集計します。最近では、2016年11月に車椅子2台を贈りました。

石橋中の校舎
「アトリウム」と呼ばれる吹き抜けの空間

 その後も目標に向けてマークを集めていましたが、昨年10月12日(土)夜、台風19号が襲来し、関東も大雨になり、学校は床上浸水しました。坂口校長によれば、学校から約2km離れた川の合流部で水があふれたそうです。当時、校舎は改修工事中で、プレハブの仮設校舎で授業をしていましたが、周囲から泥水が流れ込みました。水が引いた後に確認したところ、1階の床は変色し、ひざ上ほどの高さの浸水の跡も。ベルマークを保管していた生徒会室も1階にあり、仕分けが済んで箱で保管していたマークが泥だらけになっていました。消毒するのは難しいため、仕方なく廃棄処分にしたそうです。

 そのほか、学校の敷地内には近くから流れてきた大量の藁(わら)が堆積し、校門の一部も流されていました。その片付け・清掃は先生方に加え、保護者や地域の会社の人たちも手伝いました。祝日明けの15日(火)は通常通り生徒たちも登校。2時間ほど掃除した後に授業に入ることができました。「子どもたちは学校に来てびっくりしていましたが、それほど不安を感じず授業を受けていたのが幸いでした」と坂口校長。浸水の影響で改修工事も11月終了の予定が3月まで長引いたそうです。

台風19号襲来後の様子(石橋中提供)

 ベルマーク財団は昨年の台風・大雨で宮城・栃木・千葉・長野4県の計50校を支援しました。石橋中も支援先に選ばれ、3月に寄贈マークが預金に加算されました。これにより、マークの累計点数は300万点の大台に。ベルマーク運動が始まった1961年に参加し、最近は生徒たちの活動でコツコツと積み上げてきた成果です。

 この支援で、石橋中は高圧洗浄機と掃除機を買いました。アトリウムの床の掃除に重宝しているそうです。

アトリウムに置かれた高圧洗浄機と掃除機

 新型コロナ禍の休校が続いた後、6月にようやく学校が再開しました。最初の福祉委員会では、今年度中に車椅子を1台以上贈ろうと、全校生徒に一人毎月10点ずつマークを集めてもらう計画を立てました。

 委員会は全校生徒にこの計画への協力を呼びかけました。回収箱に使っていたプラスチック容器も仕切りにベルマーク番号を貼って分別しやすいよう工夫しました。その結果、数週間で箱に収まりきらないほどのマークが集まり、1000点以上を集めたクラスもあったそうです。

仕切りにベルマーク番号を貼った回収箱
点数別にしたマークを入れる封筒

 7月上旬、委員会の活動を取材しました。放課後の第2理科室。担当の加藤香織先生が委員たちに、会社別にマークが入った大きな封筒と、点数別にしたマークを入れる小さな封筒をセットで渡し、作業が始まりました。みな真剣な眼差しで手を動かし、点数別に仕分けしていきます。お互い声をかけ合うなど協力し、終わった封筒が次々と教壇に戻されました。特別支援学級の生徒が作業学習の一環として仕分けをすることもあるそうです。

仕分けに取り組む委員たち
お互い声をかけ合い、仕分けたマークを封筒に入れる

 福祉委員長の大塚勝平くん(3年)は、学校全体で社会貢献できることに興味を持ち、委員会に入りました。「呼びかけると、みんなが協力してくれてありがたいです」。増山輝くん(3年)は、教室のロッカー最下段に入れていた教科書やファイルが台風で半分以上水に浸かりました。「自然災害は人間の力ではどうにもできず、すさまじい」。昨年も福祉委員だった川中子瑠南=かわなご・るな=さん(2年)は「たくさん集めていたマークが使えなくなったのは残念でしたが、これからもっといっぱい集めて、車椅子をプレゼントする目標を達成したい」と前を向きます。

福祉委員長の大塚勝平くん
右から、坂口修校長、加藤香織先生

 マーク収集のペースは順調とのこと。加藤先生は「年度内に車いすが贈呈できるよう、生徒たちは黙々と活動してくれています。300万点の達成も、過去の石橋中の頑張りを、今の生徒が引き継ぎ、自主的に活動を続けてきた結果なので、非常に嬉しいです」と語ってくれました。

 【リンク】
 栃木・石橋中/300万点達成アンケート
 https://www.bellmark.or.jp/enquete/30004221/

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