リアクションボールを追いかけて、楽しい体育の授業
(2014/06/25)印刷する
福島県二本松市の小浜小学校
ゴムボールが体育館の床を不規則にバウンドすると、それをつかまえようと、子どもたちがとんだり、はねたりしながら、追いかけ回す。そんな体育の授業が福島県二本松市立小浜小学校で6月24日にありました。
授業に使われたのは、おにぎり大のデコボコした形の黄色いリアクションボール。6カ所の突起があって、床や壁に当たると、予測ができない方向にバウンドします。それを追いかけて、動体視力や反射神経をきたえるというものです。
小浜小学校は二本松市の中心部から西に10キロほどの、とても自然豊かな丘陵地帯にあります。東日本大震災による東京電力福島第1原発の事故で多くの避難者が出ている浪江町と隣り合っています。この影響で小浜小学校の子どもたちも一時は、外での運動を制限されたこともありました。
今回の授業は、小浜小の子どもたちに、もっともっと元気になってもらおうと、首都圏などを中心にスイミングスクールやスポーツジムを展開する「ティップネス」(本社・東京都港区)がベルマーク約1万5千点を集めて、小浜小にプレゼント。このベルマーク預金でリアクションボール7個を購入して実現しました。
この日、指導を受けたのは同小の6年生27人や担任の大竹佐知子先生たちです。ティップネスの大森武・カスタマーサポート部長、石川健治・部長補佐、青木隆・久喜店支配人の3人がインストラクターとして訪れました。
小浜小学校を代表して、高橋健一校長が「ティップネスの方々がベルマークをいっしょうけんめい集めてくれました。たくさんの人たちの気持ちがこもっています。みなさんはたくましい体と心を作るように頑張りましょう」とあいさつ。6年生の児童たちは大きな声で「ありがとうございました」とお礼の言葉を言いました。
さあ、ボールを使っての運動です。1チーム4、5人に分かれて、まずはボールを床に転がして、向かい合った相手が受け取るゲームから。とはいっても、ボールはまっすぐ進まず、進路を変えながら浮いたり沈んだり。なかなか、捕まえられません。「わーっ」「きゃははっ」。体育館中に声が響き渡ります。女子児童は「ボールがあっちこっちにいって、取りに行くのが楽しい」と目を輝かせました。
大竹先生は「ボールの動きが予測できないので、すごく集中します。とてもいい運動です」と笑顔で話しました。続いて、ワンバウンドさせて、相手が捕まえるゲーム。壁にぶつけてはね返ったボールを受け取るゲーム。5人が輪になって、卓球をやるように手のひらで飛ばすゲームなどなど。
さまざまな運動が行われ、予定の45分はあっという間に終わりました。高橋校長は「特有の指導でバリエーションをひろげてもらい、さすがは教えるプロですね。福島のことを忘れずに、こうやって支援してくれて本当にうれしいです」と感謝の言葉を話しました。