ベルマーク便りコンクール優秀賞・大田区立馬込第三小学校


(2024/02/05)印刷する

 「できる人が できる時に できることをやっていこう!」

 ベルマーク便りコンクールで優秀賞に選ばれた東京都大田区立馬込第三小学校の「馬三ベルマークボランティア」のモットーです。

取材日に集まってくれた皆さん
馬三委員会の子どもたち

 PTAが取り組んでいた馬込第三小のベルマーク活動は、コロナ禍で廃止の危機に直面しました。

 2020年度から3年間活動ができなくなり、PTAの中からは「このまま廃止でよい」という意見も出ていました。一方で、「やってみたら楽しかった」「これなら家でもできる」という声もありました。PTAの役員だった田口朝子さんは「このまま廃止することには、ためらいがあった」と言います。そこで2022年6月、PTA総会でアンケートを実施。アンケート用紙には、ベルマーク活動の内容を紹介する文面を加えました。

 「私自身、ベルマーク活動の内容をよく知らなかった」と田口さん。ベルマーク財団のホームページなどを見て、活動が自分たちの学校だけでなく、へき地の学校や特別支援学校、災害で被災した学校、アジアの子どもたちを助けるNPOへの支援などにもつながっていることを知り、純粋に自分自身がこの活動を続けていきたいと思うようになったそうです。

 ただ、PTA活動としてやることを負担に感じている人がいることも事実。そのため田口さんはアンケート実施時に、やりたい人だけでやるボランティア活動として続ける選択肢を提示しました。そして、ボランティアになった場合に、活動に参加してくれるかどうかも同時に尋ねました。

 「もし自分一人だったとしても、続けられる間はボランティアでやれればと考えていた」と言う田口さん。2、3人でも賛同してくれる人がいたらありがたい、と思いながらのアンケートでしたが、ふたを開けてみると、回答数の約6割の世帯が継続を希望し、その約半数がボランティアでとの回答でした。その後の活動者募集アンケートでは28人の方から手が挙がりました。

 「楽しかったから、またやりたい」「できる時間で子どもたちに役立つことをしたい」「子どもと一緒にできる活動をしたい」…

 様々な思いをもった人たちが集まって、ベルマークボランティアが結成されました。自分たちの学校以外の支援にもつながる活動だと初めて知り、関心をもってくれた人もいました。田口さんは「ベルマーク活動の趣旨、目的をきちんと伝えることも大事だ」と感じたそうです。

保護者と子どもが一緒に活動

 2022年10月、田口さんと藤嶋亜季さんが世話人となり、ベルマークボランティアが発足しました。同年12月のメンバー初顔合わせで決めたモットーが、冒頭の「できる人が できる時に できることをやっていこう!」です。加えて、子どもたちと一緒に活動をやっていこう、と世話人の間で決めました。

 PTAからボランティアにバトンタッチしたベルマーク活動ですが、3年間のブランクがあります。コロナ禍前に活動経験のある人から集計などの具体的なやり方を聞く一方で、初めてのメンバーや子どもたち、学校に説明するなど、やることはたくさんありました。

 まず、財団のホームページから冊子「な~るほど!ベルマーク運動」を印刷して子どもたちに配りました。世話人の藤嶋さんは、活動の内容を説明する子どもたち向けの動画を自宅で撮影し、学校で校内放映してもらいました。保護者向けには、財団の説明会動画を使った独自の説明会を開催し、ベルマーク活動への理解や、ボランティアメンバーの募集を呼びかけました。また、ボランティアメンバーは、学年毎の手作りベルマーク回収箱を作成したり、集計に必要な備品を準備したり、子どもたちが楽しくベルマーク活動に参加してくれる工夫について意見を出し合いました。

 そのような自主的な取り組みの結果、子どもたちや保護者はもちろん先生方にも協力いただき大量のベルマークが集まり、発足から半年ほどで、マークの回収から集計、送付まで実施することができるようになりました。

 ボランティアとなったことが影響してなのか、メンバーの一人一人が工夫をしたり、アイデアを出したりして、できることを自主的に進めていくことができ、そして、何よりも楽しく和やかな雰囲気で進められたことが一番よかったそうです。

 これまでは子育てと仕事に追われていたという参加者は「みんなとワイワイやることが息抜きになっています」と話します。夏休みの自由研究にベルマークについて調べた子どももいたそうです。

 馬三ベルマークボランティアの活動方針の一つは、保護者だけではなく、子どもたちにも有志で参加してもらうこと。子どもたち自身に、ベルマーク活動の意味やボランティア精神について理解してもらうことが大切だと考えています。今後は、高学年の児童で構成する馬三委員会に協力してもらい、子どもたちによるお買い物商品の選定アンケートを実施する予定です。また、校内に留まらず、近隣へのベルマーク回収活動も検討を進めているそうです。

みんなでお買いものガイドを見てみました
協力への感謝を伝えるポスター作り

 ベルマーク活動について田口さんは「時代と逆行していると言う方もいますが、私たちには保護者と子どもたちが一緒に集まって過ごす楽しい時間です。小さな善意が集まって形になるという経験は、未来の誰かへとつながっていくと思います。その最初の一歩になればと思います」。藤嶋さんは「私は馬込第三小学校の卒業生で、在校中には近隣の皆様にたくさん支えていただきました。これからは地域の方々にもご協力いただきながら、少しずつこの活動が『学校と地域』『子どもたちと、見守ってくださる近隣の皆様』をつなぐきっかけになればと思っています」と話してくれました。

 大田区立馬込第三小学校は、馬込九十九谷と言われる起伏の多い台地にあります。2025年3月で開校85周年を迎える歴史のある学校で、校歌を作詞したのは、この地に在住していた室生犀星。そんな「文化の香る坂道のまち」に立つ同小は、コミュニティー・スクールとして地域から大切にされています。

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