長野・東御市立東部中が「絵本を届ける運動」に参加


(2023/07/27)印刷する

 長野県東御市の市立東部中学校(盛野憲俊校長、生徒694人)が6月13日、ベルマーク財団のソフト事業「教育応援隊」のひとつ、「絵本を届ける運動」に初めて参加しました。

 アジアの子どもたちに絵本を贈る、シャンティ国際ボランティア会の活動です。日本語の絵本に、現地語の翻訳シールを貼って完成させます。この日作業した絵本の届け先は、ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ、ラオス、カンボジアでした。財団は2000年からこの運動を支援しています。

東御市立東部中学校

 参加したのは、福祉委員会の生徒約50人です。普段はベルマーク活動を担い、毎日、学年を超えた縦割り班で当番活動として、マークの仕分け・集計をしています。

 今回、参加するきっかけをつくったのは、顧問の深町さや香先生。初めは募金活動を考えていた生徒たちですが、お金を集めることには多くの制約がありました。生徒だけでできる活動を深町先生も一緒になって探したところ、見つけたのがこの運動。委員の一人ひとりが主体的に関わることができ、成果が形となって目に見えることから参加を決めました。深町先生は「今日の活動をきっかけに海外のことをもっと知りたいと思ったり、友達との話題にしてみたりと、『興味』を引き出せたら」と話してくれました。

作業中の副委員長・小林結菜さん(左)と委員長・田中航介さん

 準備を進めてきたのが委員長の田中航介(3年)さんと副委員長の小林結菜さん(3年)です。小林さんはこの運動を知ったとき、「自分たちでも力になれる活動があると分かって、嬉しかった」といいます。一方の田中さんは被災地でのボランティア経験があり、令和元年の台風19号では、千曲川の氾濫で被害をうけた家屋の片付けを手伝いました。ふたりとも福祉に関する活動に強い関心を持ち、この作業のためにシャンティから届いたしおりを読んで予習してきました。

 まずは活動の目的と作業内容を知ること。シャンティが制作した動画をみて、贈った絵本がどのように役立つのかを学びます。読み書きができないお母さんに絵本を読み聞かせる女の子がいたり、生まれてから難民キャンプの外に出たことのない男の子に本が知識や夢を与えていたりと、発展途上国での絵本の持つ可能性がとても大きいことが分かりました。

切って
位置を確認して
貼る

 各自、しおりで手順を確認し、理解できたら作業を始めていきます。シールの黒い枠線が残らないよう2mmほど内側を切ることや、上下を間違えないこと、本に折り目を付けないことなど、ポイントがあります。進め方は班によってさまざまで、シールの切り貼りを分担する班もいれば、みんなで同じ作業を進めていく班もありました。

 特に盛り上がったのは、シールを貼り終わった本に、サインを記すことでした。現地語のあいうえお表と照らし合わせながら、自分の名前を書きます。見たことのない言語に驚き、「俺の名前、めっちゃ難しいじゃん」と声をあげる生徒もいました。

友達と協力しながら、自分の名前をサイン
完成した絵本。50分間で全25冊を仕上げることができた

 作業を始めて50分後、25冊すべての作業が終わりました。生徒からは「たった50分間の作業だったけれど、それで他の国の困っている子どもたちの役に立てると思うと嬉しい」「ビデオが分かりやすく、いろいろ知ることができた」と感想があり、参加してよかったと感じてもらえたようです。

 同校では、中学生の自分たちも持続可能な社会の実現に貢献しようと、SDGsの17の目標をアレンジした「TDGs」を掲げています。TOBU junior high school Development Goalsの略です。「残食を少なく」「生活のリズムをつくろう」「使う責任、きれいにする義務」などの文言を盛り込んだポスターを掲示し、生徒全員の意識を高めています。

「TDGs」の17の目標

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