創立90周年「みんなの時計台」、ベルマークを集めて設置/福岡市立吉塚小


(2021/03/16)印刷する

 「みんなでベルマークを集めて時計台を設置しよう!」。そんな運動を進めてきた福岡市博多区の市立吉塚小学校(太田康治校長、児童460人)の校庭に、ポールに支えられた直径70㌢の時計が立ち上がり、今年2月、お披露目式が開かれました。名付けて「みんなの時計台」。地域ぐるみでベルマーク収集に取り組んだ同校は、コロナ禍に見舞われながらも、創立90周年を迎えた2020年度に設置する目標を果たすことができました。

お披露目された「みんなの時計台」

 吉塚小は2018年、創立90周年を記念して学校の環境を整える計画を立てました。そこに屋外にポール型の時計を設けることも盛り込まれました。見通しのいい場所に時計があれば、児童たちが休み時間や放課後に遊ぶ時間を決めて行動できるからです。そこから、学校と地域が一緒になって、時計購入を目指してベルマークを集める活動が始まりました。太田校長は「ベルマークならば1年生から参加することができます。寄付金ではなく、みんなで力を合わせて実現したいという思いがありました」と話します。

 目指す点数は大きく「100万点」と掲げました。翌2019年度には4年生児童による臨時の「ベルマーク委員会」が作られ、ベルマーク回収の呼びかけなどを始めました。学校側も廊下に会社番号別の引き出しがある棚を常設し、児童たちが会社別に分別して入れられるようにしました。

 このほか公民館などにも回収箱を設置。地域の自治協議会が収集を呼びかけたり、校区内の企業が同校にマークを寄せてくれたりもしたそうです。

 集めたベルマークは児童の委員会が昼休みに会社ごとに仕分け、その後PTAの委員会が点数別の仕分けと集計を担いました。2019年度には13万5427点を積み上げ、年間集票点数で福岡県2位になりました。

ベルマーク回収日の様子
回収を担うベルマーク委員

 ところが、思わぬ障害が待ち受けていました。新型コロナ禍です。同校では2020年2月以降、ベルマークに関わる活動ができなくなりました。「校内には、まだ財団に送ることができていないベルマークやカートリッジがたくさん残っています」と太田校長。

 それでもベルマーク預金の残高は、過去に貯めていた分も含めて25万3781点ありました。このため同校は、不足分はPTA費で補充することにし、預金全額とあわせて昨秋、念願の時計を購入しました。

時計は校長室前に展示された

 協力会社のセイコータイムシステムから学校に届いた時計は、まず校長室前に1週間展示されました。間近で見る大きな時計に、子どもたちはびっくりしていたそうです。その後、校庭に設置された時計は、ポールの高さだけで4㍍以上あり、しかも両面式なので、校舎からも校庭からも時間を確かめることができます。電力はソーラーで供給します。

 2月に開かれたお披露目式には、全児童や教員に加え地域の公民館長らも招かれて出席。時計のポールは紅白のテープを巻いておめかしされました。式ではベルマーク委員の児童たちが司会役になり、ポールの足元に据え付けられた銘板を覆ったシートを外しました。そこには「みんなの時計台」の文字が。冬休み期間に同校が全児童から時計の呼び名を募った際、もっとも多かった名前でした。銘板のデザインと製作は、技術のある保護者が担当したそうです。

 太田校長は「ベルマークの点数は0.5点や1点とわずかでも、みんなで力を合わせれば大きなものになる、という足跡を残すことができたのでは。またコツコツと集めることができたらと思います」と語りました。

お披露目式の様子
ベルマーク委員を務めた児童たち

銘板を覆ったシートを外す
ポールの足元に据え付けられた銘板

ベルマーク商品

28g チョコボール〈ピーナッツ〉

ベルマーク検収

今週の作業日:3/25~3/29
1/31までの受付分を作業中