神奈川大学が「本の架け橋プロジェクト」にベルマークを活用


(2020/10/27)印刷する

 神奈川大学(横浜市神奈川区)は、2013年2月にベルマーク運動の参加登録をしてから、これまでに紙芝居42点を購入し、日本語を学ぶ国内外の子どもたちに届けています。大学が進めている国際交流事業「本の架け橋プロジェクト」の一端を、ベルマーク預金で買った物品が担っています。

 新型コロナ禍でキャンパスへの入構制限が続く中、活動の中心となっている総務部地域連携推進室の皆さんに、Web会議システムを使ってお話を聞きました。参加してくれたのは市川洋行課長、保坂彰茂さん、河野直子さんの3人。大学と地域との連携事業全般を担っている部署です。

左上から時計回りに保坂彰茂さん、河野直子さん、市川洋行さん

 ベルマークとして集めているのは使用済みインク・トナーカートリッジのみ。学生や教職員が気軽にプロジェクトに参加できるしくみとして活用されています。回収箱は構内のフリースペースや生協購買部入り口、食堂入り口、講師控室横などに設置。市川さんは「たくさん集められるよう、人通りの多い9ヵ所に置いてあります」と説明してくれました。

 カートリッジの回収は、環境保全にもつながることから「エコ・プログラム」と名付けられました。集まったカートリッジは河野さんが、週1~2回を目安に回収し、仕分け・集計をします。注文書の記入は保坂さんが担当しています。紙芝居を選ぶのは、寄贈先のリクエストに応えるためです。中古ではなかなか手に入りづらいそうですが、ベルマーク運動の協力会社からは販売しているほぼ全ての紙芝居を買うことができます。

回収箱に収まりきらないほどのカートリッジが集まる
集まったカートリッジは河野さんが仕分け、発送する
ベルマークで購入した紙芝居

 紙芝居の購入は、2009年6月、1万冊の本を届けることを目標に掲げてスタートした「本の架け橋プロジェクト」の一部として位置づけられています。ブックオフコーポレーション(本社・神奈川県相模原市、以下ブックオフ)との産学連携事業でもあり、ブックオフから中古書籍の提供を受け、さらに一般から寄付された書籍も集約して、国内外で日本語を勉強する子どもたちに届けます。寄贈先の選定にはJICAや海外日系人協会などの団体が協力し、国や地域を問いません。送る本を選ぶ作業には留学生を含めた学生が関わることもあるそうです。

 これまでにアジア、ヨーロッパ、アフリカ、北米、南米の世界各国に本が届けられ、2016年3月に目標の1万冊を達成しました。その後もプロジェクトは継続され、今年7月20日時点での寄贈数は1万3675冊になっています。

 プロジェクトの開始に大きく関わったのは、人間科学部人間科学科の松本安生教授です。環境政策や環境問題解決のための住民参加が専門ですが、社会貢献の分野でも幅広く活動しています。松本教授をはじめとした大学関係者とブックオフが話し合いを重ね、お互いのアイデアと特長を融合させて、このプロジェクトが生まれました。当初は学部内での活動でしたが、大学全体での社会貢献として2017年、新設した地域連携推進室に活動主体を移し、現在に至っています。

ダンボールに書籍を詰めて、寄贈の準備
絵本の帯を作るワークショップを開いたこともある


 カートリッジの収集には、大学以外にも地域からの協力も寄せられています。やはり産学連携協定を結んでいる湘南信用金庫(本社・神奈川県横須賀市)は2017年、使用済みインクカートリッジ365個を寄贈してくれました。大学側も、毎年11月に開かれる「ホームカミングデー」のパンフレットで、卒業生に呼びかけをしたことがあります。

 河野さんは以前、寄贈先が決まったタイミングで、学内の回収箱にお礼のメッセージを貼り付けたことがあるそうです。「ただカートリッジを入れて終わりではなく、その先……紙芝居になって寄贈先につながっていることを、皆さんに意識してもらえたら嬉しいです」。今後の具体的な数値目標は設けていませんが、市川さんは「寄贈先から喜びの声が届くことがあり、活動の重みを実感しています。プロジェクトは今後も継続していきたい」と話してくれました。

寄贈先のパナマから届いた写真
ブータンで紙芝居の読み聞かせ
届いた絵本を持ったフィリピンの子どもたち

・Facebook「本の架け橋プロジェクト」

 https://www.facebook.com/bridgeof10000books?fref=ts

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