コロナ禍の夏、マークを使った「お買いもの」で熱中症やウイルス感染対策


(2020/08/07)印刷する

 記録的豪雨もあった7月でしたが、8月は一転して夏の強烈な日差しが降り注ぐようになりました。ベルマーク預金でそろえた夏向けの備品も、ようやく出番です。新型コロナ禍の今年は、熱中症対策に加え、感染防止の効果が期待されている製品もあります。最近の「お買いもの」事例からいくつかご紹介します。

扇風機は涼むだけでなく

 北海道北見市の市立三輪小学校(片桐聡校長、児童534人)は大型扇風機20台を買いました。北海道と言っても、7~8月は気温が30度超の日もあるそうです。各クラスの教室に冷房はなく、コロナ禍の影響で夏休みが減って授業機会が増えたことから購入を決めました。7月下旬に品物が届き、さっそく各教室で使っています。「子どもたちは風を感じられることに喜んでいます」と酒井宏昭教頭は話します。

 横浜市鶴見区の市立新鶴見小学校(佐藤朗子校長、児童894人)も大型扇風機14台を買いました。体育館での熱中症対策として以前から購入を検討していましたが、コロナ禍で校舎の空気も動かす必要があると、当初の予定よりも台数を増やしたそうです。集会などの多目的にも使えるほど幅広い廊下に、届いた扇風機のうち10台を設置。「涼しい」と好評だそうです。「コロナの件があったので、急遽対応しました」と岡﨑大輔副校長。

 福島県葛尾村の村立葛尾中学校(佐藤武校長、生徒5人)は、2019年度の財団による東日本大震災被災校支援の対象校のひとつ。震災時の原発事故で全村避難となり、2年前にやっと地元で学校を再開しました。支援で買った大型扇風機を体育館に設置。コロナ対策の換気としても役立てており、佐藤校長は「学校をあげて支援に感謝しています」。現在の生徒は女子のみ。和気あいあいと過ごしつつ、今回の豪雨災害では支援の募金活動もしたそうです。


熱中症を予防しよう

 宇都宮市の市立清原南小学校(吉住寛子校長、児童363人)は、熱中症の危険度を知らせる機器を購入。商品名は「黒球型携帯熱中症計」で、日射や地面からの照り返しの熱を測り、気温や湿度も加味して「暑さ指数」として表示します。携帯できる手のひらサイズ。今年は夏休みが短くなり、学校でも熱中症の心配が高まる中「どこにいてもすぐに危険度を測れます」と吉住校長。校庭やプールで使い、数値が高い時は教室で過ごすといった対応を取るそうです。


 青森県八戸市の市立柏崎小学校(三角浩司校長、児童556人)は、幅が1メートル近くある大きな「熱中症・乾燥注意表示付きデジタルクロック」を買いました。熱中症や乾燥の危険を知らせる赤・黄・青3色の顔マークが点灯します。ベルマーク活動を担うPTAの母姉教養委員会が購入を提案しました。「状況が一目瞭然で分かります。貴重なものが購入でき、大変助かります」と小林淳教頭。昨年も柏崎小はベルマークで大型扇風機2台を購入しています。


冷水とミストで暑さしのぐ

 広島市西区の市立草津小学校(関本宏校長、児童821人)は、ミストの出るガーデンホースと、ミストファンを購入。ガーデンホースは校門近くに設置し、暑い日の登下校時などにミストを出しています。「みんなで集めたマークなので、役に立てるものを購入しました」と担当の三谷展久主幹教諭。


 東京都世田谷区の区立松沢小学校(宇都宮聡校長、児童878人)は、6月にミストポールセットを買いました。ここ数年、猛暑が続いたことからから購入を決めたそうですが、大島出副校長によれば、商品が届いて「さあ使おう」という時から雨続きで、1学期は活躍の機会がなかったとのこと。夏休みの8月中は校内の学童保育に通う子どもたちのために使われる予定です。

 三重県四日市市の市立三滝中学校(山下博校長、生徒413人)は、校内に3台あるウォータークーラーのうち1台を更新しました。生徒の福祉委員会を中心に、機器の更新を目指して代々ベルマーク活動を続けてきた成果です。委員たちは届いた商品を前に「実際に買えたんや」「次は何を買おうか」と目を輝かせていたとのこと。委員会担当の元水幸子教諭は「購入額の1割が支援金に回り、少しでも誰かを助ける力になれたことも嬉しいです」と話します。


商品によって到着時期に差

 大分県別府市の別府大学明星小学校(森日出夫校長、児童291人)は、泡石鹸液と専用のボトル、固形石鹸、次亜塩素酸ナトリウム消毒液などを購入。授業の前後や給食前には、児童たちが手洗い場で距離を保って並び、手首まで泡を付けてしっかりと洗っています。固形石鹸は備蓄用、消毒液は放課後に先生たちが行う清掃に使うそうです。臨時休校中の3月に注文し、4月上旬に届きました。佐藤元昭副校長は「スピード感を持って対策に当たらなければならなかった時に、ベルマークが頼りになりました」と話します。


 一方、商品の到着に日数がかかるケースも。奈良市の市立三笠中学校(田和善博校長、生徒703人)は、修学旅行で使うことを目的に、非接触型の体温計を注文しました。ところがメーカーで品切れのため、商品の到着が間に合わなくなりました。旅行には別の手法で対応したうえ、後々の学校生活で活用する予定です。

 協力会社の内田洋行によれば、サーキュレーターや冷風機などは、熱中症に加えてコロナ対策としても人気のため品薄だそう。非接触型体温計も需要が高く、注文してから届くまでに3カ月近くかかることがあるそうです。希望商品は事前に在庫を確認するなど、供給態勢にもご留意ください。


 ベルマーク預金によるお買いものは、代金の1割が財団の援助資金として寄付され、へき地校や災害被災校などへの様々な支援に使われます。買える商品のカタログ「お買いものガイド」は年2回春と秋に発行。今年の秋号は10月下旬までには各校にお届けします。

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