念願の「木琴」マークで初購入/神奈川・吉田島高校吹奏楽部


(2019/11/12)印刷する

 神奈川県開成町にある県立吉田島高校(中戸川啓二校長、生徒352人)は今年5月、初めてベルマーク預金を使ったお買いものをしました。それは「木琴」。楽器が不足している吹奏楽部が6年前から楽器購入を目的に始めたベルマークの収集活動が、ようやく実を結びました。念願がかなうまで、どのような歩みがあったのでしょうか。部活の時間におじゃまして、話を聞いてみました。

吹奏楽部のみなさんと顧問の綿貫彩音先生(後列右端)

 同校の創立は1907年。吉田島農林高校の名称で長年知られていましたが、2017年から現在の吉田島高校として、都市農業科、食品加工科、環境緑地科(農業土木コース・みどり環境コース)、そして今年4月新設の生活科学科をあわせ、計4学科で生徒たちが学んでいます。

 校内には草花・野菜・果物の温室、水田や畑などが広がっていました。近くの山には果樹園があり、また宿泊施設のある演習林もあるそうで、農林高校としての伝統とスケールの大きさが感じられます。校内の温室ではこの日、パンジーやビオラの花苗を一般向けに販売していました。

 生徒のうち6割以上が女子で、吹奏楽部も部員7人全員が女子。3年生1人、2年生2人、1年生4人で活動しています。顧問は新卒で着任して4年目の綿貫彩音先生。部活の全体練習は平日の週3回。土日には町内の社会福祉施設などでの演奏や、地域の中学・高校と合同バンドでの演奏会を行っています。

温室横で販売されていたパンジーの花苗
ビオラの花は色とりどり


 音楽室に入ると、ちょうど音出しの最中でした。最近では「ディズニーランドセレブレーション」「パプリカ」などの曲を練習しているそうです。部長の橋本詩織さん(食品加工科2年)によれば、部の雰囲気は「練習する時はちゃんとやるし、厳しい上下関係がなく楽しい」そうです。副部長の和田茜さん(環境緑地科みどり環境コース3年)は、入部が今年2月。クラリネット経験者で、1年の時から担任だった綿貫先生の熱心な勧誘を受けていたそう。「誘ってくれてありがたかった。入ってよかったです」と笑顔を見せます。

 部の悩みは、演奏に必要な楽器が少ないこと。この日使っていた楽器のうち、チューバやビブラフォンなどは他校から借りたもの、テナーサックスは部員個人のものでした。綿貫先生自身、中学・高校時代は吹奏楽部でしたが、楽器がないという経験はこれまでなかったそうです。

練習の様子

 2013年5月から「楽器が買えるくらいベルマークを集めよう」と収集活動を始め、綿貫先生が顧問を引き継いだ2016年4月には、すでにマークの累計点数は7万点を超えていました。離任する前の顧問の先生からも「ぜひこのままマークを集めてほしい」との引き継ぎがあり、取り組みは続きました。

 ベルマークの回収箱は、校内の事務室窓口と、学校から徒歩5分ほどの町役場のカウンターに置いています。町職員の鈴木良亮さんは「多くの方がマークを入れています。毎回入れてくれる方もいらっしゃいますよ」と言います。

 地域の演奏会でもベルマークを集めていることを話し、毎年3月に町内の福祉会館で開く定期演奏会にも収集箱を持参しています。

校内の事務室窓口にある回収箱
町役場では多くの人がマークを入れる


 仕分けや集計は、部活の時間に部員と先生で行います。綿貫先生は「ベルマークを台紙に貼らなくていいことや、枠線に沿って切り直さなくてもいいと、初めて知りました」。着任した時の部員は3人。その後も少人数の活動が続き、マークの整理にも苦労したそうです。「全部の会社が混ざっていて大変」「途中でぐちゃぐちゃになる」……。それでも部員たちは先輩に教えてもらいながら、コツコツと作業を積み重ねたそうです。

 そして昨年、積み重ねた点数が10万7000点を突破。今年度は学校から部費を多くもらうこともできたので、先生と生徒とが相談し、その部費も加えて高額の鍵盤打楽器の購入を検討することにしました。ベルマークの預金によるお買いものは、購入したい商品の半額まで現金を足して買うことができます。こうして同校に立派な木琴が届きました。金額は19万8320円でした。

 音楽室に置かれていた真新しい木琴は、でも前からそこにあったかのようになじんでいました。打楽器パートを受け持つ橋本部長は「新品はめちゃくちゃ音がいい。自分たちでたくさん叩けるから、届いた時、楽しみでワクワクしました」、もう一人の打楽器担当、大島花華さん(都市農業科2年)は「木琴は曲で使うことが多く、これまで違う楽器で代用していました。届いてよかったです」と話します。実際に音を出してもらったところ、柔らかくも澄んだ音色が響きわたりました。

 ひとつ念願をかなえた吹奏楽部ですが、楽器をもっと多く揃えるため、ベルマークの収集は今後も続けるといいます。欲しい楽器はマリンバ、ホルン、チューバ……。綿貫先生は「音のバランスをよくするために、低音楽器を増やしたい」と希望を話しました。

木琴を演奏する橋本詩織さん

 実は、今年度はベルマークの仕分け・集計をまだ一度もしていませんでした。この日、綿貫先生が棚に保管してあったたくさんのマークを取り出してみたところ、1年生たちから「仕分けたい!」と声があがり、先輩とともに、初めての仕分けに夢中になって取り組み始めました。

 同校の細野徳昭教頭は「マーク1枚1枚は小さな点数ですが、6年かけて木琴という形になりました。大切に代々使っていければありがたいです」と述べました。



 開成町は北に丹沢山塊、西に箱根外輪山を望み、東の町境を流れる酒匂川を南にたどった先は相模湾です。町の花は「あじさい」。町内には水路が張り巡らされた田園風景も見られますが、小田急線開成駅から新宿までは約1時間半、また東名高速道路の大井松田インターチェンジも近くにあります。人口約1万8000人で、総面積は6.55平方㌔メートルと神奈川県内で最も小さい自治体ですが、ここ3回の国勢調査では人口増加率が県内1位を続けています。

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