山陽小野田市立小野田小学校 ベルマークの活動再開をきっかけに地域と深まる絆


(2015/03/30)印刷する

学習補助、花壇の手入れ、体育倉庫の補修……ボランティア107人が学校支援も/山口県

仕分けをしながら回収容器に入れていく児童たち

 山口県南西部の瀬戸内海沿いにある山陽小野田市の小野田小学校(山根正明校長、364人)は、地域の協力でベルマーク運動が活発になっています。同県では小・中学校、幼稚園、保育園単位で、地域と連携しながら子どもたちを育てる「地域協育ネット」を進めていますが、小野田小学校の場合は、ベルマーク活動の再開をきっかけにして、地域とのきずなが深まっています。

 山根校長が3年前に同校での「地域協育ネット」を進めようと、同小コーディネーターの竹田佳枝さんに貯まったままになっているベルマークをどうするか、相談をしました。ベルマークに1998年に参加した同校では、児童たちがマークを持ち寄ってくるものの、6年ほど前から財団にマークを送っておらず、活動が滞ってしまいました。2階の教室の片隅には、ベルマークが詰められた段ボール箱が積み上げられたままでした。

 竹田さんは早速、地域で協力してくれる人を探し始めました。一方で、竹田さんもベルマークについては不慣れだったため、ベルマーク運動説明会が山口市で開かれることを知人から聞き、早速参加してみました。説明会で送付方法などを確認しながら、特に他校が体験発表した整理や集計方法は、とても参考になったそうです。

ずらりと並ぶ回収用の容器。ベルマーク番号と社名が記されている

 先生方と協力して、校舎2階の教室とほぼ同じ広さのワークスペースの一角に「ベルマークコーナー」を新設。100円ショップで購入したカラフルな調味料入れに協賛会社名とベルマーク番号を貼ってから、番号順にずらりと整理ロッカーの上に並べました。一方で、不要となったB4サイズの紙の裏に線を引き、縦15マス横10マスのものと縦27マス横20マスの手作りのベルマーク張り付け用紙も準備しました。

児童たちが書いたポスターで、ベルマークの回収を呼び掛ける

 竹田さんの呼びかけに応じて、地域の高齢者を始め、「子どもたちの役に立てるなら」と、仕事を持つ保護者や車いす生活を送っている人も手伝ってくれることになりました。段ボールに貯まっていたマークも徐々に整理されて、始めてから1年ほどで注文するまでになりました。そして2年前、念願のソフトバレーボール15個を購入。昨年もタグラグビーボールや鉄棒用の補助パッドなどを購入ました。

 こうして再始動したベルマーク活動に児童たちも張り切りました。

 毎週火曜日の始業前には5、6年生のボランティア委員10人が各教室を回っています。購入した商品を掲げて「みんなで集めればこんなものが学校に届きます」とみんなに協力を呼び掛けます。週末になると、児童たちは、めいめい持ち寄ったマークをベルマークコーナーの容器に、自分たちで仕分けしながら入れていきます。ベルマークの番号がわからない時は、別に用意された空き缶の容器に入れることになっています。児童たちが楽しみながら容器に入れているため、マーク番号ごとの仕分けはここでほとんど済み、作業の簡素化にもつながります。

学校外に設置予定の 回収箱を手にする竹田佳枝さん。絵や文字は児童たちの手書きだ

 整理・集計の作業時間は特に決まりはありません。ボランティアの大人たちは、自分たちの都合のつく時間に学校を訪れます。事務窓口であいさつをしたあと、2階のベルマークコーナーに向かいます。マークが詰まっている容器と整理ロッカーの中に置いてある集計用紙を持ち帰り、自宅でマーク貼り付けと集計をします。終われば、また学校に来て、集計表を整理ロッカーの棚に戻しておきます。

 こうして集められた集計用紙は、年度末に竹田さんたちが最終集計をして、何を購入するか、学校と話し合って決めます。

 同小では、ベルマーク運動の再開をきっかけに、地域の人たちによるさまざまな学校支援が始まりました。公民館で習字教室をしている講師らによる習字の学習補助や算数の得意な人による算数学習、剪定(せんてい)や園芸好きな人による庭木や花壇の手入れ、サツマイモ畑づくり、日曜大工を楽しんでいる人は体育倉庫の棚の改修を、それぞれが得意な分野で、幅広く学校に協力してくれています。同小では現在、107人の地域ボランティアが協力しています。

昨年購入したタグラグビーボール

 竹田さんは「地域にはいろんな特技を持つ方がたくさんいます。いずれも『子どもたちの事で協力ができるなら』と快く引き受けてくれました。ベルマークは、常時10人くらいが手伝ってくれています。地域のスーパーが回収箱を置いてくれて、活動の幅も広がっています。この春には自治会の皆さんにも協力をお願いするつもりです」と意欲的です。

 山根校長は「ベルマークを始め、多くの方々の協力に感謝しています。学習支援では、子どもたちが積極的に質問をするようになるなど、うれしい変化も生まれています」と、その効果に目を細めていました。

ベルマーク商品

チェルシー バタースカッチ 10粒

ベルマーク検収

今週の作業日:5/13~5/17
2/26までの受付分を作業中