マークを集め作家を招こう


(2014/07/01)印刷する

地域に広がる運動 読谷村立図書館

大城章館長(左)とスタッフ、図書館ボランティアの児童

 ベルマークを集めて、読谷村に作家を招こう――沖縄県の読谷村立図書館が、住民にマーク収集の協力を呼びかけています。公民館などの社会学習施設や大学がベルマーク運動に参加するようになって8年。図書館の参加は現在、同図書館と宮崎県の門川町立図書館の2館です。地域文化の中核施設として住民たちに親しまれている図書館で新たな動きが始まっています。

 きっかけは、マークが3万点になれば朝日新聞社とベルマーク財団共催の「ベルマーク版オーサー・ビジット」に応募できること。ネットで知った図書館スタッフたちが「ぜひ、沖縄に呼びたい」と、2012年12月に参加登録しました。

3万点達成を呼びかけるポスターと収集箱

 収集活動は、一からのスタートでした。中心メンバーの古波倉夏実さんと係長の上原泉さんは、自身の子ども時代に一緒にマークを集めてくれていた家族らに相談。当時、携わっていた母の知人らを訪ねて回りました。学校の活動中止後も「捨てるのがもったいなくて集めていた」という母親たち数人と出会い、また、図書館利用者の近所のお年寄りたちにも声をかけていきました。

 持参したベルマーク一覧のポスターを見せると、ふだん買っているおにぎりの包装や菓子箱にもマークがあり、「くりんかいあてーさやー(こんなものにもあったのだね)」と、笑顔を見せてくれる人も多かったそうです。

 また、小学校から、洗い流した後乾燥させた給食用の小型牛乳パック100個をもらい、スタッフたちが一つずつカッターナイフで三角形の切り口を開くとともに上部を再度ノリ付けして、ベルマークを付けた「回収箱」も手作りしました。回収箱は、協力家庭のほか、修学旅行生らを受け入れる民泊協会の方々にも置いてもらうようにしました。「図書館だより」や村の広報誌「よみたん」、地域のコミュニティFMラジオでも運動への協力と理解を呼びかけました。

作業を手伝う図書館ボランティアの子どもたち

 登録から半年後の昨年6月時点では257点、同12月でも895点と、点数は少しずつしか伸びませんでしたが、「無理なく 地道に コツコツ」をモットーにスタッフたちは活動を続けました。図書館ボランティアで、隣接する読谷小学校の女子児童10人余りが、集計作業を手伝ってくれるようにもなりました。役場から「使用済みインクカートリッジが詰まったビニール袋が5つある」と連絡があったときは、みんなで大喜びしました。今年2月には、初めてベルマーク財団に2082点を送付。5月現在の図書館で集計したところ6607点まで増えました。

読谷村立図書館(上) 放課後、子どもたちでにぎわう図書館

 読谷村立図書館は、沖縄本島中西部の景勝地・残波岬から南へ約5キロの村中心部にあります。役場の移転に伴い旧議会棟を改築して2000年4月にオープンしました。1階は中央カウンターを挟んで、児童書と一般書のコーナーに分かれている閲覧室、2階は学習室や集会室などがあります。蔵書数9万5994冊。「子どものためのろうどく会」や「読み語りボランティア養成講座」、「ビデオ上映会」「折り紙教室」などを開催。秋の「図書館フェスタ」では、絵本と音楽のステージや講演、フリーマーケットも開催。地域の文化の拠点になっています。読谷村の人口は、村としては日本一の4万人余。昨年度は、その人口を超える4万3806人が来館しています。

特産の紅芋のキャラクター、よみくん、たんちゃんがお出迎え

 大城章館長は「みんなに親しまれる図書館は利用者の年齢層も幅広い。運動の浸透は時間がかかりそうですが、確実に輪は広がっています。もし作家を呼べれば、図書館からの新たな発信になる。目標の3万点達成へ、一歩ずつ運動を進めます。ベルマーク運動については近隣の図書館からも問い合わせがきています」と話していました。

ベルマーク商品

マ・マー スパゲティ1.6mm 300g

ベルマーク検収

今週の作業日:5/13~5/17
2/26までの受付分を作業中