本社事業所の「ものづくり歴史館」の見学ができます/セイコーエプソン
(2019/10/30)印刷する
協賛会社のエプソン販売(ベルマーク番号73)の親会社、セイコーエプソンが館内見学を受け付けています。長野県諏訪市の本社事業所の中にある「ものづくり歴史館」と、ほとんど水を使わずに紙を生産できるPaperLab(ペーパーラボ)を見学することができます。
ベルマーク運動での「エプソン」といえば、インク・トナーカートリッジやプリンタを思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、同社は1942年創業の、長い歴史を持つ「ものづくり企業」なのです。現在に至るまで、腕時計、プリンタや製紙機、プロジェクターやメガネをかけて映像を楽しむスマートグラス、そして様々な用途に対応する産業用ロボットなどと多種多様の商品を作り続けてきました。
歴史館には、これまでの製品について学べる「歴史コーナー」と、実際の商品に触れることができる「体感コーナー」が用意されています。エプソン人事本部総務部の佐藤幸子さんにお願いして、中を見せてもらいました。
歴史館で目を引いたのは、1956年に公開された機械式時計「セイコーマーベル」。その完成度の高さから一世を風靡し、同社のウオッチ事業の象徴とも言える存在です。周りには、それ以前や以後に作られた時計が数多く並んでいます。
「EPSON」という社名の由来になったという製品もありました。1968年に発売された世界初の小型軽量デジタルプリンター「EP-101」。Electric Printerの略であるこの「EP」のように、この先もさらに多くの価値ある製品・サービスである子どもたち、「SON」を生み出していこうという思いが込められているそうです。
1993年に発売された超小型自律走行ロボット「ムッシュ」は、本当に小さくて、手のひらどころか指先にのってしまいそう。実物だけでなく内部の構成パーツまで展示されていました。
Tシャツなどの布素材に印刷するガーメントプリンター、思い通りの繊細な色使いを印刷できる捺染プリンターは、実際のサンプルに触れることができます。
続いて向かったのは、PaperLabが置いてあるアップサイクルセンター。「アップサイクル」とは、不要になったものの特徴を活かしながら、新たなモノを作り出すことです。不要なものを一度資源に戻すリサイクルや、使ったものを繰り返し利用するリユースとは違う概念です。
PaperLabは、使い終わったコピー用紙などを材料に、水や新たな木材をほとんど使わず再生紙を作り出す「乾式オフィス製紙機」です。このため会社の中でも使うことができ、環境保護にも貢献することが出来ます。材料になる用紙は細かな繊維まで分解されるため、セキュリティー面での心配もありません。
PaperLabで作られた再生紙からは、ノートやメモ帳が作られているほか、色や紙の厚さも指定できるため、エプソングループ社員の名刺にも応用されています。真っ白な紙に比べて柔らかな感触で、目に優しい色味が特徴です。
以上が60分コースでの見学内容です。別に90分のコースもあり、上記の内容に加えて、若手の技術者がものづくりをしている「技能道場」を見ることができるそうです。見学は平日のエプソン営業日の午前9時~午後5時。希望日の2週間前までに予約が必要です。詳細はエプソンHP(https://www.epson.jp/company/manufacturing_museum/tour.htm)をご参照ください。諏訪に行くご予定がある方は、ぜひ立ち寄ってみてはいかがですか。
◆アップサイクルセンターにはPaperLabだけでなく、高速インクジェット複合機「LX-10000F」も設置されています。1分に100枚の印刷が可能でありながら、消費電力量はおよそ8分の1、そして部品の交換回数は2分の1で済む(いずれもレーザー方式と比較時)環境に優しい製品です。セイコーエプソン本社は、PaperLabと「LX-10000F」を組み合わせることで、オフィス内の紙資源循環を実現しています。
同様に、東京・新宿ミライナタワーにあるエプソン販売には、上記二つの製品を置いた「環境配慮型オフィスセンター」が、今年7月に設置されました。今秋から見学が開始される予定だそうです。