仕事中は詰襟着用/菅公学生服の田代さん
(2017/12/28)印刷する
クラレトレーディング(ベルマーク番号30、本社・大阪市)と共同でベルマーク運動に取り組む菅公学生服(本社・岡山市)には、詰衿学生服を着て仕事をしている社員がいます。開発本部学生工学研究所に所属する田代祐希さん(25)。スクール開発課で、「男学(だんがく)」と呼ばれる男子学生服の調査、分析、検証、商品開発にあたっています。8月に名古屋営業所から異動。わからないことが多く、他社も含めて多種多様な製品がある学生服を着比べてみようと、自主的に着始めたそうです。
毎朝、自宅から学生服のスラックスを履いて自転車で通勤。会社に着くと、詰衿の上着を着用します。昼休みなど外へ出る時以外は、ずっとこの姿です。社内ではだいぶ認知されてきたとはいえ、離れた部署の社員からは、いぶかしげに見られたり、ギョッとされたりすることもあります。
比較のチェック項目は、着心地やストレッチ、生地の風合いなど、多岐に及びます。上着はブランドだけでも20以上あり、生地の違いでさらに種類が多くなるため、2日程度で回し、急ピッチでデータを蓄積しています。
「実際に着比べてみると、軽さや動きやすさなど、かなり違いがあります。もちろん自社の製品が一番着心地がいいなと思っています」
大学時代は運動工学を専攻。就職はスポーツ関係の会社を考えていましたが、カンコーの会社説明会で、「学生服や体操服も高い耐久性と運動性が求められている」と聞いて、興味がわき、入社しました。いまは、「黒い詰衿」というデザイン的な制約の中で着心地や機能面で独自の強みをどうやって出していくかということに、やりがいと面白さを感じています。
学生服も大きく進化しています。軽量化して、窮屈だった衿のプラスチック製のカラーがないタイプが主流になり、洗濯機のおまかせコースでの丸洗いも可能になりました。卒業まで色褪せず、成長に合わせて袖を伸ばせる機能もついています。
さらなる改良に向けて、田代さんたちが注目しているのは衣服圧です。背中やひじのつっぱり感をいかにして軽減していくか。
「長時間着用するものなので、できるだけ負荷のないものを作りたいと考えています」
学生服業界にとって、新入学生らが服をチョイスして採寸する1~2月は大事な勝負時です。「製品に触ってもらえるのは概ね1、2回だけ。そこでどうやって自社のものを選んでもらうか。しっかりとアピールできるように頑張りたい。子どもたちの夢や学びを支えるために、これらも日々研究開発に勤しみます」
菅公学生服と河合産業(本社・岡山県倉敷市)はクラレトレーディングと協同で、ベルマークが2度もらえる体操服のリサイクル活動に取り組んでいます。「ベルマークリサイクル・プロジェクト」マーク付きの体操服は購入時にベルマークが付いていて、使用済みのものをPTA単位で回収すると、1枚につき10点のベルマークになります。リサイクルベルマークも「30番」の整理袋で財団へ送って下さい。