協賛会社インタビュー⑦ 牛乳石鹼共進社


(2014/12/02)印刷する

牛乳石鹼共進社株式会社 マーケティング部副部長 岡本一彦さん


「ずっと変わらぬ やさしさを。」の理念でベルマークとともに


 協賛会社インタビューシリーズ「私の会社とベルマーク」の第7回は、牛乳石鹼共進社株式会社(本社・大阪市)です。ベルマーク運動の草創期の1961(昭和36)年から協賛会社として協力していただいています。マーケティング部副部長の岡本一彦さんにお話をお伺いしました。 (聞き手、写真・田中昭宏)


――長年、運動を支えて頂きありがとうございます。御社とベルマークの関わりについてお聞かせください。

牛乳石鹼共進社マーケティング部の岡本一彦副部長(左)とベルマーク担当の佐々木弘子課長代理

 主力商品の化粧石鹼「カウブランド」の「赤箱」と「青箱」、「キューピーベビー石けん」にベルマークをつけています。当初から箱の内側についているので、店頭で分かりにくいという声もあり、将来的には外側につけることなども検討しています。ただ、50年以上のお付き合いですので、積極的に販売に利用するようなことはしていません。会社の企業理念である「ずっと変わらぬ やさしさを。」のもと、重要な社会貢献ととらえています。

 実は1990年代後半、会社の業績が芳しくない時期がありました。そのためにいろいろなものを見直し、取締役の人員削減や商品のアイテム削減、広告宣伝費の大幅なカット。牛乳石鹼といえば、ある年代より上の方には「牛乳石鹼 よい石鹼」という歌のテレビコマーシャルはおなじみでしたが、1999年12月でテレビでのCMをやめるなど、再建策に踏み切りました。

 しかし、そんななかでも「社員のリストラはしない」「商品の値上げはしない」「社会貢献は従来通り続ける」の3点は守ろうと決めました。人、製品、社会への「やさしさ」を守ることは企業理念に通じるからです。ですから、ベルマークからの脱退という声はあがりませんでした。関西の企業風土として義理堅さというのもあると思います。おかげ様で翌2000年から経営は良くなり、業績も好転し、現在に至っています。


――その理念のもととなっているのは何ですか


 創業は1909(明治42)年。今年で105年です。当時、まだモノや技術が乏しい中、とにかく「良い石鹼」をつくり、皆さんに喜んで頂きたいという思いで日々努力していました。当社の社訓には「製品の人格化」というフレーズがあり、「製品には作り手の人格が宿る」と考えています。創業者宮崎奈良次郎の品質へのこだわりと誠実さにより弊社は信頼を得、逞しく成長していきましたが、第二次世界大戦終戦間近に大阪の町が空襲にあい、当社工場は全焼してしまいました。その後、すぐ再建に取り組みましたが、石鹼は配給制となり、当時世間では粗悪品が横行する中、空襲の前に気が利く社員が工場の地下に貴重な香料を埋めて守っていました。終戦直後、香料はなかなか手に入らないものでしたが、その香料を石鹼に混ぜて配給石鹼を製造したそうです。採算が合わないことは承知の上ですが、何も楽しみがない時代、ささやかでも、皆さんに優しい花の香りがただよう化粧石鹼をお届けし、喜んで頂きたいとの思いから当時、「良心の石鹼」と呼ばれたそうです。創業から、また厳しい時代であっても理念である「やさしさ」が牛乳石鹼のイメージにつながっていると思います。


社会貢献の筆頭にベルマーク運動


――ベルマークとの関わりで現状はどうですか。

牛乳石鹼共進社のベルマーク商品

 身体洗浄剤の市場はボディソープなどの液体タイプに移行していて、固形石鹼市場は年々縮小していますが、当社はここ数年上昇傾向にあります。ベルマークの月別の点数をみましても増えていますし、固形石鹼派という方も多いですが、不況感のなか、手ごろな値段で買えるものとして、PTAの方々に人気があるのかもしれません。最近はクチコミなどで若い女性にもじわじわ浸透しているようです。

 当社は色々な社会貢献のなかでベルマーク運動が一番長く続いており、最も重要視しています。また会社の「100年誌」のなかでもベルマーク運動に参加したいきさつなどを半ページに渡って紹介しています。

 いま商品の良さだけではなかなかモノが売れない。販売促進や広告も大事ですが、むしろ消費者には「こんなことをやっている会社だからここの商品を買う」という志向があります。「こんなこと」という部分をどこの企業も模索しています。そんななかでベルマークは他社と差別化を図る重要な活動です。はっきりとした数字はないのですが、社会貢献(CSR)は販売につながっていると思っています。


ファン作りにベルマークを


――2014年4月、20年ぶりに社長が交代し30代の宮崎悌二社長が就任されました。広報戦略に力を入れているとお聞きしています。

 牛乳石鹼ファンを作っていこうという取り組みを始めています。まずは近隣の子どもたちに「手洗い啓蒙」や、親子でお風呂に入っていろいろなことを子供達に学んでもらおうという「フロ育」を広める活動をしています。そのためお風呂をテーマにした絵本「ごしごし せなか」を昨年、刊行し、全国の当社事業所近隣の図書館、幼稚園などに寄贈しました。また地元のイベントや近隣の幼稚園などで絵本の読み聞かせや、石鹼に触れて頂こうと板状の石鹼にいろいろな型で抜いて楽しんで頂く「石鹼型抜き」を行っています。こういったイベントを少しずつでもベルマーク財団と協力してやっていけたらいいと考えています。

 広報というといろいろな媒体を活用して、と考えがちですが、今後もこういった地道な活動でじわじわと浸透を図りたいと思っています。


――今後もより長いご協力をお願いします。

ベルマーク商品

スコッチ・ブライトTM すごいボトル洗い 取替え用スポンジ

ベルマーク検収

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