ベルマーク運動説明会 6月9日(火)久留米(福岡)


(2015/06/18)印刷する

柳川市立蒲池(かまち)中学校

松尾泉さん、池上美智子さん、武藤みつ代さん(左から)

地域で集める「みんなの運動」だから、長く継続

 みなさん、こんにちは。私たちは、柳川市立蒲池中学校のPTA役員をしておりました、池上です。武藤です。松尾です。どうぞよろしくお願いいたします。まず、私たちの住む柳川市について紹介します。柳川市は、2005年3月21日に旧柳川市・三橋町・大和町が合併して、今年で10周年を迎えます。御花や北原白秋のふるさととして、知られており、川下りやうなぎ料理がとても有名です。春には、お雛様とさげもんが、各商店や個人宅に飾られ、訪れる人も年々増加しています。

 市内には、25校の小中学校があります。蒲池中学校は、現在、全校生徒191名で中学校の規模としては、小さな学校です。というのも、蒲池小学校1校の児童が、そのまま蒲池中学校に入学してくるからです。さらに、校区内には、幼稚園と保育園が、1つずつしかありません。友達のほとんどが幼い頃からの顔見知りという、本当にのどかな学校です。

 蒲池中学校は、昨年度のベルマーク運動で、300万点を突破し、ベルマーク教育助成財団から表彰を受けました。大変ありがたいことだと思います。

 今日は、その取り組みについて、発表いたします。内容は、当たり前なことばかり、また、発表する事自体が不慣れなことですので、お聞き苦しいところもあるかと思いますが、ご容赦ください。さらに、この発表を行うことになるとは、夢にも思っておりませんでしたので、活動写真も記録していませんでした。活動の様子をお見せできず、申し訳ございません。しかし、私たちが活動した中で、「ここがポイント!」というところは、イラストで描かれたこの女性のマークで示します。今日は、そのポイントだけも聞いて頂けたらと思います。

子どもをあやしながら説明を聞く参加者

 私達、蒲池中学校のPTAの組織は、会長、副会長、会計、監査、クラス委員、先生方のほかに、16の地域から、実行委員と家庭教育委員が選出され、さらに広報委員会、研修委員会体育・文化レク委員会環境委員会の4つの委員会に分かれます。そして、本校には、PTAのOBを中心に、スクールサポーターの方々が、活動を支援してくださいます。活動の内容は、あいさつ運動、地域懇談会、水辺公園の清掃、体育祭のお手伝い、文化祭の合唱参加、毎月の花飾り・花いっぱい運動、門松作りに餅つき大会、隔年開催の小中学校合同バザー、成人教育講座、PTA新聞の発行等、みんなで協力し合い、とても楽しく活動しています。

 さて、蒲池中学校のベルマーク運動は、家庭教育委員会主催の活動です。生徒が集めるわけではありません。生徒は、別に、生徒会中心にペットボトルのフタや、アルミのプルタブ回収などのボランティア活動を行っています。家庭教育委員会のベルマーク運動の歴史は、何と1971(昭和46)年から続いているということです。今回の発表を機にいろいろ調べ、この事実を知りました。このような長い間、活動を続けて来られたのは、なぜだろう・・・? 私たちも本当に驚きました。しかし、私達のベルマーク運動の方法がこの歴史を作ってきたのだと思います。

 私たちのベルマーク運動は、各地域の全世帯に「収集のお願い」の手紙を配布することから始まります。収集する人の時間的な都合もありますから、それぞれに、都合の良い収集日を明記して配布します。収集の日程を各家庭教育委員が、自分で決めることにより、収集の負担が軽減されます。ここは、大きなポイントです。

 また、「お願いの手紙」の配布、「ベルマークの収集」、「お礼の手紙」の配布などの運動は、各地域の保護者みんなで分担します。ここもポイントです。1人で地区全世帯を回るのは、大変な作業ですから、みんなで協力をします。

 収集日には、その地域の全世帯を回りますが、毎年恒例の活動ですから、地域の方は、1年をかけて、ベルマークを集めて下さっています。そのため、たくさんのベルマークを頂くことができます。ほとんどの方が、「いつも大変ね、集めておいたよ。」、「〇〇ちゃん、中学生になったのね、大きくなったね」と声をかけて下さいます。小さな子どもが、両手一杯のベルマークを玄関先に持ってきてくれることもあります。収集後は、各地域の家庭に「お礼の手紙」を配布します。この時も「今年はたくさん集まった?」と声をかけて下さいます。

 ここで、私が体験したエピソードを紹介します。昨年、地域を回っているときに独り暮らしのおじいちゃんのお宅を訪ねて声をかけたところ、「うちは(ベルマークは)集めよらん」と強い口調で断られました。勇気をもって今年も尋ねたところ「ごめん。無かたい」と優しく対応してくれました。話を聞くとお孫さんとの同居を始められた、ということでした。

協賛会社のショウワノートから自社製収集箱の説明も(左)。あいさつするジブラルタ生命久留米支社長の佐藤祐一さん

 もう一つは、やはり独り暮らしのおばあちゃんでした。室内からは、大きなテレビの音が響き、玄関のチャイムを鳴らしてもなかなか気が付いてくれませんでした。ドアが開いていたので「おばあちゃん、ベルマークをお願いします」と大きな声で呼びかけてみました。すると中からおばあちゃんが、ティッシュの詰まったビニール袋を持って出てきて、「はい」とにこやかに渡してくれました。最初は「ゴミなのかな。おばあちゃん大丈夫かな」と、思いつつ戻った自転車かごの上でティッシュを開いてみると、中からきれいに切りそろえられたベルマークが出てきました。「ああ、おばあちゃんは1年かけて集めてくれたのだな」と、私は一瞬疑ったことを恥じ入りながらも、それ以上にとてもさわやかな気持ちで自宅に戻りました。

 このように、蒲池中学校のベルマーク運動は、毎年、地域全体に呼びかける活動として、位置づけられてきたからこそ、長く続けてこられたのです。さらに、先ほどのエピソードのように私たちにとって、地域の方とふれあう貴重な機会になっています。また、いうまでもなく、この活動を途中で終わらせることなく、次の家庭教育委員に引き継いできた先輩家庭教育委員の方々のおかげです。蒲池中学校家庭教育委員会の伝統活動となっているのです。

 さて、このように地域全体から集めたベルマークは、膨大な量になります。毎年、その集計には、苦労をされてきたようです。夕方7時に集まり、夜中12時近くまで、ベルマークを仕分けて集計する作業をされていたこともあると聞きました。最終的に、会社ごとに、何点のマークが何枚あるかを知る必要があります。そこで、今年は、集計を簡単に実施できるような工夫をしました。それでは、その方法を説明します。

 まず、ベルマーク運動の前に説明を行うために、家庭教育委員会を開きます。配布物は、「要項」、「今年度の参加会社一覧表」、「封筒100枚程度」、「収集のお願いの文書」です。

 それでは、収集したベルマークの仕分け作業の方法について説明します。

【仕分け作業①】

「今年度の参加一覧表」にないものは除きます。

→対象外だからといって、せっかく集めて下さったものを突き返すことはできませんので、いただきます。しかし、回収後に整理します。

【仕分け作業②】

同じ会社のものでも、点数が異なるものは別々にまとめます。

→薄いものは、10枚ずつホチキスで止めます。

→厚いものや、10枚に満たない端数や、小さなものは、コピー用紙などの紙にセロテープで貼り付けるなど、バラバラにならない工夫をします。

【仕分け作業③】

②でまとめたものを封筒にいれます。

→一つの封筒には、同じ会社の、同じ点数の物のみ入れます。

→点数が違えば、同じ会社のものであっても、別の封筒に入れます。

【仕分け作業④】

封筒の表に、会社名、ベルマーク番号、点数、枚数、合計を大きく記入します。

 以上の仕分け作業を、地域の家庭教育委員が各自で行います。そして、まとめた封筒を持ち寄り、家庭教育委員会で集計します。電卓やクリップ、輪ゴム等を利用すると作業がはかどります。

 実際の封筒です。集計の家庭教育委員会には、たくさんの封筒を持って集まります。全地域の家庭教育委員は、長机にその仕分けた封筒を、会社ごと、点数ごとに並べていきます。あとはそれを合計するのみです。封筒の数は多くなりますが、前もって点数や合計が書いてあるので、ベルマークを出して数える必要はありません。財団から送付されたベルマーク整理袋に、すべての封筒の点数を合計して記入し、そのまま封筒ごと入れます。そして、明細の表を同時に作成していきます。

 この集計の委員会には、家庭教育委員は必ず参加してもらい、ベルマークを持参してもらうことが大切です。一斉に集計を行うため、その委員会へのベルマーク提出が遅れると、二度手間になるからです。参加不可能な場合や遅れる場合は、代理の人に来て頂くこと、または、前もって持参してもらうことを、周知徹底しておきます。ここが、ポイントです。昨年度は、この方法で、約1時間半で委員会を終えることができました。今までの中で、最短時間だったそうです。ちなみに、86,298点収集することができました。

 しかし、これも今回の発表を機に知ったことですが、何年もベルマーク預金を使ってないことが判明しました。今年度は是非、生徒達のために使って頂きたいと思います。ベルマーク貯金のチェックも忘れない。これもポイントです。・・・・・

 ベルマーク運動は、集めた点数がベルマーク預金となり、その預金で学校の備品や教材を購入できるしくみです。ベルマーク運動で得た預金で、子どもの教育環境を充実させることができます。また、災害にあった学校や、特別支援学校の子ども達、発展途上国への支援も行われているそうです。ベルマーク運動は、集計が大変だといわれます。しかし、このようにわが子のみならず、支援の必要な子ども達のために、活動してみませんか?

 蒲池中学校のベルマーク運動は、地域の方に協力していただいています。地域にお住まいの、高齢者、親、小さな子ども・・・そうです、地域住民全員で集めてもらい、みんなの運動になっているからこそ、このように長くベルマーク運動が続いてきたのだと思います。私たちのベルマーク運動は、地域の方々と触れ合う機会となり、そして、地域の方々には、こども達や学校に、興味・関心を持ってもらうよい機会になっているはずです。

 最後に、公益財団法人ベルマーク教育助成財団のみなさん、協賛会社、協力会社の方々に、この場をお借りして、お礼を申し上げます。

 これで私たち、柳川市立蒲池中学校のベルマーク運動の実践報告を終わります。ご静聴ありがとうございました。

  

*画像をクリックすると、PDFでご覧になれます。

(パワーポイントを使って説明)

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