ベルマーク運動説明会 5月14日(木)長崎


(2015/05/25)印刷する

長崎市の「ひかり幼稚園」

中原悠(はるか)さん、勢上みなみさん、卜部奏子(うらべ・かなこ)さん、楊井綾(やない・あや)さん、松本美香さん(左から)

2003年に再開、広報を徹底、収集法見直し

 このたびは、このような発表の機会をいただき、感謝申し上げます。 参加のみなさまの学校に比べて、わたしたちは本当に小さな団体ですが、幼稚園での小さな取り組みが、少しでも、みなさまの活動のヒントになれば幸せです。よろしくお願いいたします。

  

 私たちのひかり幼稚園は、長崎市松山町の市営陸上競技場から、浦上川を隔てた活水高校の山の手側の静かな住宅地にあります。昨年は創立60周年の歴史を刻みました。

 また、この春には新園舎が完成し、幼保連携型認定こども園へと、新たなスタートを切りました。ドラえもんやパンダ、新幹線など市内でも珍しく、かわいい園バスを、ご覧になったことがあるかもしれません。毎日、こどもたちのワクワクした笑顔を乗せて走っています。現在、0~2歳児が20人、3~5歳児が156人通っています。

  

 ひかり幼稚園は、ほとけさまにみまもられている幼稚園です。こどもたちは、ほとけさまのことを「ののさま」と、呼んでいます。いのちを大切にし、先祖父母を敬い、感謝の心を持って、思いやりのある人間に成長するように、こどもたちの生きる力を育てるという教育理念のもと、とくに、いろいろなことに「ありがとう」という感謝の気持ちを持てること、「きちんとあいさつする」ことを大切にしています。特色ある行事としては、月二回の礼拝や4月8日の「はなまつり」があります。

  

説明を聞く保護者のみなさん。290人が参加しました

 さて、ひかり幼稚園のベルマーク活動は、PTAである教育後援会を主体に行っています。

 しばらく中断していた活動を2003年再開し、その後5年をかけて、運動会の開会を飾るバルーンを購入しました。バルーン演技は毎年、子供たちの憧れとなっています。 また、例年2名程度だった役員を昨年度は、5名に増員し、活動してきました。

  

 回収は、6月、9月、1月の各一週間を回収期間とし、各家庭に封筒とベルマーク便りを配布し、園児のリュックに収まる小さなバインダーの「おたよりばさみ」に挟んで提出してもらっています。

  

 また、これまで封筒は、全員に配っていましたが、昨年度から、きょうだいは上の学年の園児のみに渡すようにしました。封筒は、毎年使い回しができるようにクラスと出席番号のみを記載して、無駄をなくしました。マークがなくても必ず提出していただくようにしています。

  

 整理、集計は、回収月か翌月くらいに日にちを決め、年3回行います。わたしたち、ベルマーク担当役員と、各クラス2名のベルマーク係の計16名に手伝ってくれる有志のメンバーの20名あまりで行います。こどもの病欠などで急に係が来られなくなることもあります。そういうときには手慣れた方や、他の係の役員さんに空いた時間だけでもきてもらうようにして、作業が滞らないようにしました。

  

 作業は、保育時間中の午前中の2時間。場所は、「なかよしルーム」という園内の多目的ルームで、和気あいあいと作業しています。

  

 さて、手順ですが、長机を囲んで各自切り取り作業。そして、仕分けをしながら作業を進めます。いままでは、すべての協賛会社の番号をふった、豆腐の空き容器のみを使用していましたが、今年は、紙コップが12個入る段ボール箱をコンビニエンスストアからもらい、マークがたくさん集まる会社の番号をシールで書いて貼りつけました。ある程度、マークがまとまったら、紙コップの入った段ボール箱ごと回して回収。豆腐の空き容器の時に比べて、毎回立ち上がることもなく、座ったまま作業が進められ、皆さんからは「はかどる。快適」と好評でした。

  

 次は点数ごとの仕分けですが、わたしたちは、セロテープ方式を採用しています。ホッチキス留めは、コンパクトにはなりますが、計算するときはセロテープのほうが数えやすいため、こちらでしています。集計及び整理袋への記載ですが、必ず再計算は別の人にしてもらい、ミス防止を心がけています。この作業までは、みなさんにしていただき、送り状への転記や計算などは、ベルマークの担当役員で行います。

  

 発送はすぐに、レターパックライトで行っています。収集枚数によると思いますが、私たちの場合は、普通郵便で送る値段と変わらず、追跡も可能だからです。

  

手作りの旗も登場しました。左から3人目は大谷英也園長

 昨年度の具体的な活動を紹介します。わたしたちが引き継いだとき、2003年のバルーン購入から7年越しの目標であるソフト跳び箱購入まで、あと2万4100点という状況でした。25年度の収集点数は約2万3000点でしたので、少し頑張れば、手が届きそうです。

  

 実は私たち5人中4人は、年長児の保護者でした。幼稚園には、毎年卒園までに全員跳び箱5段が跳べる!ようになろう、という目標があり、こどもたちが一生懸命に取り組んでいます。また、卒園前にピカピカの跳び箱を跳ばせてあげたいという親の思いもあり、点数のみならず、跳び箱納品は今年度中に達成する、と目標に掲げました。

  

 そのためには、何をするべきか話し合った結果、広報活動の徹底と収集方法の見直しを考えていくこととしました。

  

【ひかり幼稚園ベル作戦1】
なにはともあれ、広報ということで、第一回教育後援会総会では、インパクトのある直径50cmほどのテトラパックのマークを描き、保護者のみなさんに見てもらいました。また、テトラパック紙容器(以下テトラパックと略します)の収容を簡単にするため、開き方の実演もしました。その後の第一回茶話会は出席率が高いので、同じくテトラパックの実物をクラス役員より紹介してもらえるように段取りをしました。

  

【ベル作戦2】
一番力を入れたのは、ベルマーク便りの充実です。ベル役員になっていくつか気づいた点がありました。

その1 知っているつもりで案外知らない商品が多い
その2 近くのスーパー(レッドキャベツ)にはベルマーク商品の値札にはベルマークのロゴがついている
その3 同じ商品名のものでも、付いているものと付いていないものがある。たとえばコアラのマーチは小分けパックにはついていませんし、箱型でもチョコにしかついていません。スパゲッティのママは結束タイプの商品にはついていません。
でも、主婦はとっても忙しく、イチイチついているか、ついていないか見る暇がないのも現状です。

  

 でももし、ついている商品のタイプが確実にわかれば、あるいは、買いやすくなるはずです。見落としそうな小さなマークのテトラパック紙容器についても慣れれば案外見つかりやすい。季節商品もあり、その季節にアピールする必要がある。そして、こどもの目はあなどれません。主婦が見落としたものを、こどもが見つけてきたりします。夫やご実家親戚などをまきこんで大きな力にしたい。これらベル作戦2の方針が見えてきました。

  

 次にどうしたらベル便りを読んでもらえるかを考えました。どんなにがんばってベル便りを書いても、読んでもらえなければ意味はありません。園からのお便りも、行事関係などやはり優先順位があり、あ、またベルマークね!とポイされたら意味がありません。

  

 視覚からの記憶や、クイズにすることで少しでも記憶に残るような紙面づくりを心掛けました。実際の紙面を見てみます。目標までの点数、図や写真を多く使い、クイズに紙面をさきました。また、ちょっとした集め方など、感じたことなどをつぶやき、としてのせました。

  

 次の9月号のときは、新商品の紹介、クイズ、そして、つぶやきでウェブベルマークを紹介しました。実際のクイズ問題です。
・ベルマークは一部が切れ、点数、会社番号がわからなくても提出してよい!答えは○。
・テトラパックはマークを切り取って提出する。答えは×。
・ベルマークはエンゼ○パイではなく、ロッテチョコパイについている。答えは○。
ごく簡単なもの、知っていそうで知らないもの。独断と偏見もありますが、記憶に残りやすいように工夫しました。

  

 その次はレベルアップし、穴埋め方式のクイズです。季節感も取り入れました。
・台風対策はできていますか?乾電池、といえば、やっぱり、○○○ば。答え東芝。
・ついてるよ、寒い季節にお世話になるカップスープは、ク○―ル。答えクノール。
同じ年齢の子供がいれば、よく買いそうなもの、小さくて忘れがちなもの、だれもが知っている有名な商品もとりこぼしがないよう考えました。

  

【ベル作戦3】
収集方法の見直しとしては、テトラパック紙容器、インクカートリッジはいつでも園にもってきてよいこととし、段ボール製の回収箱も作り直しました。また、テトラパックとインクカートリッジは、バス通園の多い幼稚園ならではの特性をいかし、バスに添乗の先生にいつでも手渡して良いことにしました。

  

 これにより、家庭での保管場所をとらない。リサイクルごみに出したり、スーパーに持っていったりするより、楽な状況を生み出すことができました。また、テトラパック紙容器のベルマーク点数への認定はある程度日数を要しますが、貯まればどんどん発送できることで、預金の加算がスムーズになりました。

  

【ベル作戦4】
近くのコンビニに、このようなポスターを張り、回収を呼び掛けてみました。当初は、コンビニで飲んだ紙パックジュースをポイと捨ててもらえればそれでよい!と思っていましたが、だんだん、店内にはみられないテトラパックも見られるようになり、また、飲食店、スーパーマーケットの方がこどもたちのためなら、と協力してくださいました。

  

 ベル作戦の結果をみてみましょう。先生方や保護者に、ベル便り読んだよ~、と言われるようになり、目に見えて、テトラパックの間違いが無くなったり、こちらがお願いした紙パックジュースのストロー袋は外して下さいといった協力も得られて、確かに読んでもらえていることを実感しました。

  

 一つ50点になるインクトナーも提出されました。こどもたちは、ベルマーク対象商品のお菓子を選んだり、テトラパックの箱詰めを手伝ってくれたりしました。その結果、テトラパックは一年で10箱、100㌔を超え、合計7千点を上回る大きな成果を上げることができました。また、ベルマーク点数も、例年より1万点も多い3万1千円を超える結果となりました。

  

 そして、思わぬニュースが秋に舞い込んできました。ベルマーク便りコンクール、特別賞受賞、賞金1万円。写真は、受賞記念の取材があったときのもの。わたしたちも号外としてベル便りを張り出しました!やはり、クイズ形式をとったことが、斬新で評価されたと聞いております。

  

 さて、実際の目標はどうだったのでしょうか?はい、間に合いました。

 卒園式を1週間後に控えた3月9日、無事年長さんに跳んでもらえました。思ったより、大きな跳び箱にこどもたちも大喜びして歓声を上げました。その跳び箱にかかんに挑む姿に、胸が熱くなりました。

  

 また、さきほどの賞金1万円ですが、この日お披露目のあった新園舎。一番小さなお友達が過ごす畳のお部屋の壁に、かわいらしい時計を購入していただきました。

  

 1年の活動を振り返って、ベルマークの担当になるまでは、数枚しか集められず、これくらいでは何にもならないだろうと思っていたし、テトラパックもこんな身近なものとは知らなかった。一人ではできないことを、幼稚園全体の協力があって成し遂げられたと感じました。目標まで、あと何点と常に意識し、係でまとまって、楽しく充実した活動ができました。

  

 跳び箱購入費用の10%は東日本大震災被災校などへの支援金として使われ、私たちの小さな心がけが見知らぬ誰かの笑顔へと繋がっていく……(自分たちの園ばかりではなく、被災校援助などになる)ことを知りました。これからもこの素敵な運動に少しでも関わっていけたらと、思っています。

  

*画像をクリックすると、PDFでご覧になれます。

  

(パワーポイントを使って説明)
=長崎市チトセピアホール

ベルマーク商品

「三ツ矢サイダー」PET 1.5L

ベルマーク検収

今週の作業日:4/30~5/2
2/20までの受付分を作業中