チリも積もれば除雪機に/岩手・奥州市立水沢小学校が購入


(2021/02/25)印刷する

 各地で記録的な大雪が降った今冬。岩手県の奥州市立水沢小学校(朝倉啓二校長、児童586人)は、ベルマーク預金でパワフルな除雪機を購入しました。「チリも積もれば除雪機になる」。1月下旬に届いた除雪機は翌日からフル稼働しました。

新しい除雪機を囲む、情報委員会の子どもたちと用務員の四谷守さん

 昨年12月、奥州市にも大量の雪が降りました。「例年の数倍の量が積もりました」とベルマークを担当する教務主任の大坂下(おおさかした)勝江先生。市内では農業用のビニールハウスが雪の重みで倒壊するなどの被害もあったそうです。

 同校では主に用務員が早朝に除雪作業をしていましたが、古い機械しかなく、加えて学校の敷地も広いため、先生たちや6年生の子どもたちまでが、スコップを使って雪かきしなければならない状況でした。

 除雪機を更新したくても、学校の予算では叶いません。そこで、ベルマーク預金を使うことになりました。同校は1962年からベルマーク運動を開始、累計700万点超を集めている県内のトップ校です。2020年度は黒板拭きクリーナーなどを購入していましたが、近年は高額な購入がなかったこともあり、預金は60万円以上残っていました。

 でも、財団のお買いものガイドや協力会社のホームページには、除雪機という商品は載っていませんでした。大坂下先生が財団に問い合わせ、お買いもの係が調べたところ、東通産業が「取り寄せできる可能性はある」とのことでしたが、すぐの入荷は難しそうで、購入はいったん諦めました。

 ところが、年末からさらに雪が降り、1月上旬、校庭の積雪は1メートルにもなりました。「もう限界。やっぱり除雪機を買うしかない」。大坂下先生は校長とも相談の上、東通産業に連絡を取りました。「ベルマークだけが頼り。私たちを助けて」

 東通産業にとっても、ベルマークで除雪機というのは初めての注文でした。担当した中村正治さんによると、「何とか見つけよう」と探し、福島県にある取引先支店を通じて、水沢小の希望する除雪機を探し当てました。同校は預金を全額使い切って購入しました。

 待望の除雪機は、注文から約2週間後の1月29日に届きました。「涙が出そうでした」と大坂下先生。先生たちは玄関先まで出迎えて受け取ったそうです。東通産業に送った着荷通知書に大坂下先生が書き込んだ喜びの言葉が「チリも積もれば除雪機」でした。

今回購入した除雪機

除雪機の威力にびっくり!

 新しい除雪機は、これまでのタイプと違い、前方に付いた刃が回転して雪を集め、上部の投雪口から吹き飛ばします。方向転換も自在です。

 作業にあたるのは用務員の四谷守さん。「軽くて体に負担がかからず、作業が楽になりました。除雪後の道は平らになり、側面も垂直で崩れにくく、子どもたちが安全に歩けます」と喜んでいるそうです。

 大坂下先生は校内のテレビ放送を通じて、ベルマークで除雪機を買ったこと、そのベルマークは累計で700万点を超えていることを全校児童に伝えました。子どもたちからは「また頑張ってマークを集めよう」といった声が聞かれたそうです。「皆様の思いが込められたベルマーク預金を全部使うのは申し訳なく思いましたが、除雪機により安全が確保され、購入して良かったです。これからも、マークをコツコツと貯めれば大きなものになると、子どもたちに伝えていきたいです」と大坂下先生は話してくれました。

 水沢小では子どもたちと保護者が協力してベルマーク活動をしています。マークの収集日は年6回。5、6年生の情報委員会(18人)が回収箱をクラスに配布・回収し、会社別にマークをまとめます。2年生以上のクラスの回収箱は、あらかじめ会社番号別に分かれた箱の組み合わせになっています。その後の集計はPTAの施設委員会(19人)が担当。自宅作業も可能なので保護者に人気の委員会だそうです。

会社別に仕分けられたベルマーク
マークの点数別の仕分けと集計は、PTAの施設委員会が担当

ベルマーク商品

チェルシー ヨーグルトスカッチ 10粒

ベルマーク検収

今週の作業日:3/18~3/22
1/23までの受付分を作業中