基本の動きを正しく身につける/大阪・鴫野小で走り方教室
(2025/01/31)印刷する
大阪市城東区の市立鴫野小学校(崎本靖朋校長、児童542人)で11月7日、走り方教室が開かれ、6年生75人が授業を受けました。45分授業を3組分実施し、子どもたちはクラスごとに校庭で走り方を学びました。この教室は、ベルマーク財団のソフト事業「教育応援隊」のプログラムのひとつで、協力会社のミズノとの共催です。

コーチはミズノスポーツサービスの古川諒人さんと麻原和弥さんです。「りょうコーチ」こと古川さんは複数の種目に取り組むマルチスポーツの経験者で、一番得意なのはバスケットボールです。走り方教室を通して子どもたちに伝えたいのは「正しい基礎を教わったあとに、継続することの大切さ」です。
一方、「かずコーチ」こと麻原さんの得意種目はサッカー。4歳の頃から高校を卒業するまで、ずっと打ち込んできました。「走るのが苦手な子たちの苦手意識を取り除けるように、走るのが好きな子たちにはより一層、早くかっこよく走るという目的を考えながら取り組んでもらえるよう、走り方の基本を伝えていきたい」と授業前に話してくれました。
最初に授業を受けたのは6年2組です。コーチふたりの自己紹介のあと、まずは準備運動から始まります。四隅に置かれた黄色いコーンの中で、友達とぶつからないように早歩き、後ろ向きの早歩き、スキップ、後ろ向きのスキップをし、体をあたためます。ジャンケンをして、負けた人が相手の周りを走るゲームもしました。
体がほぐれてきたところで、25mのレーンに移り、いよいよ「走り方」を学びます。走り方の大前提は正しい姿勢。1本目は姿勢を整え、まっすぐ前を向いて早歩きをしました。きれいに歩こうとすると、自然と腕を使うことになり、足を前に出すだけではないことが分かります。2本目のスキップでは、腕に加えて、つま先を意識します。3本目は手を挙げたままスキップ。りょうコーチが「手を使えなくすることで上半身のバランスをとるのが難しくなります。じゃあ体を安定させるために、どこに力を入れたらいい?」とたずねると、子どもたちから「おなか!」と答えが返ってきました。「大正解。難しい言葉で『体幹』といいます。ぐっと力を入れることが大切」とりょうコーチは解説しました。


正しい姿勢が身についたら、ふたつのポイントを教わります。手の振り方とスタートダッシュです。腕振りの練習をするときは、おなかにまな板を置いて、ものを素早く切るイメージをします。友達とペアになって、肘を後ろに引きながら、テンポよく振る練習をしました。
続いてスタートダッシュ。「よーい」の合図で、前足と逆の腕を瞬時に出す練習です。スタート時に頭で考えていると、出遅れてしまうからです。そして、後ろ足の位置は足1個分のスペースをあけること。その都度考えなくても構えられるように繰り返し練習しました。


次に3組が、最後に1組が授業を受けました。3組は授業のまとめとして、クラス全員とコーチふたりが一斉に走ることにもチャレンジ。1組では、児童からコーチに「ラグビーをやったときと習った走り方が違いました。どっちが正しいですか?」という質問が出ました。りょうコーチは「50m走とラグビーは走る目的に違いがあります。ラグビーは低い前傾姿勢になって相手に突進する必要があるけれど、50m走のときは前のめりだとスピードが落ちてしまいます」と答え、50m走では姿勢が大切だと改めて伝えました。また、「コーチの50m走の最高記録は何秒ですか?」という質問には、りょうコーチが「6.2秒」、かずコーチが「6.5秒」と答え、その速さに児童は大盛り上がりでした。



「今日は走り方の基本を教えました。習ったことを思い出して、練習を継続してください。やってくれますか?」との問いかけに、「はい!」と元気よく答えた子どもたち。走り方の基礎を学んだことで、もっと速く走ることへの関心を得られたようでした。