東洋英和女学院中高部が「絵本を届ける運動」に初参加


(2024/07/25)印刷する

 東京都港区にある東洋英和女学院中学部・高等部(石澤友康部長、生徒1150人)の有志団体が6月14日、ベルマーク財団のソフト事業「教育応援隊」のひとつ、「絵本を届ける運動」に初めて参加しました。

 厳しい環境で暮らすアジアの子どもたちに絵本を贈ろうと、シャンティ国際ボランティア会が1999年に始めた活動です。活動内容は、日本語の絵本に、現地語の翻訳シールを貼ること。現地の子どもたちが母国語で絵本を読めるようにするためです。ベルマーク財団はこの活動を2000年から支援しています。

 今回、同学院の生徒たちのもとには、ビルマ語、カレン語、ラオス語、クメール語の4つの言語の翻訳シールが届きました。

どの絵本を担当しようかな

 活動に参加したのは有志団体「TEAM+(Toyo Eiwa Activities For Myanmar+)」の23人です。中高の枠を超えたメンバーが毎週金曜の放課後に集まり、発展途上国への支援を考えたり、国際情勢について自主的に学んだりしています。ミャンマーの現地視察を目的に設立された団体ですが、現在は対象国も活動内容も生徒が自由に考案しています。実際に行動して学ぶことを大切にしていることから、「絵本を届ける運動」への参加を決めました。

 5種類ある絵本の中から、1人1冊を選び、作業を始めていきます。はさみで翻訳シールを切り、位置や上下の向きに注意して貼ります。シールは枚数が多く、知らない言語であることから、正しい場所が分からなくならないように1枚ずつ作業することが大切です。始めは黙々とシールの切り貼りをしていた生徒たちでしたが、ペースをつかんでくると、だんだん友達と会話をしながら作業できるようになっていきました。シールを貼る前に日本語で内容を読んだという生徒は「少ない字の中に、小さい子の思う感情が表されていて素敵な絵本です」と笑顔で語ってくれました。

シールは貼る前に、正しい位置をしっかり確認
1枚ずつ切って貼ることを繰り返す
気持ちを込めて集中

 絵本に書かれている日本語がすべて隠れるようにすること、シールの切り取り線の内側2mmを切ることなど、他にも気を付けなければいけない点があります。作業を進めるうちにコツをつかんで、シールにしわが寄らないように定規を使っている生徒もいました。

 シールをすべて貼り終わったら、絵本の最後に現地語で自分の名前を記します。見たことのない複雑な形の文字に苦戦する生徒の姿が多く見られました。

定規を使って、効率よく作業を進める生徒も
現地語のあいうえお表を見ながらサイン。「カレン語の形がかわいい」との声も聞かれた

 一人一人が集中して取り組むことができ、1時間ほどで作業を終えることができました。本を完成させた生徒たちは「子どもたちがなりたい職業や夢に近づくきっかけになれば嬉しい」「現地の子どもたちにはつらいことがあるかもしれない。でも絵本を読むその一瞬はつらいことを忘れられるかも。そんな手助けがしたい」「募金よりも直接的な支援をしている実感を得られた」と感想を話してくれました。

 「1人1冊作業できたことから、自分の担当する本に愛着を持ち、責任を持って活動できたと思います」と活動を振り返ったのは顧問の武井有紗先生です。武井先生は「生徒たちには、背伸びして大人の手をたくさん借りてする活動ではなく、中高生だからこそ出来る活動に主体的に取り組んでほしい」と考えています。「絵本を届ける運動」への参加は、その思いを形にできる活動だったようです。

始めは静かだった教室もだんだんにぎやかに。楽しんでくれていることが伝わってきた

 ミッションスクールであることから、奉仕活動に力を入れている東洋英和女学院中高部。毎週金曜日の放課後を、「TEAM+」などの有志団体による奉仕活動の時間と定め、活動に興味のある生徒が参加しやすい体制を整えています。生徒たちにTEAM+の魅力を聞くと「ディスカッションをする機会が多く、たくさんの学びを得られる」「学校外の人と話すことで自分の価値観を広げられる」「今だからこそ出来ることにチャレンジできる」と答えてくれました。話を聞いてみたい人や、行ってみたい場所などのアイデアがまだまだ多くあるそうで、生徒たちの行動力に期待が高まります。

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