東京・武蔵野市立第六中の有志が「絵本を届ける運動」に参加


(2023/02/27)印刷する

 東京都武蔵野市の市立第六中学校(鈴木斉校長、生徒242人)の3年生有志が11月28日、ベルマーク財団のソフト事業「教育応援隊」のひとつ、「絵本を届ける運動」に参加しました。

 この運動は、厳しい環境で暮らす発展途上国の子どもたちに絵本を贈ろうと、シャンティ国際ボランティア会(SVA)が1999年に始めたものです。子どもたちが母国語で読めるよう、日本語で書かれた絵本に現地語の翻訳シールを貼るボランティア活動で、この日、生徒が作業した絵本の届け先はミャンマーでした。ベルマーク財団は2000年からこの運動を支援しています。

 活動の担当は、英語を教えている安部直子先生。ボランティアや海外支援について豊富な知識を持ち、これまで赴任した他校でもこの運動に参加した経験があります。

 今回の参加は、3年生が授業でSDGsの調べ学習をしたことがきっかけでした。生徒が出した「絵本を外国に届けたい」というアイデアにぴったりな活動があると安部先生が提案。放課後の実施でしたが、ボランティア活動に興味のある生徒が25人も集まりました。

運動の趣旨を生徒に説明する安部直子先生
SVAの説明動画を見て、作業手順を確認

 SVAから第六中に届いた翻訳シールは、ミャンマー語とカレン語。カレン語は、ミャンマーに住むカレン族が使う言語です。絵本は、文字の量が少ないものから読み応えのある本まで幅広く、ジャンルもさまざまな5種類計25冊。1人1冊好きな絵本を選んで、仕上げることになりました。

 図書室に集まった生徒たちは、とても積極的でした。「もともと英語が好き。この活動を通して世界とつながりたい」「ミャンマーってどんな国だろうという興味から」と海外に強い関心を持っていたり、「自分が動くことで、幸せが生まれたらいいな」「普段の授業とは違う楽しみがありそう」とワクワクしていたり、初めて取り組む活動に興味津々。「ミャンマー人の友達がいて、ミャンマーが大好きだから貢献したい」と話す生徒もいて、やる気に満ちあふれていました。

シールを貼る前に、絵本を読んでみよう

 「君たちが行動することで、誰かが嬉しい思いをする。気持ちを込めて良い活動にしよう」という安部先生の呼びかけで活動開始です。

 初めにSVAが制作した6分間の動画を見て、作業の流れをつかみます。翻訳シールは枠線の2mmほど内側を切ること、日本語がすべて消えるようにすること、上下が分からなくならないよう1ヵ所ごとに切り貼りすること。集中力とていねいさが求められる作業です。

 まずは、自分の選んだ本を日本語で読みます。翻訳シールを線に沿って切り、正しい位置に合わせて確認してから、貼っていきます。「楽しい」「だんだん慣れてきた」とおしゃべりを楽しみながら器用に貼っていく生徒がいれば、黙々と手を動かす生徒もいました。

シールは貼る場所を間違えないよう、1枚ずつ切る
位置を確かめてから貼っていく

 活動経験のある安部先生のアドバイスは「シワシワにならないようにね」「集中力が欠けると間違えやすくなるよ」「慌てると余計時間がかかるよ」と的確。先生は活動前に、シールのコピーをとり、切り終わったシール入れとごみ箱のふたつを用意し、ミスが出ないよう念入りに準備をしていました。

 すべてのシールを貼り終わったら、巻末にサインをします。あいうえお表で日本語と現地語を照らし合わせ、自分の名前を記したら完成です。25人全員が2時間以内に完成させることができました。

あいうえお表で現地語と日本語を照らし合わせて、自分の名前をサイン

 生徒に感想を聞くと「ボランティアというと校外活動のイメージが強かったが、こういう活動でも力になれるんだと実感した」「細かい作業が好きだから楽しかった」と話してくれました。活動を通して「ボランティア」のイメージに良い変化があったようです。

 この日完成した絵本は2月2日、ミャンマーに向けてSVAの東京事務所を出発しました。2~3ヵ月ほどかけて海を渡り、SVA海外事務所での職員の確認を経て、子どもたちに届きます。

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今週の作業日:3/25~3/29
1/31までの受付分を作業中