「ストライド×ピッチ=走る速さ」/大阪・関目東小でミズノ走り方教室


(2021/06/14)印刷する

 大阪府大阪市立関目東小学校(綾坂純一校長・児童618人)で6月4日、ベルマーク教育応援隊の「走り方教室」が開かれました。梅雨シーズンのこの日はあいにくの雨で校庭が使えず、体育館に場所を移しての開催です。コーチはミズノスポーツサービスの中野翔さん。学生時代から400㍍ハードルに打ち込み、今もシニアクラスで競技を続ける現役アスリートです。計206人の5、6年生が4グループに分かれ、速く走るコツについて各45分間、みっちりと指導を受けました。

あいさつをするコーチの中野翔さん
ストレッチで股関節をほぐします


 「みんなは、走りが速くなる『公式』があるのを知っているかな?」。教室は、算数の授業のような中野コーチの問いかけからスタートしました。顔を見合わせて首をひねる児童もいる中、「その公式は、ストライド×ピッチ=走る速さ、です」と中野コーチ。ストライドは走る歩幅の大きさ、ピッチは走る動きの速さのことです。「いくら歩幅が大きくても、動きが遅ければ速く進めません。いくら走る動きが速くても、歩幅が狭ければ同じことです。大きなストライドと速いピッチの二つをうまく身につければ、必ず速く走れます。さっそくやってみよう!」。3週間後に運動会を控える児童たちの表情が、一気に輝きを増します。

 体全体をほぐすストレッチを入念にした後、まずはストライドに重点を置いた練習。約20㍍あるレーンをスキップして走ります。2本目からは中野コーチが要求するレベルが徐々にアップ。「次は、足首の関節に力を入れて固めて、地面を強く蹴って高く飛んでみよう」。そう言いながら見本を示す中野コーチの体は、はるか空中へ。そのあまりの高さに「おお!」「めっちゃすごい!」とどよめきが。その姿に刺激を受けたのか、みんな元気いっぱいに高くスキップ。体育館に心地よい靴音が響き渡ります。

中野コーチの大ジャンプ!
みんなも高くスキップできるかな?


 「高く上へと向いていたスキップのパワーを、今度は前へ向くよう意識してやってみよう」と次の呼びかけが。児童からは「絶対転んじゃうよ!」との声も出ましたが、意識するだけでみんな確実に歩幅がアップしています。段階的にストライドが大きくなる練習を、自然とやっていたのです。

 ストライドの大きさは、身長や筋力など体の成長にも大きく関係しますが、足首に力を入れて固定することを意識するだけで、雲泥の差が出るのだとか。「足首がぐらぐらしていると地面に力が伝わりません。練習量に左右されず、意識するだけでグンと変わるので、さっそく取り入れてくださいね」

 次はピッチの練習です。中野コーチは「腕を振る回数」と「足を運ぶ回転数」は連動して同じになるため、腕が速く振れると自然と足も速くなると説明した上で、「今どうやって腕を振っているか見せてくれるかな?」と、現状の腕振りチェックから始めます。力強い振りを見せる児童に「さすが高学年。みんなよく振れています」と評価しながら、「ひじが伸びる」「肩が左右に振れる」のは、せっかくの腕振りの力が逃げてしまう無駄な動きであると指摘。「お腹に力を入れ、体幹を意識すれば改善されるよ」とアドバイスした後は、みんなの腕振りはさらに鋭さと力強さを増していました。

「ひじは伸ばさずに曲げて!」
かかとお尻キック
教わる前よりも速くなったかな?


 足だけの動きで回転数を上げる方法も学びます。「今から、走りながらかかとでお尻をキックしてもらいます」と中野コーチ。この動きは、走る際に重要な筋肉「大腿二頭筋(太もも裏の筋肉)」に刺激を与え、自然に足の回転数が上がるのだとか。児童は半信半疑になりながらも、慣れない動きに最初は悪戦苦闘。「速く進めなくてもいいから、まずはかかとを確実にお尻に当てることを意識して!」。中野コーチの声が飛びます。

 次は腕も振りながら、1本目よりも速いピッチでスタート。ポンポンとお尻をたたくリズミカルな音も聞こえ始めました。だんだん慣れてきたようです。最後の1本は、レーンの半分を最速の「かかとお尻キック」で進んだあと、もう半分を全力でダッシュ。「大腿二頭筋が刺激されているので、走りが速くなっていることを必ず体感できるよ」。中野コーチの呼びかけ通り、ダッシュしなら「おおー!」と、今までとは違う自分の速さにみんなびっくり! 中には勢い余ってゴール後、壁にぶつかりそうになる児童もいたほどです。「かかとお尻キック」は、本番前のウオーミングアップに取り入れると効果的だそうです。

フォームのチェックでスタートの姿勢が改善
「クラス1の快足自慢」と中野コーチの真剣勝負


 スタートのコツも教えてもらいました。前足に全体重をかけるくらいの前傾姿勢で構えること。後ろ足のかかとは必ず上げてつま先を前向きにすれば、スムーズにスタートが切れることを習得。最後はスタートの姿勢を確認し、全力ダッシュで締めくくりました。

 その後の質問タイムでは、「コーナーを回るのが苦手です。どうすればうまくできますか」と、校庭の周回をリレーする運動会を見すえた質問も。「外側の手を少し大きめに振ると、うまく回れるようになるよ」の回答に、みんな息が上がりながらも納得の表情を浮かべていました。理論と実践がうまくミックスされた中野コーチの指導内容を今後に生かそうと、熱心にメモを取る先生もいました。

 「スタートの切り方がためになった。運動会でも生かしたいです」と女子児童の1人が振り返れば、「本当に速くなるの?と思いながらやっていたけど、やっていくうちに速くなったことを感じられました。ずっと負けていた子に、今なら勝てそうな気がします!」と、大きな「収穫」を手にした男子児童も。

 中野コーチは「たっぷり寝ること。それと炭水化物や乳製品を中心にした食事で、走るための良い筋肉を育ててください。最初の『公式』をずっと覚えておいてくださいね」とメッセージを送っていました。

終了後も熱心に教えを請う教員のみなさん
「筋肉をさわらせて!」中野コーチに群がる子どもたち


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