神奈川・伊勢原市立大田小でミズノ「走り方教室」


(2019/10/30)印刷する

 神奈川県伊勢原市立大田小学校(北島昌人校長・児童511人)で10月21日、「走り方教室」が開かれました。6年生88人が、校庭で実際に身体を動かしながら「走り方」のコツを学びました。

 コーチはミズノスポーツサービスの松岡遥介さんと小田中叡人さん。松岡コーチは「松岡なので『修造コーチ』と呼んでくれてもいいです。今日は楽しくやりましょう」、小田中コーチは「小田でもなく田中でもなく小田中です」と笑顔で自己紹介をしました。

挨拶をする松岡遥介さん(左)と小田中叡人さん

 まずは準備運動からです。1時限目スタートで少し肌寒かったこともあり、しっかり身体を温めました。2人1組になって隣の人とジャンケンをし、負けた方が相手の周りを走ります。次に足でジャンケンをして、負けたらジャンプをしながら回ります。最後に、顔でジャンケンをして、勝ったらもも上げをしながら回ります。

 上半身もほぐします。「ここの肩の骨の名前は?」と松岡コーチが質問すると、「けんこうこつ~!」と元気な答えが返ってきました。肩甲骨を意識しながら、大きく手を回します。肩甲骨がかたいと、走るときに上手く腕を振ることが出来ません。松岡コーチは「こうやって準備運動をするとケガの予防になるし、走りやすい身体をつくることができます」と、子どもたちに準備運動の大切さを伝えます。

肩甲骨を意識して、大きく腕を回します
入念に準備運動


 身体が温まってきたところで、いよいよ本格的に走り方を習います。正しい走り方を教わる前に、約25mを走って今の実力を計測。小田中コーチが「1、2、3、4…」と数え、自分がゴールしたときの数字を覚えます。走り終わったら、スキップをして戻ることで常に身体を動かし続けます。

 コーチは「どんなことをしたら速く、かっこよく走れるでしょう?」と子どもたちに問いかけます。しかし、はっきりとした答えが返ってきません。6年生の体育を受け持つ木川直紀先生によると、「この学年は運動に自信のある子が多い」そうですが、走り方を意識したことがないのかもしれません。

姿勢を正します

 最初のポイントは「姿勢」。松岡コーチが「例えば、下を向きながら腕を振って走ってみて。そのまま、足を動かしてみて」と指示します。これでは身体が動かしづらいだけでなく、前に進むことが出来ません。

 姿勢を正すには「手を下から上へのばし、バンザイします。空から手が引っ張られるような、あやつり人形のようなイメージで伸びたあと、元に戻す。そうすると、シャキッとするでしょ」。これをすることによって、一度姿勢をリセットすることが出来ます。

 次のポイントは「腕の振り方」。走るときの手の形は、グーの人もいれば、パーの人もいます。形はどちらでも構わないのですが、ひとつ気を付けたいのは、グーの人はあまり力を入れすぎないこと。姿勢が悪くなってしまうからです。

 ひじは直角を意識し、後ろに引くことが大切。それらを踏まえて、その場で腕を10回振ったあと走ります。繰り返し動作を確認し、しっかりと身体に覚えさせます。

フォームがよくなってきました

 続いて、「足の使い方」です。「走るとき、どこから力をもらってる?」というコーチの問いかけに、「地面!」と大きな声が返ってきました。その通りです。それを体感するためにみんなでジャンプをします。「次は、あえてかかとでジャンプしてみよう」とコーチ。すると力が入らず、あちこちからケラケラと笑い声が聞こえてきます。普通にジャンプしたときと同じように、走るときにはかかとはつかないのです。同時に、ひざは出来るだけ伸ばします。

地面から跳ね返ってくる力、反発力を体感するために「人間ドリブル」。「弾んでる感じがする!」
繰り返し走って、正しいフォームを覚えます


 ポイントを押さえたところで、次に準備したのはカラフルなマーカー。等間隔に置き、その間を1歩で走ります。1回目は、ほぼ全員がマーカーを見ながらでしたが、「姿勢を意識して」と言われると、だんだんマーカーを見ずに走れるようになりました。コーチからは「ひざを前に出すとスピードが出るよ」と次々とアドバイスが飛び出します。

 この日は、リクエストに応えてバトンの受け渡し方も学びました。コツは、渡し手は「投げるんじゃなくて、『はいっ』と言いながら相手の手の中に押し当てるようなイメージ」、受け手は「もらえる手の形を作っておくこと」。「1回や2回じゃ出来ません。練習してタイミングを合わせていくことが大事」だと松岡コーチは言います。

マーカーを使って練習
バトンの受け渡し方も習いました


 まとめとして、もう一度25mの測定。「1回目の自分と競争しよう、早くなったか、かっこよくなったか、変化を感じ取ろう!」とコーチ。そして、最後は「全員走」。「笑顔で走ろう!」という呼びかけに、「イエ~イ!」と楽しそうな子どもたちでした。88人全員がスタートラインに横一列になり「位置について……よーい、ドン」の合図で一斉に走りました。この2時限でフォームがかなり改善され、一歩一歩が大きくなりのびのびと走ることができました。

全員走

 松岡コーチは子どもたちに、「もっと走りたいとか、走るって楽しいなという気持ちを持ってもらえたら嬉しいです。中学校に行ってもスポーツを続けてください」と伝えました。木川先生は「フォームがとても良くなったなと思いました。6年生は代表として授業を受けてもらったので、今日学んだことをぜひ弟とか妹、家族にも伝えてください」と話し、全員で拍手をして授業が終わりました。

 授業を見学していた北島校長は「最近の子どもたちは、放課後に校庭で走り回るとか、公園で遊ぶ機会が少なくなってきている印象」を受けているそうです。「専門的な方が『楽しく』教えてくれるのがいい。子どもたちがにこにこしながら走っていてよかったです」と話してくれました。


 ベルマーク財団主催の「教育応援隊」は、参加学校が貯めたベルマーク預金を使って、子どもたちが体験型の授業を受けられるプログラムです。その中のひとつ、ミズノ・スポーツ教室は「走り方」「サッカー」の2種類があります。年々、人気が高まっており、今回の大田小は、3年連続申し込んで、今年やっと初めて開催することが出来ました。

松岡コーチのあとを走る子どもたち
授業終了後、スタートダッシュの方法を教わる木川直紀先生

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