自分で考えることの大切さを学ぶ/椎名誠さんが新潟でオーサービジット


(2018/12/28)印刷する

 新潟県魚沼市立堀之内中学校(下村正人校長、生徒214人)に11月29日、作家の椎名誠さんがやって来ました。本の作者(オーサー)が全国の学校を訪れる朝日新聞の人気企画「オーサービジット」のベルマーク版。2年生は国語の教科書で椎名さんの作品「アイスプラネット」を学んでいます。

 

生徒手書きの垂れ幕で椎名さんを歓迎
長さ1kmのヘビがいたら…

 「アイスプラネット」にも出てくるアナコンダの話を椎名さんは例に挙げ、ホワイトボードに蛇の絵を書いて「蛇の神経伝達スピードは1分間に約100m。尻尾を噛じられた場合、もし全長1kmだと気付いた時には大半が食べられてしまっています。そのため、アナコンダの成長は10m前後が限界」と説明しました。同様に、象の体積が倍になると足も8倍の太さでないと体重を支えきれないといい、「そんなに太い足で歩いたら、足がこんがらがっちゃうよね」。

 「人間も大きくなるんですか?」と生徒が質問すると、「良い質問です。今も国ごとにだいぶ違って、例えばオランダ人は大きいので、トイレも大きいし格闘技も盛んです。ウエストのくびれが少なくてベルトが必要なので、ベルトで商売するならオランダがいいな」と笑いを誘いました。さらにスウィフトの「ガリヴァー旅行記」やH.G.ウエルズの「透明人間」といった作品を挙げ、全ての生物には体型や大きさに「成長限界」がある事を説明しました。

 

椎名さんの著書は図書室でも人気

                        ◇

生徒たちの近くで語りかける

 10分間の休憩を挟んだ第二部では、世界中で撮影した子どもの写真をスライドで映しました。インドのガンジス川で行われている「水葬」で遺体を流す少女、カナダのエスキモー、カンボジアやラオスの少年……。椎名さんは各地の生活や文化について紹介し、途中からは壇上を降りて生徒の間を縫って歩きながら説明しました。そして「本から色々な知識を得て、それを確かめたくて世界に行きました。クリエイティブな仕事がしたい人は、何かを見て刺激を受けたら自分で考える癖をつける事が大切」と語りかけました。

 生徒会長の吉田悠人君(3年)は「世界の子どもたちを見て、自分が恵まれていると分かりました。明日からの学校生活に生かして、日々大切に生きていきたい」、生徒を代表して色紙を渡した渡辺圭さん(3年)は「アイスプラネットのほか、椎名先生の色々な本を読み、とても面白かったです。初めて知った事や沢山の事を学べました。貴重な体験をさせて頂き有難うございました」とそれぞれ感想を述べました。

 椎名さんは「ものを見て、心の中で考える事がいかに大切かを今日の収穫として得てもらえたら嬉しい。縁があったらまたどこかで会いましょう」と締めくくりました。

 

質問です!
世界の子どもたちを紹介

 


 

 堀之内中学校は、駒ケ岳と八海山が間近に見えるJR上越線の越後堀之内駅から車で10分ほどの場所にあります。1973年にベルマーク運動に参加し、累計220万点余りを集めました。担当の平片昭子先生は、「アイスプラネットの登場人物と椎名さんを重ねてみる生徒も多く、自分たちと違う体験をしてきた椎名さんの話を聞く事は子どもたちにとって大変有意義だったようです」と話しました。

 

椎名さんを囲んで記念の一枚

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