「好きなこと見つけて」と絵本作家・長谷川さん/北九州小倉の新道小でオーサー・ビジット


(2017/11/24)印刷する

 子どもに大人気の絵本作家、長谷川義史さんの「ベルマーク版オーサー・ビジット」が11月21日、北九州市立新道寺小学校(丸山裕司校長、児童126人)でありました。大阪弁による自作の読み聞かせに、歌あり、笑いあり、メッセージありの「絵本ライブ」が子どもたちを魅了しました。

 会場の体育館に、子どもたちとPTAの保護者20人、先生たちが待ち受ける中、扉が開いて、黒い帽子に切りそろえた前髪、円メガネに白いあごひげの長谷川さんが姿を現すと、子どもたちは大喜びで、大きな拍手がわきました。

大阪の地図のはずが、「あっという間に、校長先生」

 「長谷川さんはね、きょうは大阪いうところから来ました。大阪、知ってる人?」と言いながら、ホワイトボードに下げた模造紙に墨汁で大阪の地図を書いていると、「♪あっという間に、校長先生」と丸山校長の似顔絵が出来上がりました。長谷川さん得意の「つかみ」です。どんな特別授業になるのか、やや緊張気味の子どもとの溝を一気に埋めるのにもっとも効果があるといいます。これで、一気に長谷川さんの世界へと子どもたちを引き込みます。

「しってるねん」の読み聞かせに、子どもたちは大笑い

 プロジェクターを使って絵本が映し出されて、「しってるねん」の読み聞かせが始まります。「あれ、あのおばちゃん、だれやったかなー」。上半身をくねらせながら、熱演する長谷川さんに、子どもたちは大笑いです。

 次は「ぼくが最初に作った本です」と「おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん」です。「ひいおじいちゃんの、そのまた、ひいひいひいひい…」とおじいちゃんをたどっていくと、おさるさんにたどりつきました。

 「こうやって命をつないでいくいうことは、凄い奇跡みたいなもんやから。どこかで途絶えてたら、みんなはおれへんねから、みんなはかけがえのない大切な存在なんです」と1人ひとりの命の尊さを話します。

「たこ焼き、ギョーザ…」と大阪名物が続く「大阪うまいもんのうた」。
「いいからいいから」は読み聞かせではなく、絵を書きながら聞かせる長谷川さん

 「いいからいいから」では、雷の親子から手紙が届きました。「手紙を読んでくれる人」と長谷川さんが聞くと、「はい、はい」と手が上りました。

 6年生の草場政行君が指名されると、会場がどっとわきます。手紙を読んでもらって、やりとりしているうちに、草場君の似顔絵も出来上がりました。

「いいからいいから」でかみなりのおやこからの手紙を読んでくれた草場君を書き上げる長谷川さん
ウクレレを手に「大好きだよ」

 読み聞かせの合い間には、「長谷川さんは子どもの時から、絵を書くのが大好きでした。絵を書く人になれたらいいなぁーと思っていました。みんなも好きなことを見つけて、やり続けてくださいね。好きなことやったら我慢もできるし、楽しいこともあります。きっといい人に出会いますから」と話しかけます。

 アメリカ民謡「ゆかいな牧場」の節に乗せて長谷川さんが作った遊び歌「大阪うまいもんのうた」を披露すると、子どもたちに「小倉は何が、おいしいの?」と問いかけます。「ラーメン」「給食」「小倉牛」…。子どもたちとやりとりしながら、「小倉版うまいもののうた」が2番まで完成し、歌詞に合わせたポーズが決まると、みんなで早速、歌ってみました。

 「だじゃれ日本一周」や最新作「おならまんざい」で、だじゃれいっぱいの絵本でたっぷり笑った後は、「へいわってすてきだね」です。

 沖縄の小学一年生の詩に感動した長谷川さんが絵を書いて、3年前に出版された作品です。

 「平和な世の中やから、長谷川さんも好きな絵を書いてこれました。だから戦争は絶対やったらあかんのです。こっち側、大人がしっかりして、平和な時代を渡さないといけない、いうことを考えさせられた詩です」

だじゃれに笑いながら都道府県の場所を覚えられる「だじゃれ日本一周」
「へいわってすてきだね」

 低学年と高学年を分けることが多い絵本ライブですが、この日は1年~6年全員相手、しかも休みなしの90分と不安材料もありましたが、子どもたちは最後まで集中して、絵本を楽しみ、笑い、長谷川さんのメッセージにしっかりと耳を傾けていました。

 「長谷川さんの本が大好きです」という図書委員長の山下煌晴君(6年)がお礼を述べ、川野仁美さん(同)が花束を渡して、ライブはおしまいです。

 2人は「とても面白かった」と笑顔で話してくれました。

お礼の言葉を述べる山下君(左)と、花束を渡した川野さん

 子ども以上に、この日を楽しみにしていたのは、子どもたちに読み聞かせを続けている「虹の会」(山下由代表)でした。「ベルマーク新聞でオーサー・ビジットの募集を見て、すぐに応募を決めた」と言います。倍率がとても高いので、メンバーたちは「ダメ元」だったそうです。それだけに、来校の連絡を受けると、「みんなで飛び上がって喜びました」と言い、この日を待ちわびていました。

 ライブの後、控室で長谷川さんと談笑し、長谷川さんから「本をたくさん置いてくれて、うれしかったです」とお礼を言われ、感激の様子でした。

みんなで記念撮影
「好きなことを見つけて、やり続けてくださいね」
図書室の前には長谷川さんの絵本が並んでいました

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