尾木ママ「ありのままに今を輝こう」
(2016/11/02)印刷する
香川県・善通寺養護学校でオーサービジット
本の著者(オーサー)が学校を訪問して特別授業をする「オーサー・ビジット」ベルマーク版が10月25日、香川県立善通寺養護学校(織田潤二校長、生徒132人)でありました。「尾木ママ」の愛称で知られる教育評論家の尾木直樹さんが「ありのままに今を輝く」と題して、高等部の32人と保護者を前に子どもたちの悩みや質問に答えました。
「こんにちは、尾木ママよ。両生類よ。だから男の子の気持ちも、女の子の気持ちも分かるのよ」と登場すると、生徒たちは大喜びです。「今日は前もってもらったみんなの質問に答えるわ」と授業が始まりました。
「すぐにイライラします。どうすればいいですか」という質問には、「高校生の頃は自分でも分からないのにイライラするのよ。思春期ストレスっていうの。いい方法があるわ」と「尾木ママ流タッピングケア」を紹介しました。
左手で心臓の下あたりを「大丈夫」と言いながらトントンと叩くしぐさを示し、子どもたちもやってみます。「ほら、落ち着くでしょ」と笑顔を見せました。
「中学までいじめにあって引きこもりになり、この学校に来ました。いまは、いじめはありませんが被害妄想をしてしまいます」という生徒には、近くに寄り添いながら「これはトラウマというのよ。友達と遊んだり、先生とふざけあったりして学校生活を楽しくしようと考えるのよ」と肩を叩きました。
「肌をきれいに保つ秘けつは」と聞いた女子生徒には、用意した金箔を見せて「これを肌に貼っているの」と顔に貼ってみせました。「化粧なんかより肌を大切にすることが大事ね」と笑みを浮かべました。
授業の後、保護者とも懇談会を開き、障害を持つ子の親の悩みを聞きました。尾木さんは「子どもたちが何かしようとして、できない時にも褒めてあげてください。自己肯定感が大事。決してがんばれとは言わないように」と話しました。
善通寺養護学校は、心身に障害を持つ子どもが学んでおり、小学部から高等部まであります。最近は引きこもりや不登校の子どもも通っています。子どもたちで作る「ベルマーク委員会」があり、17人の委員が家庭などから集まったマークを月に一度、収集・仕分けをしています。
今回の「オーサービジット」には、子どもたちが書いた尾木さんの似顔絵などの寄せ書きが尾木さんの元に届きました。多くの講演会をしてきた尾木さんですが、養護学校の子どもを相手に話すのは初めてだそうです。
「みんな話を熱心に聞き喜んでくれました。来て良かった」と話しました。
織田校長は「子どもたちも保護者も尾木さんには心を開いて質問していました。私たち教師にも勉強になることが多かったです」と感想を述べました。