防災科研が「成果発表会」


(2020/02/26)印刷する

 ベルマーク財団と「防災科学教室」を共催している茨城県つくば市の国立研究開発法人「防災科学技術研究所」(以下、防災科研)が2月13日、東京・丸の内の東京国際フォーラムで令和元年度成果発表会を開きました。会場には1000人を超す研究者や自治体関係者らが出席、最新の研究成果に熱心に耳を傾けました。

 第1部は、昨年多発した広域・大規模な風水害に関連する最先端の研究をピックアップした発表会。30分先までの大雨をピンポイントで予測する技術や、衛星データから被災状況を素早く知るシステム、省庁の壁を越えて情報を共有・使用する仕組みづくり、水害に強い住宅など、6つの実用的な研究を、それぞれの研究者が映像なども交えて分かりやすく紹介しました。防災科学教室や、へき地校向けの理科実験でお馴染みのDr.ナダレンジャーの楽しい防災科学実験も披露され、会場を沸かせました。

Dr.ナダレンジャーによるデモンストレーション

 休憩時間を利用した第2部は、研究者一人ひとりの研究をコンパクトにまとめたポスター146枚が会場後方にズラリと展示されました。参加者たちは自由に眺め歩きながら、気になった研究には足を止めてじっくり熟読。解説のために待機していた研究者たちとの対話も弾んでいました。

ズラリ並んだ研究ポスター

 第3部は防災科研の林春男理事長とゲストコメンテーターのジャーナリスト・池上彰さんの対談「避難~災害を乗り越えるための行動をどう促していくか」。林理事長は「日本では、まず命を守るための避難(evacuation)と生き残った後生活を保つための避難(sheltering)が混同され、それが混乱を招いている」と指摘。浸水でも上の階に逃げれば助かったのに、避難所に行かなければと思い込み車で向かったところ流された例などを挙げ、いざという時の行動の指針をしっかり示すことが必要と訴えました。池上さんは「研究の成果を社会に橋渡しするための仕組みづくりを考えてほしい。今日の発表でも、実践的ですぐにでも役に立ちそうなものがたくさんあるのに、難しい言葉ばかりで門外漢には何のことか分からない。せっかくの成果をきちんと〝伝える〟努力がまだ足りない」と注文を付けていました。

林理事長と池上さんによる対談

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