牛乳石鹼安田工場を見学
(2016/05/16)印刷する
牛乳石鹼(ベルマーク番号37)の大阪市鶴見区にある安田工場を4月19日、財団職員3人が訪ね、製造過程の説明を受けました。
環境保全のシンボル「MINORI(みのり)の木」が枝を広げ、コイが泳ぐ池では亀が甲羅干しをしていました。「環境にやさしい工場」を掲げ、工場正面には「認証取得 ISO9001」の看板が目立ちます。「よい製品(サービス)を作るためのシステムを管理する」規格です。甲子園球場1.2倍の敷地にある工場では、約200人が働いています。
石鹼は二通りの製法があるそうで、安田工場は「釜炊き製法(鹸化塩析法)」で、一日50万㌧、年間1億2千万個を製造しています。この製法では甘水という廃液が生じますが、「UASBシステム」という独自の処理方法で下水に放流できる水質に浄化し、処理過程で生じるバイオガス(メタンガス)は工場内のボイラー燃料に利用しています。2013年2月、わが国で初めて、このシステムが稼動したことで大幅な省エネルギーを実現、工場全体の二酸化炭素を11.0㌫、産業廃棄物は年間1200㌧、工場全体の80.0㌫削減に成功しました。
製造工程の建屋内には日本酒の発酵樽のようなけん化釜が11基並びます。原料の牛脂、ヤシ油、水に水酸化ナトリウムを混ぜて加熱、釜の中でかくはん機が絶えず回転しています。一週間ほど反応、熟成させ、ドロドロの液状ニートソープを取り出します。この過程では熟練した職人技が必要となります。乾燥させて粒上のチップに固め、香料を配合、よく練り合わせた後、棒状に固めます。「棒」を6等分に切り分けると、石鹼大になり、形を整えて、牛のマークを刻んで包装過程に回ります。
重さや形が規格に合わないものはベルトコンベアーの途中で自動的にはじかれ、完全オートメーションかと思いきや、随所に人の手が加わり、形、大きさ、香りを点検します。混合物がないかどうかはX線検査で確認します。こうして主力商品の「赤箱」「青箱」が作られます。
1909(明治42)年、宮崎奈良次郎が創業し、現在の宮崎悌二社長は5代目。工場内には100年の歩みが分かる「歴史資料館」があり、おなじみの「♪牛乳石鹼、よい石鹼」のオルゴールのメロディに迎えられて館内に入ると、赤箱のパーケージの変遷や銭湯を細部まで再現した模型、銭湯の背景画が楽しめます。スポンサーとなったテレビの音楽バラエティ番組「シャボン玉ホリデー」(1961~72年放送)や、人気絶頂のピンクレディーを起用した宣伝ポスターが展示されています。


