ベルマーク財団の「寺子屋」事業支援、2団体に/岩手の「山田町ゾンタハウス」、宮城教育大学教育復興支援センター
(2016/01/15)印刷する
東日本大震災の被災地にいる子どもたちの学びを支えているのは、学校だけではありません。放課後の居場所を設けて宿題を見たり、学生ボランティアを学校に派遣したりといった「寺子屋」的な活動に取り組む団体があちこちにあります。
ベルマーク財団はこういう事業への支援にも乗り出しました。震災直後から続ける学校支援に加え、被災地に向けた活動の幅を広げます。
支援の対象は、岩手県中部の海沿いの町・山田町で中高生の居場所を提供している「山田町ゾンタハウス」と、被災校に学生たちを送り出す活動のハブになっている仙台市の宮城教育大学教育復興支援センターです。被災地の校長会の推薦などを受けました。
この2団体に対し、財団は2015年度から年間各50万円を3年にわたって贈ります。
ゾンタハウスは、世界規模の奉仕活動をする国際ゾンタの寄付を受け、津波による損壊を免れた建物を修繕して震災の年の9月に開所しました。地元の中高生が放課後につどい、食事でくつろいだ後、学びの支援を受けています。NPO法人こども福祉研究所(理事長・森田明美東洋大学教授)の運営です。
宮教大のセンターは、全国の教員養成系大学を含む学生ボランティアを宮城県内の被災校に派遣する調整の役割を務め、夏休みや土日を利用した補習や、課外活動の支援をしています。
食べておしゃべりして発散、静かに自習/居場所提供の山田町ゾンタハウス
夕暮れどき、制服やジャージー姿の生徒たちが三々五々集まってきました。学校が終わって腹ぺこです。まずは石油ストーブの回りで、スタッフお手製のサンドイッチやパンをほお張り、おしゃべりに花を咲かせます。やがて2階に上がり、自習が始まりました。
海に面した岩手県・山田町の中心部にある山田町ゾンタハウスは、大震災で被災した生徒の居場所を提供しています。ベルマーク財団が今年度始めた「寺子屋」事業支援の対象の一つです。昨年11月に訪ねました。
山田中学校や山田高校などの生徒がやって来ます。多いときは40人ほど、平均でも20人近くになります。
高1の上沢りえさんは「パンがおいしいし、勉強のわからないところを教えてもらえる」といいます。仲良しの小林未空さんや湊日和さんと一緒です。湊さんは看護師になると思ってから俄然、勉強のモチベーションが上がったそうです。
仮設住宅では隣近所に遠慮した生活を強いられます。「いろんな学年の仲間や大人に触れ、しゃべり、相談し、ふざけて発散する。そして勉強」。ハウス代表で勉強の面倒も見る竹内範子さんや実務責任者の佐藤恵理子さんらは「寺子屋」の効用をそう語ります。
東洋大学などの学生も長期休みにボランティアとして加わります。
被災地では一般に、学力の低下や中退問題などに悩んでいますが、ハウスには、大学進学を目指したり復興に貢献したいと思ったりする子も出てきました。
山田町は地震と津波、火災で甚大な被害に遭いました。復興の途上にあり、子どもたちのケアも必要です。「ここに来る子たちがいる限りハウスを続けたい」。竹内さんは話していました。 (小菅幸一)


