友愛援助を通した東ティモール支援/シェアが成果報告会


(2024/07/08)印刷する

 財団が募集している「友愛援助」の対象事業のひとつ、「東ティモールの子どもたちの健康を守る学校での保健教育活動」を実施しているシェア=国際保健協力市民の会が6月13日、オンラインで成果報告をしました。

 東ティモールからは駐在員の深堀夢衣さん、東京都台東区にある事務所からは海外事業担当の冨澤真紀さんが報告会に参加。財団の友愛援助がどのような成果につながったかを説明してくれました。友愛援助は、参加団体が貯めたベルマーク預金を直接寄付にあてることができる仕組みです。

保健教育をするボランティア

 シェアは1983年に、医師と看護師、学生によって日本で結成された国際NGO(非政府組織)です。現在は東ティモールとカンボジア、日本で活動をしています。

 東ティモールは日本の真南にあり、ティモール島東部、アタウロ島、ジャコ島と、飛び地のオエクシから成る島国です。1975年にポルトガルからの独立宣言をした東ティモールは、その10日後、インドネシアによる軍事侵攻を受けました。独立の気運が高まった1999年、インドネシア併合派による反乱があり、情勢が悪化。シェアはその年から緊急医療支援を開始しました。深堀さんは「次第に、病気の予防法を知らないことがもたらす代償の重さを痛感した。その思いが治療のみならず、正しい保健の知識を身に付けるための人材育成活動への変化につながった」と、シェアの活動が状況に合わせて変わっていったことを教えてくれました。

川をわたって健診へ
アタウロ島で船しか行けないエリアでの予防接種

予防接種研修

 受けて当たり前の保健サービスに辿りつけない人、妊婦健診に行く必要性を知らない人、新生児死亡率の高さ、そして病気を予防するための知識不足が目立つ東ティモール。厳しい環境の中、財団の友愛援助は2つの事業に役立ちました。

 1つ目は、予防接種を含む巡回診療をし、診療所を支援することです。医療従事者17人が予防接種の研修を受け、実際に移動診療を提供しました。深堀さんによると、東ティモールでは大学卒業後、研修を受けないままへき地に配属される医療従事者も多く、1人で診療所を担うことに孤独を抱えてしまうことも少なくないそうです。現地の国立医療研究所スタッフとシェアスタッフの協力のもと、技術を向上させることができたといいます。


予防接種研修時の様子

 2つ目は、村や学校での健康促進活動。15小中学校から集まった計21人の教員が、昨年11月に行われた研修に参加し、上気道感染症、回虫、結核についての知識を身に付けました。知識を得た教員によって、今年3月までにのべ348回の保健授業が学校で実施されました。

先生の実践練習

 さらに深堀さんは最も伝えたいこととして、保健教育が地域にも波及したファトゥ小学校でのエピソードを紹介しました。海に近く、井戸水が海水のため、タンクに貯めた雨水を給食に使っているという学校です。乾期には使える水が少なくなることもあり、掃除が習慣付かず、衛生環境が悪いために下痢症の子どもも多くいたそうです。

 学校で保健教育を受けた子どもたちが始めたのが、ゴミ拾いです。日本のように、生徒が学校を掃除する文化がない東ティモール。当初、保護者は子どもたちがゴミ拾いをする意味を理解できなかったといいます。そこで保護者に保健教育の模擬授業を受けてもらったところ、子どもの健康を守るためには清潔な環境が必要だと理解してもらうことができました。その後、地域にゴミ箱が置かれるようになり、掃除をする習慣が広まっていったそう。「ひとつの活動から、病気を予防する行動が地域にも波及した例」として、支援の重要性を広く知ってもらいたいと深堀さんは話しました。

学校周りを掃除する生徒
家の前にとりつけられたゴミ箱

 このように、具体的な成果に結びついているベルマーク運動の「友愛援助」。東ティモールの子どもたちのために活動するシェアへの援助は、今年度も募集しています。シェアを含む8つの海外事業の申し込みは2025年1月末までです。

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