ユニセフが「トルコ・シリア大地震」オンライン報告会を実施


(2023/07/04)印刷する

 今年3月から4月にかけて財団が募集した「トルコ・シリア大地震」への緊急友愛援助の寄付先、ユニセフ(UNICEF:国連児童基金)が6月7日(日本時間)にオンライン報告会を開きました。ベルマーク財団は、参加団体から集まった友愛援助寄付金と、財団の援助資金を合わせた108万円を5月に寄付しています。

 報告会は、トルコ南東部の被災地と各地のユニセフ事務所をつないで、全世界の支援者に向けて発信。被害状況や集まった寄付金の活用方法、今後の支援の方向性などの説明がありました。

©UNICEF/UN0779766/Belal 壊滅的な地震で破壊された自宅のそばに立つ、被災した家族。 (シリア、2023年2月7日撮影)

 今年2月に発生し、マグニチュード7.7と7.6を観測した「トルコ・シリア大地震」。2回の揺れが、トルコ南東部とシリア北西部に大きな被害をもたらし、トルコでは5万人以上が亡くなりました。同国内では、さらに約1500万人が被災、うち約540万人が18歳以下の子どもです。一方、シリアでは少なくとも6000人が亡くなりました。12年間も紛争が続いているシリアは、すでに援助が必要な情勢でしたが、地震でさらに深刻な状況に追い込まれ、100万人以上が家を失ったという試算です。

©UNICEF/UN0781582/Al-Asadi アレッポで、ユニセフが支援する移動式保健クリニックで、上腕計測メジャーを使った栄養検査を受ける子ども。(シリア、2023年2月10日撮影)

 ユニセフは地震の発生直後から、他の支援団体とも協力しながら、活動を進めてきました。シリア事務所副代表の根本巳欧さんによると、被災地では支援の重複や漏れがないよう、分野によって調整役を定めているそうです。シリアでのユニセフの役割は、水と衛生、栄養、教育、子どもの保護という4つの分野をリードすることだといいます。

 支援は、厳しい冬の寒さをしのぐためのブランケットや服、きれいな水、特殊な医療機器、はしかやおたふくかぜのワクチンなど、物資の提供から始まり、家族と離ればなれになった子どもたちへのカウンセリングも実施。トルコではこれまでに33万人以上の子どもたちが学習の場に戻りました。被災地では、仮設シェルターとしてテントが活用されていて、この報告会ではテントで学ぶ子どもたちも映し出されました。

©UNICEF/UN0806323/Karacan 一時避難施設にあるユニセフの子どもにやさしい空間で、心理社会的支援を受ける子どもたち。(トルコ、2023年3月17日撮影)

 これから拡大予定の支援が現金給付プログラムです。最も弱い立場に置かれている家庭に現金を渡し、生活に役立ててもらいます。どの家庭を選ぶかは、モニタリングや調査で得られた結果から、ガイドラインが定められています。例えば、女性が世帯主だったり、子どもに障がいがあったりといった基準です。研究をしているユニセフ・イノチェンティ研究所のカク・アタ・ダモア(Dr. Kaku Attah Damoah)さんはプログラムについて「子どもたちのニーズが満たされる取り組みです。これまで20年間もの研究に、さらなる分析を重ね、有効性を高めていきたい」と話しました。

© UNICEF/UN0795154/English 難民キャンプで、ユニセフの衛生用品を受け取り、テントまで運ぶ子どもたち。(シリア、2023年3月1日撮影)

 今回、ベルマーク財団の緊急友愛援助で集まった寄付金も、このような支援をよりよいものにするために活用されます。日本ユニセフ協会 学校事業部の鈴木有紀子さんは「あたたかいご支援を寄せてくださった皆様に心から御礼申し上げます。身近なベルマークが大地震で被災した子どもたちへの支援につながったことを、ぜひ多くの皆さんに知っていただければと願っています」と参加団体に感謝しています。

 また、今後について「特にシリアは紛争下でもあり、復興にも様々な困難が立ちはだかると思います」と鈴木さん。「ユニセフはその場限りではなく、震災以前よりも良い状態にしていけるよう、粘り強く現地で支援を続けていきます。これからも関心を寄せ続けていただければ幸いです」とコメントを寄せてくれました。

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