ベルマーク便りコンクール佳作・草津市立笠縫小
(2021/11/25)印刷する
滋賀県草津市は江戸時代、東海道と中山道が分岐・合流する宿場として発展しました。江戸から52番目の宿場町として70軒を超す旅籠が軒を並べたといいます。現在も13万人の人口を抱える県内第2位の市です。
JR草津駅から北西へ約2キロ、住宅街と田園の境目付近に、市立笠縫小学校(成田陽子校長、児童694人)はあります。創立145年の伝統校です。2021年度のベルマーク便りコンクールで見事、佳作に輝きました。お便りによると、今年度から様々な改革に着手しているとのこと。コロナ禍が下火なうちにと11月19日、学校にお邪魔してお話を伺いました。
「この学校の校区は、新興住宅もあれば2世帯~4世帯同居という家もあり、保護者も、仕事をしている人、介護をしている人など、複雑な事情を抱えています。コロナのこともあり、集まらずに、空いている時間に参加できる活動を考えました」と話すのは、今年度のPTA研修部の部長、田中明子さんです。
同校のベルマーク活動は、それまで研修部内のサークル活動として実施されていました。でもコロナ禍でPTA活動全体が停滞する中、ベルマークに力を入れたらという引継ぎ時のアドバイスもあり、田中さんは研修部のメインの活動として取り上げることにし、その方法も一新しました。
まずは会社別にマークを入れる「ベルマークポケット」を作り、職員室前の廊下に貼り出しました。さらに、やはり会社別に集める「ベルカップ」を、各学年ごとに、教室の近くに置いてもらいました。「今の小学生は案外忙しい。空き時間にすぐベルマークを入れられるようにと考えました」。ポケットとカップで、校内には計7カ所もベルマークを収集する拠点ができたことになります。また、インクカートリッジの回収場所も新設しました。
収集日は特に設けず、子どもたちは、いつベルマークを持ってきても大丈夫です。「楽しそうに、自分たちで仕分けしながら入れている姿をよく見かけます」と成田校長は話します。
こうして集まったベルマークを、研修部員が月に1度回収し、自宅で集計します。でも本当は、その集計も子どもたちのボランティアにしよう、というのが当初の計画でした。会社別に集まったベルマークを、8社ずつメッシュ袋に詰め、明細付き封筒やマニュアルと一緒にして、ちょっとおしゃれな手作りのベルバッグに入れ、ポケットの脇に下げます。子どもたちがそれを持ち帰り、自宅で集計する、という構想だったのです。でもコロナ感染防止の観点から、残念ながら実施にストップがかかりました。早くコロナが収まり、構想が実現するといいですね。
田中さんが作成したお便りには、今年度から大きく変わった収集活動が丁寧に説明されていました。また、財団HPに掲載されている被災校からのお礼状を引用し、「これらはベルマーク集めを頑張っている笠縫小学校の子ども達にも向けられているのだと、誇らしく思うと同時に、素晴らしい活動だと再確認できます」とも。まさにその通りで、ベルマークによる支援は、全国で頑張って活動しているみなさんの力の賜物なのです。
田中さんは改革のアイデアを財団HPに掲載している各学校の事例をもとに考えだしたそう。応募時のお手紙には「色々工夫され頑張っておられる活動内容は、感動の連続でした」と書かれていました。そのようにHPの記事を生かしていただき、とてもうれしかったです。
お便りには「商品を購入することで支援が完了するので、どんどん購入していきます」という一文も。では何を買うか? そこで、子どもたちへのアンケート調査を計画しました。先生からの提案で、子どもたちが使っているタブレット端末を利用して実施したそうです。その結果、スクールタイマーとドッジボールを買いました。
子どもたちのベルマークへの意識も高まってきています。PTA会長の巻幡千絵さんは、3人のお子さんが同校に通っていますが、「子どもの方が意識が高い。マークの付いている方の商品を買って、とか」。学校側もとても協力的で、PTA担当の中波慎先生は「数か月で、これまでになかったアイデアを実行してくれた。これからも応援していきます」と話してくれました。
今後について田中さんは「子どもたちに活動のことをもっと知ってもらいたい。先生から話してもらうと効き目があるので、先生方の協力も得て、ベルマーク運動の楽しさ、有意義さを子供向けに発信していきたいです」。成田校長も「ボランティアって楽しい、と子どもたちが感じてくれたら」と話しました。装いを新たにした笠縫小のベルマーク活動は、これからも大きく花開いていきそうです。