ベルマーク便りコンクール佳作・釜石市立唐丹中


(2021/01/15)印刷する

 岩手県釜石市にある市立唐丹中学校(菊地正道校長、25人)の生徒会通信は、「Level up」というタイトルです。「全校生徒が個人としてではなく、25人全員で一緒にレベルを上げ、前に進んで行こう」という思いが込められています。

 同校はこれまでもベルマーク活動はしていましたが、今年度は九州を襲った7月豪雨への支援を掲げ、集中的に取り組みました。生徒会通信でもそのことをアピール。こうした前向きな姿勢が評価されました。

 活動の中心は前期生徒会執行部のメンバーでした。コロナ禍に加え、受験時期が迫ってきていることへの配慮もあって、学校へは直接訪問せず、活動の経緯や感想などをそれぞれ文章に書いてもらい、生徒会担当の柏舘直子先生を通じて送っていただきました。

前期生徒会の皆さん。次に買いたいのは、帰り道を明るく照らす街灯と防災備品だそうです

 「Level up」の作成には毎回、生徒会長の久保翔太さん(3年)、副会長の中居林優心さん(3年)、執行委員の鈴木春花さん(2年)と武藤詩織さん(2年)、応援団長の尾形愛さん(3年)という、執行部の5人全員が携わりました。ポイントは「活動の写真や生徒の考え、感謝の言葉を入れること」だったそうです。

 熊本県を中心に、九州地方の各地で集中豪雨が発生した令和2年7月豪雨。その被害を知った副会長の中居林さんが「東日本大震災のときに支援してくれた西日本の方々に、感謝の気持ちを支援で送りたい」と考えたことが、活動を強化するきっかけでした。中居林さんはさっそく、自分たちに出来そうなことをメモに書いて持ってきたそうです。その中にベルマークを活用した支援というアイデアもあり、さっそく実践していくことにしました。

 目標は2万点。最初は全校生徒と教職員(15人)で活動を始めましたが、「もっと支援の輪を広げたい」との思いが強まり、地域の商店や公民館、交番などの人が多く集まる場所にもベルマーク回収箱を設置してもらうことにしました。それぞれ、近くに住む生徒が、生徒会通信と回収箱を持参して訪問して直談判したのです。箱を置いてしばらくしてから再訪問すると、多くのお店がベルマーク集めに協力してくれていました。

 また、9月を「ベルマーク回収強化月間」とし、同じ校舎を使っている市立唐丹小学校の全校児童45人も活動に引き込みました。児童玄関と職員玄関に回収箱を置いたほか、スタンプラリーのカードを作って、10枚集めた子どもに手作りのぬりえをプレゼントしたり、「中学生と〇〇できる券」を作って一緒に遊んだりと、工夫を凝らしたそうです。さらに児童の保護者からも協力を得ることができました。「中学生だけでは成し遂げられない多くの点数を集めることが出来た」と5人は実感しました。

 集まったマークの仕分けは、清掃時間と5時間目が始まる前の10分休憩に行いました。5人以外にも自然と生徒が集まり、作業を進められたといいます。強化月間の取り組みも相まって、目標の2万点を達成しました。


 執行部は豪雨禍の支援のために、ベルマークのほか、募金活動や、タオルや軍手などの物資を集める活動も並行して進めました。その一方で、地域への貢献活動にも取り組んでいます。小中学生が一緒に国道を清掃したり、地域の方へ花やプランターをプレゼントしたり。柏舘先生は「5人だけで個々の負担が大きい中、精力的に活動するメンバーだった」と振り返ります。唐丹中学校の強みである「小学生や地域との結びつき」を活かし、全力を出し切りました。今後、マークの点数が確定し次第、熊本県球磨郡の中学校と連携し、必要な備品を贈る予定です。

 釜石から遠く離れた熊本へ支援の手を差し伸べた唐丹中の皆さん。柏舘先生は「本校の生徒であれば、どこに出しても恥ずかしくありません。与えられた場所で自らがすべきことを見つけ、毎日を一生懸命生きてくれるはずです」と自信を持って話してくれました。

 唐丹中のある釜石市唐丹町は太平洋に面しており、震災で甚大な被害を受けた地域のひとつです。唐丹中は校舎が一部損壊、唐丹小は津波で全壊しました。ともに仮設校舎での生活を強いられた後、2017年2月に、旧中学校の敷地内に小中併設の新しい学校が完成しました。斜面の段差をうまく利用したデザインの素敵な校舎です。

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