ベルマーク便りコンクール特別賞・町田市立成瀬台小
(2021/01/13)印刷する
東京都町田市にある市立成瀬台小学校(中村雄一校長、638人)が初めての応募で特別賞を受賞しました。「ベルマークだより」を発行しているPTA家庭学級委員会は、昨年度から、運営方法を大幅に見直して、活動をより活発にするための取り組みを増やしてきました。そのひとつにお便りの改訂もありました。
学校に伺ったのは委員会の活動日。例年は委員に加え、各クラスの保護者も参加しますが、今年度はコロナ禍により、6人の委員だけの活動です。ベルマーク活動は皆で協力して進めますが、窓口役として担当が置かれます。この日は今年度の担当の草場貴子さん、昨年度の担当だった鷲津宏子さん、昨年度の副委員長だった佐藤映子さんに話を聞きました。
活動見直しのきっかけは、2019年5月に鷲津さんが「ベルマーク運動説明会」に参加したことでした。それまでは「正直、面倒だと思っていた」そうですが、話を聞いて、ベルマークにはハンディを持つ子どもたちを助ける役割があることが分かりました。「気付いたら、だんだん前のめりになって聞いてたんです」と笑います。
そこで印象に残ったのは「ベルマークは使って初めて役に立つ」ということ。マークを使ってお買いものをすると、購入額の1割が支援に回るのです。趣旨に共感した鷲津さんはメンバーと情報を共有し、どうすれば活動がもっと活性化するか考え始めました。その結果、認知度の低かったベルマーク運動の持つ役割を広めようと「周知活動」を1年間のテーマに定め、「とことんやってみる」ことにしたのです。
それまでテンプレートに沿って作っていた「ベルマークだより」は、新たに商品画像を取り入れたり、フォントを工夫したりして、興味を持ってもらえるような見栄えに整えました。シンプルなレイアウトで、少ない文章でも必要な情報を逃さず掲載しています。校正はひとりではなく、話し合いながら内容を決めていくそうです。
2019年12月に発行したお便りでは、「帰省で久々に会う方にもお声がけを」「お買いものに向け、一緒に活動していきましょう」と呼びかけました。みんなで力を合わせて活動を盛り上げたいという意気込みが表れていました。
その言葉通り、子どもや保護者、地域の人も活動に引き入れようと、思い浮かんだアイデアを次々に実行していきました。
回収箱の設置場所を校外にも広げようと、デイケアセンターやコンビニ、飲食店に「営業」をかけました。年末年始にはインクカートリッジの回収箱の設置もお願いし、ベルマークによる購入品の報告も兼ねた写真付きのPOPも作りました。
さらに、地域の自治会や子供会の回覧板も活用して、協力を求めました。鷲津さんは「今まで捨てていたカートリッジや、廃棄に困っていた病院の方から反応がありました」と話します。佐藤さんは「お年寄りの方から、『まだ集めていたのね』と声をかけていただき、収集量を増やせた」そうです。子供会や校内のイベントでは、ドリンクやプレゼントをベルマーク付き商品に変更しました。
一方で、校内でも「ベルマーク回収強化期間」を新たに設けました。年賀状が印刷されインクカートリッジが意識にのぼる年末年始に期間を設定。プリントを配布する一方、校内放送で宣伝もしました。放送の活用を提案してくれたのは片岡大昌副校長。児童の放送委員がアナウンスしました。また、子どもたちに「ベルマークで買ってほしいもの」のアンケートを実施。先生が話し合いの時間を設けてくれたクラスもあったそうです。
ウェブベルマークの周知にも力を入れました。ダウンロードしたチラシに、人目を引くよう手書きのメッセージを入れて配布。運動会では、ウェブベルマークのQRコード付き腕章を手作りし、保護者に積極的に声をかけて参加登録を促しました。
校内で使っている回収箱も目立つようにリニューアルしました。まっさらだったPTA室前の掲示板には大きなベルマークコーナーを設け、カラフルに飾り付けるようにしました。その飾り付けは現在、草場さんの手によって引き継がれています。ベルマーク運動の仕組みなどが分かりやすく掲示され、以前、幼稚園で働いていたという草場さんの経験がふんだんに生かされています。
コンクールの賞金の使い道をうかがうと、皆さん口を揃えて「子どもたちのために使いたい」。子どもたち全員が読めるよう、図書室に置く本が候補になっているそうです。
昨年度の活動で鷲津さんと佐藤さんが感じたのは「コミュニケーションが増えた」ということ。鷲津さんはご主人の職場の自動販売機のところに回収箱を置いたら反応があったり、佐藤さんは山口在住で大学の事務をしている友人から、職場で集まったマークをもらったり。ベルマークを通して「人と話すきっかけ」という思わぬ収穫が得られたのだそうです。