いつもの一輪車がまるで違う乗り物に/長野・和合小で一輪車講習会
(2026/09/17)印刷する
長野県下伊那郡阿南町の町立和合小学校(牛澤栄二校長、児童4人)で9月1日、ベルマーク財団主催の一輪車講習会が開かれました。へき地校を対象にしたソフト支援のひとつです。
和合小は、静岡、愛知との県境に近い、山深い場所にあります。JR飯田線の平岡駅から学校に向かいましたが、大雨による落石で主要道路が通行止めで、林道を経由したルートになりました。地域ではかつて林業が盛んで、近くの山々から炭焼きの煙が上がっていたとか。子どもの数も多く、同校の卒業生というタクシーの運転手さんは「昔は分校がありました。雪で通えなくなる冬だけの分室もあり、近くの分室に通っていましたよ」と教えてくれました。
車を走らせること約50分。山あいに和合小が見えてきました。町の人口は減少傾向ですが、自然に恵まれた環境は魅力がいっぱい。牛澤校長によると、いま同校で学ぶ児童は県外から山村留学やIターンでこの地域にやってきたそうです。
今回の講師は、日本一輪車協会公認インストラクターの山本夏夢(なつめ)さん、珠暉(たまき)さんの姉妹です。2人はカナダに本拠地を置くサーカス・エンターテインメント集団「シルク・ドゥ・ソレイユ」に一輪車のパフォーマンスで出演するなど世界を舞台にしてきました。姉妹そろって10月にはスペインのマドリードで公演があるそうです。
講習会は午前9時から始まりました。会場の体育館に講習会に参加する児童3人、先生たちのほか、児童の家族も見学に訪れました。同校では伝統的に児童たちが一輪車に取り組んでいます。10月に予定されている運動会では、全員が出場する演目を検討しているところでした。日ごろから一輪車に親しんでいますが、「これまでと違う技や乗り方に挑戦したい」と講習会を楽しみにしていました。
最初に山本さん姉妹が模範演技を披露しました。音楽に合わせてフィギュアスケートのように次々と技を繰り出します。「一輪車で、こんなことができるんだ!」。世界で活躍する2人の演技は異次元で、驚きの連続です。迫力と華麗さに、児童たちは目を輝かせて見入っていました。
模範演技の後は、児童たちの番です。まず自分の一輪車をチェック。椅子の高さやタイヤの空気圧を1台ずつ確認し、乗りやすい状態に調整しました。
児童3人とも一人で一輪車に乗ることができます。
「今日はどんな技をしてみたい?」
講師と相談しながら、この日の練習内容を決めていきます。
最初は少し緊張した様子で、講師を前にすると恥ずかしそうにしていた児童たちも、一緒に一輪車に乗り、技に挑戦していくうち、少しずつ距離が縮まっていきました。
手を使わず、勢いをつけてペダルを踏んで一輪車に乗る「蹴り上げ乗車」にも挑戦しました。難しそうですが、講師の動きをよく見ながら、一人ずつ挑戦します。うまくいかなくても繰り返しチャレンジ。夢中になって取り組んでいるうちに、少しずつ形になってきました。
そのほかにも、片足走行やバック走行、回転技などを次々と教わりました。いつもの一輪車が、まるで違う乗り物に思えてきたようです。
熱中症予防のため、体育館の温度を確認したり、こまめに水分を取ったりしましたが、児童たちは最後まで元気いっぱい。講師から教わった技を何度も繰り返し練習していました。
約1時間半の講習会は、あっという間に終了しました。児童たちは「最初は難しかったけど、やってみたら楽しかった」と話していました。そのあと、ちょっと恥ずかしそうに色紙に講師のサインをお願いしていました。10月の運動会で教わった技を披露したい――。児童たちには次の目標ができたようです。
ベルマーク財団は、へき地学校への支援の一環として一輪車講習会を開催しています。関心がある学校は財団までお問い合わせください。
一輪車の技や演技をご覧になりたい方は、山本夏夢さんと珠暉さんの動画をどうぞ。


