みんな仲良く一輪車教室/浜松市立熊小学校


(2021/11/11)印刷する

 山あいの小学校の体育館に、元気いっぱいの声が響きます。一輪車のタイヤがきゅっと鳴り、「わーっ」「上手!」「キャーッ」。得意げな顔とちょっぴり不安な顔が交錯しながら、子どもたちみんなの息が弾んでいます。


 ベルマーク財団によるへき地校支援のソフト事業、一輪車教室が静岡県浜松市立熊小学校で11月8日に開かれました。本来は7月に予定されていましたが、大雨による影響で延期になり、待ちに待った教室開催でした。

 浜松市の中心部から遠州鉄道でおよそ30分の西鹿島駅。そこから山道を車で登って40分ほどのところに熊小学校があります。小高い丘の明るい校舎に、児童数は13人(3学級。教職員9人)。校舎内には熊幼稚園(園児6人)も併設されていて、にぎやかです。再来年開校150周年を迎えます。

 今回のインストラクターは、静岡市からやって来た長坂綾さんと、瀧口夏緒さん。いろいろな賞をとっている一輪車のエキスパートです。

 まずは、2人が模範演技を披露。コーナリングや、片足タイヤ乗り、連続スピン、ホップターンなど、一輪車の技を次々と実演。子どもたちの大きな拍手を浴びました。

 模範演技が終わるとさっそく子どもたちから質問が飛びます。「始めたきっかけはなんですか?」「(一輪車に)何か仕掛けがあるの?」「今日のための練習期間はどのくらいですか?」「一輪車の好きなところはどこですか?」。

 矢継ぎ早の問いかけに、「10年以上やっているので、きょうのための練習は1日でできます!」と長坂さんに言うと感嘆の声が。瀧口さんが「好きなところは、技ができるようになったときの喜び」と言えば、長坂さんは「一輪車に乗るところを見てもらって、感動した、って言ってもらえるとうれしいから、一輪車が好きです」と答えました。



 熊小学校は、分校として明治6(1873)年に創立された由緒ある小学校です。

 西田亮(あきら)校長先生によると「一輪車は昭和62年から学校で採り入れていますが、一輪車をやることで自信をもつことができます。一輪車を通して、子どもたちみんながいろいろなことに挑戦してほしいと思っています。学校では百人一首も一年をとおしてやっていますが、児童数が少ないなか、一人ひとり頑張ってやることでチームプレーの心が育ちます」と説明してくれました。

 熊小学校では一輪車が盛んで、「校技」になっています。朝の「夢のつどい」の時間や昼休みを利用して、一輪車を練習。体育の授業でも採り入れています。また、小学校独自の「一輪車検定」もあり、子どもたちが切磋琢磨して、一輪車をみんなで楽しんでいるそうです。9月の幼稚園との合同体育祭(熊愛体育祭)では、一輪車演技が行われました。

 模範演技のあとは、子どもたちの演技です。



 子どもたちは、日ごろの成果を明るく元気な音楽に合わせ、インストラクターの2人の前で披露しました。途中、一輪車から落車することもありましたが、まわりの仲間が励まし、手を取り合い、一生懸命に一輪車を乗りこなしていました。

 「みんなとても上手。きょう指導でやろうと思っていたことが全部できているのでどうしよう」と、長坂さんは笑顔でちょっと困り顔。そんな言葉に、子どもたちの笑顔が弾けます。




 そのあとは、教えてもらいたいことを「バック」「アイドリング」「スピン」の3つに分けて、練習しました。

 「スピンは大きい円からだんだん小さな円にして」「アイドリングはバランスをとってね。回数を数えるといいよ」「バックはペアで支え合いながら練習しましょう」と、アドバイス。そして最後に、「みんな目標を決めてからやってみてください。そうすると頑張れますよ」と説明されると、みんな、うなずいていました。

 児童を代表して、6年生の森下祐花さんが「一輪車が楽しく乗れました。教えてくれてありがとうございました」とあいさつしました。

 教室が終わっても、インストラクターの2人は大人気。校長室で、子どもたちからサインを求められ、楽しいひとときを過ごしていました。

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