「何で?」と考えることが理科の基本/岐阜・下呂市立菅田小で理科実験教室


(2020/11/09)印刷する

 岐阜県の下呂市立菅田小学校(熊﨑由紀校長)で10月27日、全校児童47人が参加し、ベルマーク財団が主催するへき地校支援プログラムのひとつ「理科実験教室」が開かれました。新型コロナ禍の中、今年度初めての開催で、1999年の開始から数えると通算235回目になります。講師はNPO法人サイエンスものづくり塾エジソンの会の6人です。

長机に置かれた実験道具に興味津々

 「わあ、すごい!」「何やろ?」

 午前10時15分過ぎ、最初に会場の体育館に入ってきた高学年の子どもたちは、ステージ前の長机に置かれた実験道具を興味深そうにのぞき込みました。並んでいるのは、ペットボトル、風船、コップ、空き缶など、身近なものが多いようです。

 教室は、エジソンの会代表、華井章裕さんによるサイエンスショー「科学マジックの不思議な世界」から始まりました。最初は子どもたちに向かって風船を次々と飛ばします。そのうちのひとつが、しばし浮かんでから「パーン」と破裂。その後、辺りに漂うのは…? 「みかんの匂いだ!」。ゴムを溶かす性質を持つみかん油が付いていたのです。子どもたちは、みかん油を付けた手で風船を飛ばすことにチャレンジ。いつ破裂するか、見ているみんなも耳を塞ぎながら「うぉーっ」「キャー」と大興奮です。

みかん油を付けた手で風船を飛ばす
風船が割れる!

 次はペットボトルを使ったマジック。水で満たされ、魚型のしょう油入れが浮かんでいます。「ボトルの底には見えないひもが付いています。ひっぱってみよう」と華井さん。片手でボトルを持ち、もう一方の手でひもを引く動作をすると、おや不思議、浮いていた魚型が底に沈んで行きました。引く動作をする際、ボトルを持つ指に力を入れることにヒントがあるようです。「これは、5年生の圧力のところで勉強します」と笑顔の華井さん。

ペットボトルを使った不思議なマジック
缶に火を近づけると、被せたコップはどうなる?
コップが高くジャンプしたのを見てビックリ

 その後もさまざまな実験が繰り広げられました。コップからこぼれない水、「魔法の薬」と火で高くジャンプするコップ、手のひらで一瞬燃えるけど熱くない火。板に打ち付けた600本の三寸釘は、風船を押し付けても割れません。ならばと、子どもたちが靴を脱いで乗ってみます。最初の一人にみんな大注目。両腕でバランスを取りながら釘の上に立つと、大きな拍手が起きました。

 さらには、液体の色が瞬間的に変わるマジックも。種明かしを求める子どもたち。華井さんはこう語りかけます。「何で?と思うのが理科の基本です。何でやろな?と自分たちで考えて欲しい」。

600本の釘の上に風船を置き、上から押し付ける
バランスを取りながら釘の上に立つ

手のひらで一瞬火を燃やす実験をする先生
紫色の液体に入浴剤を入れると、色はどう変化する?

 いよいよショーはクライマックスへ。華井さんは、危ない実験だと前置きし、食紅で色を付けたフラスコに、過酸化水素水と台所洗剤、そして「魔法の薬」を加えます。するとピンク色の泡がモコモコとあふれ出て、ついにはフラスコを覆い尽くしてしまいました。「うわぁー」と目を丸くする子どもたち。

過酸化水素水などの実験では、フラスコが泡で覆われた

 次はワークショップです。3年生以上は教室で、1・2年生は体育館に残って作業します。作るのは「キラキラ万華鏡」と「くるくるレインボー」。万華鏡はビーズなどの中身が交換できる仕組みです。「レインボー」は、竹串に細いテープを付けたもので、回すとテープがねじれて形が色々に変化します。1・2年生は大人たちの助けを借りながらも、1時間弱で全員が2つの作品を完成させました。

 「作るのが面白かった」(1年・星屋賢誠くん)「万華鏡は家で自分の好きなビーズを入れることができるので楽しみ」(2年・星屋理乃さん)、「くるくるレインボーはいとこが持っていたけれど、これは自分が作ったものなのでうれしい」(2年・大島颯介くん)、「ショーでは風船が割れるところがすごく楽しかった」(2年・長尾美範くん)……。みんな、とってもいい時間を過ごしたようです。「子どもたちの目が輝いていました」と熊﨑校長。さらに「校内でも、誰かが話した時に『なぜ、どうして?』と感じることから対話が生まれる、と話していたところ。良い事を伝えてもらいました」と感謝を述べました。

 教室を終えた華井さんは「子どもたちが、みかんの匂いがするから風船が割れると気付いたのはすごいこと。ワークショップでは、時間内にあれだけのものをよく作ったと思います」と目を細めました。華井さんは元は高校の理科教師で、お子さんが通っていた小学校でPTA役員を務めたのを機に、子どもたちが楽しめる実験を研究し始め、エジソンの会を作って活動し始めたのだそうです。

のぞいた万華鏡から何が見える?
くるくるレインボーの製作中
2つの作品が完成!


 菅田小はJR高山本線の飛騨金山駅から南西に約5kmの山あいにあります。銘茶「幾里(いくさと)」の産地として知られ、同校でも、中学年が茶摘みをし、高学年が地域の人から茶の歴史を学んでいます。創立は1873年(明治6年)と伝統を誇る同校ですが、少子高齢化で児童が減ったため、2021年4月には市内の3小学校と統合されることが決まっているそうです。

菅田小の校舎

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