一輪車講習会、岐阜・恵那でスタート/今年度のへき地校支援
(2019/07/18)印刷する
岐阜県恵那市立串原小学校(松野光宏校長)で7月16日、ベルマーク財団が主催する一輪車講習会が開かれました。財団はへき地校支援のため一輪車講習会を続けています。2019年度は5県6校で開く予定で、今回はその最初の回。子どもたちは新たな技に真剣な表情で取り組んでいました。
串原小は明治6年(1873年)に創立され、140年以上の歴史があります。いまは児童数が31人で、2・3年生と5・6年生が複式学級です。地元に伝わる歌舞伎の上演やコンニャクイモの栽培、ホタルの飼育・放流、ササユリの保護・観察など地域の文化や自然に根差した特色のある活動に取り組んでいます。
一輪車は、何十年も前から地域の合同運動会で全校児童が演技を披露し、父母ら参観者が毎年楽しみにしているそうです。今年も9月の運動会に向けて4月から体育の授業や週1回の朝の時間に練習を続けています。
この日の講師は、日本一輪車協会の公認インストラクターの鈴木奈菜さんと須郷(すごう)真弥さんです。2人とも全日本の大会や世界大会でチャンピオンや上位入賞の経験が数多くある第一人者です。
講習会ではまず、5・6年生、1・2年生、3・4年生の順に1時間弱ずつ実技指導をしました。練習に入る前に、講師の2人は一輪車のサドルの高さをおへその下あたりに調整することや、ペダルを踏む足の位置は土踏まずではなく、指先がペダルから少し前に出るあたりの部分でこぐこと、背筋をピンと伸ばして前かがみにならないことなどを注意。「簡単に乗れると思わないで。私たちも何百回、何千回も失敗して今日があります。よく話を聞いて、集中して取り組んでください」と励ましました。
5・6年生はメリーゴーラウンドやループ、1・2年生はスラロームやサークル、3・4年生は大車輪などの技に挑戦しました。7月初めに乗ることができるようになったばかりという1年生の石原陽向(ひなた)くんは、スラロームにも成功。「難しかったけれど、できてよかった」とうれしそう。2年生の大島舞さんは3人で手をつなぎ丸く回った後、3秒停止する技に挑戦。「運動会に向けて3人で力を合わせて練習したい」と話しました。
この後、全校生への指導では講師の2人が、八の字走行、けり上げ乗車、アイドリング、タイヤ乗りなどの模範演技を披露。スケートのフィギュア選手のような高速スピンを繰り広げると、子どもたちから歓声が上がりました。最後に運動会に向けてループトンネルという演技にも取り組みました。全員が一列になって走りながら、先頭の2人が腕を上げて輪を作り、その中を最後尾の人から順にくぐり抜けていく大技です。講師のアドバイスを受けながら、何度も挑戦していました。
松野校長は「的確なアドバイスをいただき、子どもたちのレベルが上がると思います。自己流で練習してきたので大いに刺激になり、ありがたかった」と話していました。