クモのすごさに驚き。探して、見て、標本作り


(2016/10/28)印刷する

岡山県の富小、上齋原小で観察会

 「クモっていい奴なんだ」をテーマに、ベルマークへき地理科実験教室「クモ観察会」が10月18、19の両日、岡山県鏡野町の2小学校で開かれました。日本蜘蛛学会会員の自然史研究家、せきねみきお先生がクモのすごさや最新の研究結果をユーモアいっぱいに紹介すると子どもたちは目を輝かせていました。

 鏡野町は岡山県北部の鳥取県境にある人口約1万2千人の町です。観察会の2日後に発生した鳥取県を震源とする地震では震度5強を観測しましたが、幸い町内では大きな被害はなかったそうです。

児童らが捕まえたクモを観察するせきね先生=富小学校

きれいにできあがったクモの巣の標本=富小学校

 18日の富(とみ)小学校(真鍋貞恵校長、19人)では全児童が参加して近くの廃校になった中学校でクモを観察しました。せきね先生が、クモの巣にかかった松の葉のようなものを見つけ「ほら、これクモだよ」と指を指すと児童らは不思議な顔をしました。せきね先生が捕まえてシャーレに入れ、ふたを指でトントンと叩くと、びっくりして身体をくねらせ足が出てきました。「ほんとだ、クモだ」と児童らはびっくり。「オナガグモといって、自分は松の葉だぞ、と敵に見せて身を守っているんだ」と説明すると感心していました。

 クモの巣の標本も作りました。巣に白いスプレーと糊を吹き付け、黒い画用紙に最後にラッカーで固めると出来上がりです。児童らはクモの巣を探しては標本をつくり「不思議な模様ができた」と喜んでいました。せきね先生は最後に「昔から日本では、クモは田んぼを害虫から守ってくれるいい奴と言われているんだ」と話しました。

標本作りでクモを探す子どもたち=上齋原小学校

 19日の上齋原(かみさいばら)小学校(仲矢昌史校長、17人)では校庭の中庭や玄関でクモ探しをしました。標高800メートル以上の山間部で、空気がひやりとしてクモがいるか心配しましたが、児童らはあちこちでジョロウグモなどを探し当てました。

「これはウヅキコモリグモ。背中に子どもを背負って育てるんだ」

「カグヤヒメグモ。きれいな名前だね」と児童が捕まえたクモをせきね先生が一つひとつ説明してくれました。

 最後に教室で、プロジェクターを使ってクモの最新の研究を紹介。クモは水の上をヨットのように風を受けて移動することが昨年、初めて観察され、その画像を見せると児童らは「へえー」と驚いていました。また、クモの糸で作ったドレスが昨年、開発されたことを教わり、感心していました。

 この理科実験教室は、ベルマーク財団へき地学校を対象に実施している支援事業の一つです。

クモに関する最新研究を教えるせきね先生(左)=上齋原小学校

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