岩手県中学校長会からバス代活用の報告書
(2026/08/04)印刷する
岩手県中学校長会から、2025年度に財団が実施した東日本大震災被災校支援をどのように活用したかをまとめた報告書が届きました。財団は例年、校長会に支援先の選定や取りまとめをお願いしています。
昨年度は、岩手県内の21中学校に生徒の移動のためのバス代を支援しました。活用例として、そのうちの4校からの報告を紹介します。
地域の福祉施設への移動にバスを使ったのは、釜石市立釜石東中学校です。目的は3年生の「ふれあい介護体験」。お年寄りとのコミュニケーションや触れ合いを通して得た学びを、災害時の避難所生活で生かそうという取り組みです。3年生23人が、介護や地域の福祉についての講話を聴いたあと、介護体験として車いすの操作と、ベッドで寝たきりの高齢者の介助を学びました。
そして2週間後に、釜石東中学区の小中合同防災訓練が開かれました。その中で、3年生は自主防災会として避難所開設訓練をしました。ふれあい介護体験で学んだことを生かして、避難者の受付や誘導に意欲的に取り組む姿が見られたそうです。
宮古市立第二中学校の生徒がバスで向かったのは、盛岡市にある陸上競技場。陸上競技場の周囲に設けられた3.3kmのコースを1人1周走り、チームの合計タイムを競う盛岡市内一周継走大会に16人の生徒が参加しました。報告書には、同校について「震災の影響がまだ色濃く残る地域」と説明がありました。「全家庭から教育活動支援として一定額を集金し、大会参加費等に充てています。要保護・準要保護家庭の生徒がいる本校にとって、支援金は大変助かりました」とのことでした。
男子駅伝チームの生徒がバスに荷物を積み込む場面、運転手にあいさつする場面、出発直前の笑顔という3枚の写真を添えてくれたのは大船渡市立第一中学校です。行き先は、岩手県中学校男子駅伝競走大会の会場となった花巻市内の陸上競技場。生徒と教員合わせて8人が会場に向かいました。
予選の気仙地区大会を1位で突破した第一中の男子駅伝チーム。県大会の結果は39チーム中24位で、「次年度につながるための収穫の多い大会となりました」。
同校では、部活動の地域移行を見据えて昨年度は対外活動費を徴収しなかったため、予算の確保が厳しかったそうです。そのような状況だったこともあり、「大変助かりました」と記されていました。
陸前高田市立高田東中学校では、1年生の総合的な学習の時間で、「地域学習」のためにバスに乗りました。
震災遺構として残されている気仙中学校、東日本大震災からの復興への願いが込められた「3.11希望の灯り」がある気仙大工左官伝承館、津波で散らばった部材の回収や洗浄といった工程を経て復旧した旧吉田家住宅主屋などを巡りました。東日本大震災を経験していない生徒たちが現地に足を運んで、当時の様子や、地域がどのように復興してきたかを学ぶのはとても有意義だったとのこと。バス代の支援については「昨今の借り上げ運賃の値上げ等により、保護者の負担が増えている中、とても助かりました」とありました。


