職場訪問や部活動でバス代活用/宮城県中学校長会から報告書


(2021/12/21)印刷する

 宮城県中学校長会(長澤裕司会長)からベルマーク財団に、東日本大震災被災校支援についての報告書が届きました。財団からは今年度、宮城県の中学校30校に対し、バス代補助として計100万円を支援しています。報告書には具体例として2つの中学校がバスを利用した際の写真が添えられていました。

 石巻市立北上中学校(菅原健志校長、生徒42人)は、1年生13人が職場訪問をした際のバス代に活用しました。訪問先は株式会社デ・リーフデ北上と、一般社団法人イシノマキファーム。いずれも地元で、新しい形での農業に取り組んでいます。教務の高橋秀成先生は「働く人の姿を実際に見ることで、農業の将来に対する展望や課題を知ってほしい」と話してくれました。

 最初に訪れたのはデ・リーフデ北上。ここでは木質バイオマスと地中熱利用のヒートポンプを再生可能エネルギーとして活用し、トマトとパプリカを一貫生産・販売しています。地中の熱は一年中安定していて平均気温より高いことが知られています。それを生かし、地球温暖化防止と節電に貢献しようというものです。水耕栽培で安定した出荷を実現している温室などを見学しました。

 イシノマキファームは、休耕地の活用からはじまって、農業を通して新しい雇用を生むという課題に向き合い、地域で初のホップ栽培と地ビール醸造を始めています。生徒たちは農業体験の一環として染め物を体験。草木染めのように、タマネギの皮を煮出して染色する方法を学びました。天然素材の染色ならではのやさしい黄色に染まり生徒たちの笑顔がはじけました。クラフトビール作りも学びました。

職場訪問から(左)デ・リーフデ北上(右)イシノマキファーム

 気仙沼市立鹿折(ししおり)中学校(菅原定志校長、生徒113人)は、部活動の新人大会への参加でバスを利用しました。バスケット、男女卓球、サッカー、女子ソフトテニスの各部で、市内の他の中学や南三陸町まで行ったチームもあったそう。バスもピストンで生徒たちを送り届けるなど大変だったようです。結果は、サッカー部が3位に入ったものの、残念ながらどこも上の大会の出場権を得るまではいかなかったとのこと。それでも「生徒たちは元気にベストを尽くしてくれました」と教頭の石田康之先生。

バスに乗った男女卓球部

 気仙沼市はNHKの2021年前期の朝ドラ「おかえりモネ」の舞台になったことでご存知の方も多いでしょう。ドラマでも震災のことや防災について語られていましたが、鹿折中も防災・減災教育に力を入れ、地域と連携した避難所設営訓練、運営訓練を実施したり、地域住民から震災時の避難の様子を聞き取ったりしています。こうした活動が評価され、防災への取り組みを顕彰する「ぼうさい甲子園」の2021年度中学生部門で第1位の「ぼうさい大賞」を受賞しました。

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