「総合的な学習」で小学生がベルマークを集め、財団に寄贈
(2020/05/12)印刷する
３月下旬、ベルマーク財団に二つの小学校から寄贈マークが届きました。いずれも総合的な学習の一環として、ハンディのある学校を支援しようと、学年単位で子どもたちが取り組みました。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため臨時休校となったさなか、子どもたちの思いの詰まったベルマークが、先生たちの手によって届けられたのです。
栃木県の真岡市立亀山小学校（池田範夫校長、児童261人）からは、きちんと会社別にビニール袋で小分けされたベルマークが届きました。同封の手紙には「学校中に呼びかけ、４年生全員で（ベルマーク）番号別に分けました。災害などで困っている学校に役立ててもらいたいと考えてこの活動を行いました……４年生児童一同」と書かれていました。
亀山小は総合的な学習の時間で毎年、福祉をテーマに取り上げています。2019年度の４年生37人は「自分たちにできるボランティア」を考え、グループで様々な活動を展開しました。その中にベルマークを集めたグループもありました。４年生を受け持っていた鈴木大貴先生と亀倉和晃先生によれば、子どもたちは図書室の本やインターネットで調べ、災害などで困っている学校のために役立つベルマークにたどりついたそうです。
グループの10人はポスターを作って掲示したり、休み時間に教室を回ったりして全校児童にベルマーク収集を呼びかけました。集めたのは今年１月下旬の５日間。回収箱は校内のオープンスペースに置きました。２月中旬から４年生全員で番号別の仕分けにとりかかったのですが、収集期間が終わった後もマークを家から持って来てくれた子どもがいたそうで、作業は５回ほどかかったといいます。
その直後、学校は新型コロナ禍で３月２日から臨時休校になってしまいましたが、鈴木先生は「ベルマークは先生が責任を持って送ります、と子どもたちに伝えました」。子どもたちに代わって手紙を書いた亀倉先生は「子どもたちは、ちょっとでも世の中を良くしたい気持ちで一生懸命マークを集め、仕分けていました」と話しました。
亀山小は４、５年前にも、児童が集めたベルマークを被災校支援のためとして財団に送ったことがあります。
愛知県の稲沢市立稲沢西小学校（澤田豊喜校長、児童610人）から届いたベルマークは、会社別に封筒に小分けされていました。同封の手紙には「社会で困っている人達の手助けができないかと考え、２月の１カ月間、ベルマーク集めを行いました……５年生一同」とありました。
５年生の担任だった瀬尾佳史先生によれば、１、２学期の総合的な学習の時間で、子どもたちは車椅子や盲導犬について講師から学び、興味を持ったことについて調べて発表しました。３学期は、福祉を支えていく上で「わたしたちにできること」をテーマに学年全体で取り組むことになり、各クラスで話し合いました。すると３クラスのうち２クラスから「ベルマークを集めよう」という意見が出、みんなでチャレンジすることに決まりました。
まずはベルマークがどんなものか知ろうと、財団ホームページに掲載している動画「未来を育むベルマーク」を先生が録画し、全員で視聴しました。そして２月の１カ月間、各教室にダンボールの回収箱を置き、学級委員が中心になってマーク収集を呼びかけました。学年だよりのプリントにも記して家庭からの協力も仰ぎました。中には「どれに付いているんだろう？」と、家でベルマーク付き商品を探す子どももいたそうです。
集まったベルマークは子どもたち自身が仕分け・集計をする予定でしたが、その矢先の３月２日から新型コロナ禍による臨時休校に。このため作業は担任の先生方が引き継ぎました。「ベルマーク活動を通じて、子どもたちは福祉に関わることへの実感が持てたのではないでしょうか」と瀬尾先生は話してくれました。財団に届いたマークには手紙と一緒にプリント出力した集計表も添付されていました。会社別にベルマーク点数と枚数を入力すると、トータルの点数が表示される計算式が入ったエクセルシートで、財団がホームページで紹介しているものを瀬尾先生が活用したそうです。マークの合計点数は4910.7点でした。
ベルマークは学校や団体が備品を買うために集めるほか、学校や職場、そして個人など様々な単位で集めて財団に「寄贈マーク」として送り、災害被災校やへき地の学校の役に立ててもらうことも出来ます。財団が昨年度に実施した台風・大雨被害の被災校支援や、東日本大震災被災校支援にも、寄贈マークは役立てられました。
